ボーイングが10年前の737型事故の原因に目を背けた結果、737MAX事故につながったのかもしれない
約10年前にオランダで起きたボーイング737型の事故と昨年のインドネシアとエチオピアで346人の死者を出したボーイング737 MAX問題の関係性が指摘される記事が掲載されている。
2009年2月25日にオランダ・アムステルダムで発生し9人が死亡する事故(以下トルコ1951便事故)が起きた。オランダの調査では、オートパイロットが誤動作したことなどが原因とされ、最終的にトラブルに適切に対処できなかったとしてパイロットに責任があると判定された。
しかし、このトルコ1951便事故はパイロットだけが原因ではなかったようだ。このトルコ1951便事故に関して、ニューヨーク・タイムズに機密情報とされていたオランダの安全委員会が専門家に依頼した調査報告書などの記事が掲載された。それによると、トルコ1951便事故とボーイング737 MAX問題には顕著な類似点があるとされる。二つの事故では一つのセンサーの故障によりシステムが失火、壊滅的な結果をもたらした。加えて、故障に対応するために必要な情報をボーイングがパイロットに提供していなかった点も同じだった。
トルコ1951便事故の報告書は、オランダの安全委員会から調査を依頼された航空安全の専門家シドニー・デッカー氏が書いたもの。同氏はボーイングがパイロットにもっと警告を出すように求めており、ボーイングが設計上の問題から注意をそらそうとしていると非難した内容が含まれていた。
しかしオランダの安全委員会は、ボーイングと米国政府、そして米国人のチームからの反論に押され、最終報告ではメーカー側の問題点については軽いものに変更させられた。またシドニー・デッカー氏の報告書についても機密扱いになったようだ(Orlando Sentinel、Slashdot)。