還流どころか輸入CDは一切禁止?
ITmediaの記事によると、邦楽CDの逆輸入を禁止する著作権法改正案が、いつの間にか並行輸入なども含めて輸入CDを無差別に禁止する法改正案にすりかえられていたことがわかった。これを受けて、アーティストや輸入CD販売者、改正案の審議に携わっている国会議員などが5月4日に新宿でシンポジウムを開催し、改正案が通った場合に考えられる影響を議論した。
改正案で問題になっているのは、著作物の輸入権。改正案を音楽CDに適用した場合、内外を問わず、各レコード会社に日本国内へCDを輸入するか否かを決定し、これを実行する独占的な権利が法律により認められる。権利を侵害すると、刑事および民事責任を問われる。当初は条文記述上の問題とされていたのだが、最近これが全米レコード協会(RIAA)や国際レコード産業連盟(IFPI)からの圧力だったのではないかという噂が広まった。改正案を提出した文部科学省と文化庁は当初「圧力はない」としていたが、改正案が参議院を通過した後に「RIAAおよびIFPIから、輸出権を認めるべきとのパブリックコメントがあった」と公表した。これを知った川内博史代議士(民主党)は文化庁への質問により、CDの輸入権を認めることによって並行輸入が禁止される可能性があると確認した。記事では、海外のレーベルが自社ルートで日本に輸入していないCDについても、個人、販売店経由を問わず、輸入権に基づく禁輸決定を下すことが可能になるとしている。
シンポジウムでは、国内のアーティストからは「還流CDは全く持って少数、しかも還流CDだけを買う人はさらに少ない。法改正は明らかにミスポイントだ」、海外事情通や立法関係者からは「輸入権に再販制度を組み合わせているのは日本だけ。法的にも矛盾があり、両者は両立し得ない」などの発言が相次いだ。法改正案は5月下旬に衆議院で審議入りし、成立すれば2005年1月に施行の見込み。