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2020年8月15日の記事一覧(全8件)
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サイエンス

ムペンバ効果が実証される。温度むらのある物質は均一な温度の物質より早く冷える 55

ストーリー by nagazou
透明な氷を作るアレも関係あるのだろうか 部門より
お湯が冷たい水よりも先に凍ることがある。1963年にタンザニア13歳の少年、ムペンバ君は、熱い水のほうが冷たい水よりも早く凍ることを発見し、学校で研究成果を発表した。この「ムペンバ効果」が起きる原因は、確実な再現方法がなかったことから、物理学永遠の謎だった。

この長年の謎が、サイモンフレーザー大学の物理学者Avinash Kumar氏とJohn Bechhoefer氏の研究により、この謎は解明されることとなった。同チームはもともとムペンバ効果について研究していたのではなく、「水の単一分子に近い大きさのガラスが水中でどのように動くか」を研究していたもので、たまたま水分子に近いサイズの高温のガラスビーズが、低温のガラスビーズよりも速く冷却されることを発見。今回の成果につながったという(ナゾロジーScience NewsSmart NewsGIGAZINE)。

あるケースでは、高温のビーズは約2ミリ秒で冷却したのに対し、低温のビーズはその10倍の時間がかかったとしている。こうなった理由としては、温度のむらが原因だと説明している。温度にむらがあるとき、局所的に高温になった物質は低温の分子状態に素早く移行できるということらしい。

この研究内容は学術雑誌「Nature」に掲載されている。もしムペンバ効果を現実の熱システムに応用できれば、温度革命が起こるかもしれないとしている。
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バイオテック

汗によって発電する電子スキンが開発中。代謝物をモニターしてをBluetooth経由で伝達できる能力も 14

ストーリー by nagazou
再利用できるのだろうか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

汗っかきの人がメリットの多いらしい技術が登場したそうだ。米カリフォルニア工科大学の研究チームは、汗から発電する電子スキン「PPES(Perspiration-Powered Electronic Skin)」なるものを開発したという(ITmedia)。

このPPESは、伸縮性や耐久性に優れており、汗から効率的にエネルギーを抽出するバイオ燃料電池を搭載しているという。この電池の発電力で電子スキンのデータをBluetooth経由で伝達できる能力もあるらしい。被験者の運動中の代謝物をモニターし、スマートフォンに転送する実験にも成功しているそうな。

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地球

天気図で日本上空にPontaが出現 39

ストーリー by nagazou
確かに似てる 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

12日9時の実況天気図で、日本付近にPontaが現れた。等圧線が輪郭を描き、高気圧の中心が目を、熱帯低気圧が鼻を表した。12日6時の時点ではまだPontaではなく、12日12時には形が崩れてしまった(ITmedia)。

Pontaは、三菱商事系の共通ポイントサービス名、ならびにそのイメージキャラクター。名称は、『Point terminal』という意味と『ポイントがポンポンたまる』様子からつけられた。『ポンポン』からイメージされるタヌキがイメージキャラクターとなっている。

情報元へのリンク

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Chrome

Chrome 86 Dev/Canary、アドレスボックスにドメイン名のみを表示するテストを実施 22

ストーリー by headless
実験 部門より
Googleは12日、デスクトップ版Chrome 86(Dev/Canary)で一部のユーザーを対象に、Omnibox(アドレス・検索ボックス)のURL表示をドメイン部分のみにするテストを実施していることを発表した(Chromium Blogの記事Ghacksの記事Neowinの記事SlashGearの記事)。

URLに細工してユーザーを混乱させる攻撃手法は無数にあり、Googleとイリノイ大学アーバナシャンペーン校の共同研究によると、ブランド名を含むURLパスを見たユーザーの60%以上がだまされるという結果が出ている。ドメイン部分のみの表示はこういった攻撃への対策の一つで、現実の使用でユーザーを悪意あるWebサイトへのアクセスに気付かせ、保護できるかどうかを確認するのが目的だという。

テスト対象になったユーザーの環境ではデフォルトでURL表示がドメイン部分のみになり、OmniboxをポイントしたときにのみフルURLが表示されるようになる。常にフルURLを表示するには、Omniboxのコンテキストメニューで「URL全体を常に表示」を選べばいい。

