acountname 曰く、
Prototype nuclear battery packs 10 times more power
原子崩壊に伴う熱を熱電対で電気に変換する原子力電池はVoyagerなどで使われていたことは知っていたけど、ベータ崩壊にともなって発生する電子を捕まえて電気に変換する電池は(わたしは)知らなかった。
Henry Moseley氏が1913年に発明したものだそうだが、電圧数千ボルト、電流ちょぼちょぼで使い物にならんかったらしい。
今回、ロシアの研究所では放射性物質としてニッケル63を用い、最も効率的な端子間隔を見つけ出して十分実用的な出力を取り出せた。 重量エネルギー密度3,300mWh/gはリチウムイオン100~300mWh/gの10倍にもなる、さすが核の力……なのだが、実験的に作ったものはなにしろ小さい(1.5cm3)のでバッテリーとしての安定な出力はせいぜい数マイクロワット。ただ、ニッケル63の半減期が100年もあるので、およそ100年間ずっと変わらぬ出力が得られる。
応用先としては小電力だけど止まると困るし充電も難しいもの、たとえば心臓ペースメーカーなどが考えられるとのこと。
(ベータ崩壊は、どちらかというと「弱い力」のほう、というのが何だか面白い)