オンラインで販売されていた COVID-19 ワクチン免除証明書の発行者となっていた米テネシー州の医師が医師免許を自主返納したそうだ
(
WTVF の記事、
Ars Technica の記事)。
ワクチン免除証明書は医学的な理由で接種を受けられない人に対して発行されるものだが、何らかの理由で接種を受けたくない人が学校や企業などの接種義務付けを回避するためにも悪用されていた。医師はテネシー州ヘンダーソンビルの MedChoice という会社と協力し、COVID-19 ワクチン免除証明書を発行していたという。同社は「資格を持った医師が個別に検査・署名した手書きのワクチン免除証明書」などと説明していたが、実際に医師が検査を行うことはなく、ウェブフォームで非接種の事情を選択するオプションにチェックを入れるだけだったとのこと。
このようなサービスの存在を知ったテネシー州ナッシュビルのテレビ局 WTVF のジェニファー・クラウス氏は取材のため、およそ 139 ドルを支払って
針先を恐れる家族のチャーリーのワクチン免除証明書の取得を試みる。その結果、数日後にはラブラドール・レトリバーのチャーリー宛に手書きのワクチン免除証明書が届いたそうだ。証明書は処方箋のような書式で、「チャーリーはいかなる種類の COVID ワクチンも接種すべきではない」などと書き込まれており、付属のラミネートされたワクチン免除カードには「COVID ワクチン接種の医学的免除を証明する」などと記載されていたという。
州医道審議会の調査により、医師の資格はテネシー州に限られていたが、州外にも証明書が発行されていたことも判明する。審議会では専門家にあるまじき非道徳で非倫理的な行為により州の規則に違反、虚偽の説明により医療行為において詐欺の罪を犯したなどと判断。医師は審議会により医師免許をはく奪されるよりも自主的に返納することを選択したとのことだ。