テスト対象になっていないユーザーは「chrome://flags」で「#omnibox-ui-sometimes-elide-to-registrable-domain」および「#omnibox-ui-reveal-steady-state-url-path-query-and-ref-on-hover」の両方をEnabledにすれば試すことができる。また、「#omnibox-ui-hide-steady-state-url-path-query-and-ref-on-interaction」をEnabledにすると、ページ内で何らかの操作をするまではフルURLが表示されるようになる。これらのフラグはChromium 86ベースのMicrosoft Edge Dev/Canaryにも用意されている。

ドメイン名のみの表示にするフラグは6月にChrome 85 Dev/Canaryで見つかり、話題となっていた。ただし、当時は上述の最初のフラグがなく、代わりに「chrome://flags/#omnibox-ui-hide-steady-state-url-path-query-and-ref」というフラグが用意されていた。なお、現在BetaチャンネルではChrome 85が提供されているが、対応するフラグは後の2つのみとなっている。
14267581 story
宇宙

ベテルギウスの急速な減光の原因とみられる現象、ハブル宇宙望遠鏡がとらえていた 35

ストーリー by headless
放出 部門より
2019年後半から2020年初めにかけてベテルギウスの急速な減光が話題となり、その理由についてさまざまな仮説が立てられたが、減光の原因になったとみられる現象をハブル宇宙望遠鏡がとらえていたそうだ(ニュースリリース論文アブストラクト)。

ハブル宇宙望遠鏡は2019年1月からベテルギウスの紫外光分光観測を行っており、2019年9月・10月・11月には高温で高密度の物質がベテルギウスの光球から出て大気を抜けていく様子をとらえていたという。この物質はベテルギウスが通常放出する量の2倍と推定され、9月~11月には時速20万マイルで光球から大気に抜けていたそうだ。物質はその後もベテルギウスから離れていき、数百万マイルの距離に到達すると冷えて塵に変わった。物質は地球の方向に放出されたため、手前を覆った塵によりベテルギウスが減光したとみられる。ベテルギウスは2020年4月までに元の明るさに戻っている。

この物質はベテルギウスの大きな対流セルから放出された超高温のプラズマで、大量放出の原因はわかっていないが、ベテルギウスが膨張する周期に一致したことで大気からの流出が促進されたことが予想されている。
14267583 story
バイオテック

トノサマバッタを大群化させる誘引物質が特定される 24

ストーリー by headless
誘引 部門より
トノサマバッタが大群化する誘引物質として、中国科学院の研究チームが4-ビニルアニソール(4VA、4-メトキシスチレンとも)を特定したそうだ(Natureの記事Ars Technicaの記事論文アブストラクト)。

トノサマバッタはサバクトビバッタと同様に密度が高い環境では孤独相から群生相へと変化し、大群で移動して農作物を食べ尽くす蝗害の原因となる。以前から大群化には集合フェロモンがかかわると考えられていたが、誘引物質は特定されていなかった。

研究チームはトノサマバッタが発する35の化学物質を調べ、群生相のトノサマバッタが高濃度で発する少ない6物質を特定。このうち、4VAのみが強い誘引作用を示したという。4VAは群生相のトノサマバッタのみが発するが、群生相・孤独相ともに齢数・性別を問わずに誘引し、孤独相のトノサマバッタでも4~5匹の密集で発するようになったとのこと。これにより、密度が高くなればなるほど4VAの濃度が高まり、さらにトノサマバッタを誘引して群れが大きくなっていくというポジティブフィードバックループが生まれる。

4VAは揮発性物質であり、人間は甘い香りだと感じる。研究チームではトノサマバッタの触角を調べ、群生相・孤独相ともに4VAに強く反応する嗅覚ニューロンを特定した。さらに嗅覚受容体OR35が4VAで選択的に強く活性化することを確認している。ゲノム編集技術CRISPR-Cas9を用いてOR35遺伝子を欠落させたところ、トノサマバッタは4VAに反応しなくなったという。また、粘着式トラップを使用した実験でも4VAの誘引効果を確認している。実験での誘引効果は控えめなものだったが、より効果的なトラップの開発につながることが期待される。
14267878 story
NASA

