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テクノロジー

究極の個人工場は何を生み出すのか?

タレコミ by MIYU
MIYU 曰く、

ロイターが、マサチューセッツ工科大学(MIT)の25歳の学生、 Gauri・Nandaさんが、「最初にスヌーズ・ボタンが 押された後に自ら床に落ちて逃げ出す」、かくれんぼう型の目覚まし時計 を発明した事を伝えています。( エキサイト・ニュース経由)

リンク先に写真が有りますが、クロッキー(Clocky) と名付けられたこの時計は、側面に2つのゴム製車輪を持ち、床に落下して転がる際にそれを守るクッション代わりになる、毛足の長いじゅうたん素材で本体が覆われている為、なかなか奇妙な姿をしています。また、内部にはコンピューターチップが組み込まれていて、どれだけ遠くに転がるかがランダムに決定される為、落下した時の向きとの組み合わせで毎朝違う場所に転がってゆき、人間が起きあがって探し出さない限りベルが止められない様になっているそうです。

この変わった目覚まし時計は、MITの「 How to make almost anything」というコースから生み出されたものです。 この授業の大元になっているのは 「Personal fabrication」 というアイデアで、工場で使われている大がかりな製造装置を、その能力を保ったまま個人が使えるものにしてしまおうというものです。Nature Web NewsはそれをDo it yourself訳文)という非常に判りやすい言葉にまとめています。

このアイデアを推進している「 Center for Bits and Atoms」のメンバーのNeil・Gershenfeld氏によると、 現在製造加工に使われている機械類のほとんどは大がかりなもので、 例えて言えば古いメインフレーム・コンピューターのようなものだそうです。 そこで彼は、既存のレーザー光線や高圧のウォーター・ジェットを使用する 切断装置やレーザー光線を使用する三次元プリンターなどとコンピューターを 組み合わせて、費用(装置一式で2万USドル)と複雑さの点で 「ミニ・コンピューター」に匹敵する、より小型で扱いやすい製造装置を 作り出し、物を創り出す為の手段をより身近なものにしました。 彼が「fablabs(製作のための研究室)」と呼ぶその装置は、最終的に顕微鏡サイズの部品から製品を組み立てる事を目指しているそうです。その段階では子供達がレゴブロックを使ってきちんと動く物を創り出す事が出来るのと同様に、部品の方が人間の誤りを修正する事になるため、より正確な製品が生み出される事になる、と彼は語っています。

Gershenfeld氏は、ミニ・コンピューターがより小型化して個人のデスクトップにやって来たように、製造装置も将来はより小型化し、あと10年から 20年のうちに個人のデスクトップに進出する事になるだろう、 と予言しています。「夢を形に」という言葉が個人用製造装置によって現実のものになった時に、究極の個人工場群が何を生み出す事になるのか、と Gershenfeld氏がミニコンと呼ぶ製造装置が生み出した「クロッキー」 を眺めながら考えています。
Gershenfeld氏は4月12日に出版される「FAB」で、Personal fabricationの未来について語っています。

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編集者の方へ
時計は「変なモノ」ですがこれを創り出した工作機械は興味深いものです。
私は「テクノロジー」と判定しますが、「Personal fabrication」自体が変なモノかな?

最初の2段落が時計の説明、その後に時計を生み出した技術の説明を付けました。
時計の話だけでも充分面白い話だと思います。
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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家

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