苦痛を感じる脳と抑制する脳
タレコミ by MIYU
MIYU 曰く、
「苦痛は主観的な知覚だ」と言われる事が有りますが、 Science誌に 核磁気共鳴機能画像法(fMRI)を利用した 二つの興味深い研究結果が発表されています。
ミシガン大学とプリンストン大学の研究者による実験では、被験者の腕に苦痛を和らげるクリームを塗り、感電刺激または熱刺激を与えてfMRIで脳の反応を測定しています。 実際には何の効果もない偽薬が使われたのですが、被験者の脳では前額の皮質が活発に活動し、脳の苦痛に反応する部位の活動が低下したそうです。
また、ロンドン大学の画像神経科学者タニア・シンガーらの実験では、 人間は共感度が高い相手の苦痛を自分自身の脳で苦痛として感じるという結果が出ています。 実験に参加したのは16人の女性で、 実際に自分の手に与えられた電気刺激に対する反応と、 自分のパートナーが同じように電気刺激を与えられている映像を見た時の脳の反応がfMRIで測定され、どちらの場合でも脳の中で痛みの感情に対応する部位の脳活動が活発になったそうです。
fMRIを利用する事によって脳の機能の解明が進んできていますが、脳の苦痛を感じる・抑制する部位が特定される事で、慢性疾患による痛みなどの治療に有効な薬や手法が開発される事が期待されているそうです。
/*人間という生き物について理解を深める事が、人間の幸せを増やす方向で使われてくれる事を 願わずにはいられない今日この頃です。*/
参考文献:
EurekAlert!記事: Brain scans show how placebo eases pain、 原論文:Imaging Studies Show How Brain Thinks About Pain、Science vol.303, 1121
Nature記事:I feel your pain、 原論文:Empathy for pain involves the affective but not sensory components of pain、Science vol.303, 1157