準惑星Ceresの光点は地殻下にたまった塩水が滲み出し、水分が蒸発したものだという結論 8

ストーリー by headless
水分 部門より
準惑星Ceres表面の明るく見える複数の領域について小惑星探査機Dawnミッションの科学者は、地殻の下にたまっている塩水が滲み出し、水分が蒸発したものという結論に達したそうだ(ニュースリリースNatureの記事コレクション)。

Ceresの明るく見える領域は2015年にDawnが到着するずっと前から、天体望遠鏡で光点として観測されていた。2015年にDawnが約13,600kmの距離から撮影した写真では光の反射率が高い物質で覆われた鉱脈になっていることが確認される。この物質は氷ではないかと予想されていたが、2017年~2018年のDawn最後のミッションCeres表面から約35kmまで接近する楕円軌道に入ったことで詳細なデータが得られ、大半が炭酸ナトリウムだと判明した。これは地表に滲み出た液体が蒸発した結果と考えられてはいたものの、液体の出所は不明のままだった。

最新の研究ではミッションの終わり近くにDawnが収集したデータを分析することで、大きな鉱脈のあるOccatorクレーターの地下約40kmの深さに広い範囲で塩水のたまっている場所が存在すると結論付けられた。氷衛星では惑星との重力の相互作用により内部で発生した熱により、氷の火山が噴出する。Ceresの場合はこのような作用を受けないが、2,000万年前のクレーター形成時の衝撃による熱で地表近くのみぞれ状の部分が溶け、鉱脈の元になったとみられる。さらにクレーター形成時の衝撃で深い割れ目が生まれ、温度が下がったのちも継続的に塩水が滲み出し続けることになったようだ。
14267903 story
法廷

米マクドナルド、解雇したCEOに退職金などの返還を求める訴訟 31

ストーリー by headless
返還 部門より
米マクドナルドは10日、昨年解雇した前CEOのスティーブ・イースターブルック氏を相手取り、退職金などの返還を求める訴訟をデラウエア州衡平法裁判所に提起した(ニュースリリースArs Technicaの記事NPRの記事訴状が添付された証券取引委員会への報告書: PDF)。

イースターブルック氏に関しては昨年10月、従業員の一人(従業員1)と不適切な関係にあるとの疑惑が持ち上がった。調査の結果、肉体関係はなかったものの、合意のうえでテキストメッセージやビデオ通話を通じた性的関係を数週間にわたって持っていたことが判明する。イースターブルック氏は従業員1を含め、マクドナルド従業員と肉体関係を持ったことは一切ないと主張しており、会社で支給した携帯電話でもイースターブルック氏の主張に反する証拠は見つからなかったという。取締役会では理由を示す懲罰的な解雇にするには法的な証拠が不十分だと判断し、退職金などの支払い対象になる無理由解雇を選択。イースターブルック氏は昨年11月に解雇された。

ところが同社は今年7月になって、イースターブルック氏がCEO時代に従業員2と性的関係にあったという匿名のタレコミを受け取る。調査の結果、イースターブルック氏が2018年から2019年にかけて従業員2だけでなく、他2名の従業員とも肉体関係にあったことを示す写真や動画が見つかった。これらはイースターブルック氏が電子メールメッセージに添付し、会社用アカウントから個人用アカウントに転送したものだという。さらにイースターブルック氏は数10万ドル相当の制限付き株式を従業員2に譲渡しており、写真の日付から2人が性的関係を持った直後とみられている。

マクドナルドが写真や動画の存在を把握したのは7月になってからだが、メッセージ自体はマクドナルドのサーバーに残されていたという。イースターブルック氏は会社支給の携帯電話からメッセージを削除して証拠隠滅を図ったとみられているが、携帯電話上でメッセージを削除してもサーバーからは削除されないことは知らなかったようだ。これらの写真や動画だけでも動かぬ証拠となるが、イースターブルック氏は外部の調査委員会に虚偽の申告をしている。訴状では取締役会がこれらの事実を知っていれば理由なしの解雇を選択することはなかったとし、損害賠償、または退職に伴ってイースターブルック氏が受け取ったすべての現金および株式の返却を命じるよう求めている。

なお、2015年にバーガーキングがマクドナルドに「バーガー戦争」の終結を提案した際、イースターブルック氏がマクドナルドの公式Facebookアカウントで軽妙な返答をしていたが、この投稿は既に削除されているようだ。
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ研究家

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