PayPalがLibra協会への参加を取りやめ
PayPalが4日、Libra協会への参加取りやめを表明したそうだ(CNBCの記事、 Reutersの記事、 The Vergeの記事、 Mashableの記事)。
Facebookが中心となって設立したLibra協会は、世界中で利用可能な暗号通貨「Libra」と金融インフラの提供を目指す。PayPalはLibra協会の設立趣意書が完成後に創立者となる初期メンバー28団体の一つだった。Libraネットワークの運用開始後はFacebookも他の創立者と同等の立場になるとされているが、実質的にLibra協会をコントロールしているのはFacebookとみられており、米政府などが懸念を示している。そのため、予定通り2020年前半に運用を開始することは難しいとみられている。
PayPalは現時点でこれ以上Libra協会に関わることをやめ、同社のビジネスにおける優先事項に注力するなどと述べており、具体的な理由については説明していない。ただし、発表の前日にFinantial Timesが報じた内容によると、PayPalはLibraが各国政府から受けている批判、とりわけ資金洗浄への懸念についてFacebookの対応が不十分と感じて距離を置き始めていたとされる。
PayPalのWebサイトやソーシャルメディアアカウントではLibra協会への参加取りやめに関する発表は出ていないが、Libra協会への参加を発表した6月のニュース記事は削除されている。一方、Libra協会はホワイトペーパーを更新し、初期メンバーからPayPalの名前を削除したほか、Libraに参加する企業はそれぞれがリスクと利益の評価を行うなどとツイートしている。
なお、初期メンバーではPayPalのほか、MastercardやStripe、VisaもLibra協会に正式参加するかどうかを決め兼ねていると報じられているが、実際に参加取りやめを表明したのはPayPalが初めてだ。