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ニュース

ITER建設地はフランスのカダラッシュに決定

タレコミ by gigo
gigo 曰く、

毎日新聞をはじめ各紙が伝えているように、国際熱核融合炉(ITER)の建設地がフランスのカダラッシュに決定した。ITER建設地決定にいたる経緯はWikipediaにも詳しく書かれているが、建設費5000億円、総事業費1兆3000億円の巨額の費用は一国では負担できないとされ、さりとて国際協力では各国の利害が対立し、決定までに長い時間を要した。核融合は夢のエネルギー源として研究開発が進められてきたが、1億度の超高温プラズマを発生し、保持する技術の難しさは予想を超え、ITERでも採用されたトカマク方式を本命とするものの、一部の研究者は慣性閉じ込め方式を主張し、学会でもコンセンサスを取るのに時間がかかった。米国が一時NIFで慣性閉じ込め方式での実現を目指す立場をとったことや、トカマク方式を発明したロシアの崩壊も計画に暗い影を落としてしまった。政治レベルでは、科学の理想というよりもむつ小川原開発、核燃料再処理施設に続く公共事業としての価値ばかりが追求されたことも、科学コミュニティや一般の支持を遠ざける結果になった。東京からこれほど遠く離れたところに高度な知的な活動を行う研究者やその子息に相応しいインフラが構築できるか、また意志決定に時間がかかりすぎることで研究者が高齢化するといった長期の研究を遂行するための問題の考察も十分になされることはなかった。今後このような困難を乗り越え、真の国際協力によってエネルギー問題への恒久的な解が見出されることを期待する。

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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