米最高裁が特許の進歩性について新判断
タレコミ by oddmake
oddmake 曰く、
CNet Japan記事より。
自動車のアクセルの機構についてKSR Inernational対Teleflexの訴訟において、特許とされた技術が自明なものであるかどうかについて米最高裁が新しい判断を示したことが関係者の注目を集めている。(Anthony Kennedy裁判官執筆の多数意見(PDF))
これまでの特許をめぐる判決では、1982年に連邦巡回控訴裁判所が下した判決により、教示・示唆・動機付け(teaching, suggestion, or motivation)が事前に存在していたこの証明が必要であるとされていた。これに対して文書化され出版され学術的な議論の対象にならなかった事象についてまったく考慮されていないという批判があった。
今回の最高裁の判決は、その証明の基準を緩めるものであり、これまで特許保有者に有利であった米国特許訴訟の流れを変えるものとして注目されている。
アクセルは自動車の速度を制御するための装置であるが、その位置は通常固定であるため、ドライバーは座席を前後させて自分の足とアクセルペダルの位置を調節する必要がある。この不便さを解消するためのいくつかの技術が開発され、これまでに特許となっていた。
そうした特許のひとつである神埼高級工機製作所の米国特許6,151,976号:Axle driving apparatusを使用する権利を得たKSRが、General Motorsのトラックのアクセル供給者として選ばれた際に、センサーを組み込んだことが事の発端となっている。
Teleflex社はEngelgauの米国特許6,237,565号:Adjustable pedal assembly with electronic throttle controlの独占的使用権を得ており、GMへの供給部品について使用したアクセルが請求項4について特許侵害だとして訴えを起こしたのである。
地方裁判所は、富士機工のAsanoの米国特許5,010,782号: Position adjustable pedal assemblyはセンサーおよびその計測値をスロットルを制御するコンピュータに伝達することを除き、請求項4の全てを含んでおり、米国特許5,385,068号: Electronic accelerator pedal assembly with pedal force sensorやシボレーのセンサーは残りの部分をカバーしていると判断していた。
つまり、自動車工業は不可避的に位置可変ペダルとセンサーの組み合わせを試みる状態になっており、Rixxonの米国特許5,819,593号: Electronic adjustable pedal assemblyやSmithの米国特許5,063,811号: Accelerator pedal assemblyとAsanoの特許技術とを組み合わせれば、Engelgau特許は自明な技術だとしていた。
これに対して連邦巡回控訴裁判所はそのような判断は高度な職人芸を持つ技術者には可能であるが、特許法が想定しているような平均的技術者には不可能であるとしており、最高裁の判決がどうなるか注目されていた。