84p 曰く、
平成電電が固定電話から携帯電話への通話料金を自社で設定できるよう要求している問題が、8月28日の参議院決算委員会で取り上げられた(議事録)。
現在、固定電話から携帯電話への通話料金は携帯事業者が決定権を持っており、例えばNTTドコモの場合3分間の通話料が80円となっている。これに対し平成電電は3分あたり60円のサービスを提供を目指していたが、携帯事業者との協議が不調に終わり7月18日に接続協定裁定申請書を提出。これに対してドコモなど3事業者は8月9日に裁定を却下するよう答弁書を提出し、解決の糸口が見出せない状態となっている。
この日の委員会では、遠山清彦議員が質問を行った。質疑の概要は次のとおり。
Q:同じ設備を利用しているのに携帯→固定と固定→携帯で料金が1.5倍も違うのはおかしいのではないか。
A:行政指導により今年3月に格差は縮小している。今後も指導を続けていく。
Q:同じ090ではじまる携帯電話向けの電話でも事業者により料金が異なり、通話料がいくらなのか利用者に分かりにくいのはいかがなものか。
A:事業者は約款に当然記載しており、WEB上でも料金を公表している。ただ、もっと積極的に周知活動を行っていく必要はあると思う。
Q:平成電電やケーブルアンドワイヤレスIDCなどが固定→携帯の料金設定権について申入れを行っているが、そもそも携帯事業者側が料金決定権を持つという慣習はどういう経緯なのか。
A:固定→携帯の通話コストの大半は携帯電話側であり、大半を負担する方が尊重されるという慣行ができたのではないか。
Q:この慣行は、昭和54年に電電公社が移動体部門に自動車電話の料金設定権を持たせて以来のものではないのか。当時は国内通話も含めて電電公社が独占していた時代であり理解できるが、そのときの慣行が現在も受け継がれているのはどうか。
A:NTTドコモがNTTから分社化した平成4年にはIDOとツーカーが事業を行っていたが、この2社についても固定→携帯の料金は携帯事業者が決定権を持っていた。従ってNTTドコモが分社前の慣行に従ったわけではない。
Q:固定電話事業者が低価格でサービスを提供しようとしても料金決定権が無くサービス開始できない状況はどのように説明するのか。
A:基本的にはビジネスであり、両者が話し合って決めたことを尊重するのが政府の姿勢だ。
Q:国内・国際電話は発信側が料金決定権を持つのに携帯電話だけ携帯事業者が着信側も決定権を持つのは、やはり納得いかない。
A:基本的に両当事者の話し合いであり、政府が積極的に調整することはできないし、するべきでないと考える。
Q:政府が民間に対して事細かに口出しすべきでないのは同意するが、消費者の利益を守るための指導は必要であろう。今後IP電話の普及が予想されるが、IP電話についても携帯事業者が料金設定権を持つとその部分だけ料金が高止まってしまうのではないか。
A:IP電話についてもやはり、両者間の協議で設定されたものを尊重するというのが政府の立場だ。
Q:今年4月、アメリカが日欧に対して携帯事業者が固定事業者に対してコストを著しく上回る接続料を課しているとして引下げを要請してきているが、これについて政府の見解を伺いたい。
A:アメリカの主張には不正確なところがあり、政府としては資料を示して反論していく。
政府としては、この問題には積極的に関与するつもりがないことが伺える。今回の質問は平成電電が議員に働きかけたものと思われるが(平成電電のニュースリリース:PDF)、同社は他にこの問題について公正取引委員会に対して申告を行っている。あの手この手で携帯事業者の牙城に挑む同社だが、果たして勝ち目はあるのだろうか。