The GPL: A Technology Of Trust の訳
これなん だけど、なかなか面白かったので適当に訳してみた。まあ、私の意見もだいたい同じで す。
Microsoft の GNU General Public License (GPL) に対する攻撃を見て、私は GPL の技術的長所を Richard Wright の書「Nonzero」から得た洞察によって 分析することにした。私は実際的な利点からオープンソースのファンになった 人間なので、達した結論は私自身非常に驚くべきものだった。
GPL: 信頼の技術
社会は交換の上に築かれている。遺伝学的に見て、私たちの中で大きな位置を 占めているある特定の交換の形式は、将来利得の期待による投機的な寛大さ、 すなわち相互の利他主義である。
オープンソースは相互の利他主義の教科書的な例だ。しかし、このことがオー プンソースのコミュニティを「寄生」(この用語はゲーム理論から来たものだ。 誰かを中傷する意図はない)に対してとても脆弱なものとしている。小さな集 団では、信頼は相互対話の繰り返しから醸成され、個人的な経験によるだけで も十分寄生者を認識し、避けることができる。しかし大規模な集団だと、二者 間の相互関係はしばしば間接的か、あるいはあまり頻繁なものではない。お互 いを知らない、そしておそらくは一生会うことさえないだろう人々の間に信頼 を生み出すには、経験以上の何かが必要なのだ。
ゆえに、大規模な集団では信頼の技術が発達しなければならない。そうしなけ れば、はびこる寄生の犠牲者となってしまうだろう。寄生は非効率性を招き、 非効率性は必然的に停滞を生み、停滞は競争の失敗を招来し -- それは、死を 意味する。
GPL は信頼の技術である。GPL が適用されたプロジェクトへの貢献者たちは、 (それ自身信頼の技術である)法に立脚した GPL が寄生を防ぐことを確信して いる。彼らは、自分たちがプロジェクトに貢献すれば、彼ら自身の成果を基に した価値ある財の入手や利用が将来に渡って可能であることを確信している。 すなわち、GPL の適用されたプロジェクトにはフォーク(分裂)はありうるが、 独占的なフォークはあり得ないのだ。それが大きな違いとなる。
この分析は単純だし、あるいは自明にさえ見えるかもしれない。しかしその意 味するところははるかに深い。
1. GPL は必然的にオープンソースを支配するだろう(もしまだしていなければ、 の話だが)。分析と観察の両面から、GPL、あるいはそれに似たものが、オープ ンソースのあるべき姿であることが指し示されている。GPL は現在存在するラ イセンスのどれよりも 寄生を阻止し、それによって効率性を高める。このこ とが、それほど信頼の技術が進歩していないライバルとの競争に勝とうとする 文化を助けてくれる。宿主となる文化を成功させることにより、GPL、あるい はその上に築かれる将来のライセンスは最終的には勝利するだろう。
2. 私たちは、コミュニティのために GPL を維持しなければならない。 Microsoft が GPL を攻撃するとき、「フリーソフトウェア」に共鳴しない一 部の人々が真っ先に返そうとする答えが「オープンソースは GPL 以上のもの だ」というものだが、これは間違いだ。GPL 特有の強みは、オープンソースの コミュニティが、フリーソフトウェアはもちろんオープンソースが勢いを失っ て忘れ去られるのを喜ぶ他の文化と競争する上で重要だ。
3. GPL はビジネスに向いている。GPL を採用する企業は間抜けでもなければ 愚かでもない。彼らは、他の企業が不正に有利になることが無いよう確信を持 ちたいだけなのだ。GPL は彼らに、即座に安心を与えると同時にオープンな協 力体制をも可能とする。一般的に言って、GPL はビジネスの友である。という のも、GPL によって新たなより良い効率性が可能となるからで、経済は新しく より良い効率性の上に繁栄するものだからだ。
(一方、GPL が現在の彼らのビジネスに悪影響をもたらすということに関して は、 私たちは Microsoft と意見が一致する。これについては、Microsoft の 十八番を彼らへの返答としたい。「革新は、あなたが準備できていないという だけでは待ってくれない」。印刷機は、たとえそれがプロの書写者たちにビジ ネスモデルの変更を強いたとしても、結局のところ役に立つものだった。すな わち、受け入れるか、死かということだ。)
まとめるとこういうことだ。私たちオープンソースコミュニティは、FSF と共 に GPL を迫り来る者全てから守らなければならない。といってもこれは単な る戦術的なかけひきということだけではなく、GPL が貴重な信頼の技術だから だ。他の文化との競争に勝つには、使える技術を受け入れなければならない。 そして、GPL は使える。
-- Chip Salzenberg 、Open Source Initiative のボードメンバ 。