テキサス A&M 大学の研究チームによると労働者の生産性は午後に低下し、特に金曜日の低下が著しいという
(
論文、
Texas A&M Today の記事、
The Register の記事)。
研究は大手エネルギー企業で米テキサス州のヒューストンキャンパスに勤務する管理者や地質学者、会計士、エンジニアなど、コンピューター中心の作業をするオフィス勤務の労働者が対象だ。調査に用いた生産性モニターソフトウェアRSIGuardでは、コンピューター使用時間 (キーボード・マウス) や入力単語数、ミスタイプ数、マウスのクリック回数・移動距離・スクロール回数といったデータが収集できる。入力単語数とミスタイプ数に関しては午前・午後別のデータも取得できるという。調査は 789 人を対象に、2017 年 1 月 1 日 ~ 2018 年 12 月 31 日に実施。ただし、ハリケーンの影響を受けた 2017 年 8 月 1 日 ~ 9 月 30 日のデータや、項目の一部が欠落したデータ、入力単語数またミスタイプ数の総計が午前と午後の合計と一致しないデータは除外している。
その結果、入力単語数とマウスクリック回数・移動距離は火曜日~木曜日に若干増加し、金曜日に大幅な減少がみられる。一方、ミスタイプ数は月曜日が最も多く、金曜日が最も少ないが、入力単語数に対するミスタイプ数では金曜日が最も多くなる。午前と午後の比較では、入力単語数は月曜日を除いて午後に減少し、ミスタイプ数はウィークデー全日で午後に増加。特に金曜日は午後に入力単語数の大幅な減少がみられる一方、ミスタイプ数は増加している。
今回の研究成果は金曜日の自宅勤務や週間の労働日数削減といった異なる勤務体制が被雇用者の健康や仕事と生活のバランス、生産性を向上させるほか、持続可能性に重要な職場でのすべての要素を向上させる可能性を示す。ただし、この研究成果を検証し、さまざまな業界と職種で生産性向上や持続可能性推進が可能な戦略を特定するため、さらなる研究が必要とのことだ。