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交通

極超音速旅客機が実現するか? 64

タレコミ by Hatris
Hatris 曰く、
Japan Aviation & Railway Newsによると、イギリスのReaction Enginesというなにやら凄そうな会社がA2と呼ばれる極超音速旅客機の開発を目論んでいるらしい。

その会社によるA2のコンセプト

過去の超音速旅客機であったコンコルド(巡航速度:マッハ2)の倍のマッハ4以上を目指しており、乗客定員は300人(コンコルドは100人)、そして全長は巨大旅客機の代名詞にもなっていそうなエアバスのA380の約2倍の143mにもなるという。

更に、このとんでも旅客機のエンジンとしては、同社が構想中の水素エンジンを使用するらしい。

これが現実のものになったら、一体どれだけの長さの滑走路が離着陸に必要になるのだろうか。
気になる点は他にも幾つかあるのだけれど、是非、現実のものとなったこの機体の飛ぶところを見てみたいものだ。

しかし、もしこの機体が就航することになれば、空港を改修しないと離着陸やタキシングすらできないような気がする。

Biglobeにも、産経溌のニュースが載っていた。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 推進系 (スコア:5, 参考になる)

    by butakun (23034) on 2008年02月09日 7時19分 (#1294071)
    機体へのコメントが多くありますが、イメージ図はあくまでもsizing+layoutしただけって感じで、事実airframeそのものは非常に保守的です。むしろA2のポイントはReaction Engines社の存在意義であるprecooled turboramjetなわけです。他の似たようなエンジンとの違いは、タービンとコンプレッサーが別の流体で動くという点です。空気を冷却するプリクーラー(と他の熱交換器)を通って熱をもらった後にタービンを動かすのはヘリウムで、このヘリウム系ループ自身が独立したサイクルとなっています。コンプレッサーを通ってくる推進用の空気+液水の系とは完全に別れているわけです。元のアイデアは、この人達が20年程前から研究しているSSTO向けのSabreエンジンというものがベースです。 http://www.reactionengines.co.uk/sabre.html [reactionengines.co.uk]
  • by VioletR (34157) on 2008年02月08日 17時28分 (#1293781)
    オープニングトークで新聞記事を紹介してました。

    ロケットみたいな形状、(タレコミにあるように)滑走路を
    どうするのかという問題、コンコルドですら騒音問題があったのに、
    マッハ5で飛ぶこの飛行機はどれだけの騒音が出るのかなどに言及してました。

    あと、あまり速すぎると機内食が1回しか食べられないな~とかw
  • 水素は嵩張る (スコア:3, 参考になる)

    by pongchang (31613) on 2008年02月08日 17時32分 (#1293783) 日記
    水素エンジンは綺麗だけど、液体水素は水の1/14と軽く嵩張る [kawasakizosen.co.jp]。松浦さんのL/Dでの議論 [air-nifty.com]と同様。水素を運ぶのにあんなに大きくなっちゃうのじゃなかろうか?
    GXは棚に上げておく。
    • by Anonymous Coward on 2008年02月09日 4時05分 (#1294060)
      >水素エンジンは綺麗だけど
      サブタイの通り水素は嵩張るんで、酸素は積まずに地球大気を利用するんだと思われますが
      地球大気の組成は約79%が窒素なので、高エネルギーで水素を燃焼(酸化)させると、窒素酸化物も発生すると思われるのですが……
      大気中で水素を爆発させた時に出来るのは水だけじゃないよっと。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      よくわからないんですが、現在のジェット燃料と比べると水素のエネルギー密度ってすごく
      高くないですか?
      • Re:水素は嵩張る (スコア:3, 参考になる)

        by Another_View (29838) on 2008年02月08日 17時46分 (#1293798) ホームページ 日記
        いや、水素のエネルギー密度は炭化水素よりずっと低いです。ジェット燃料ってのは要するに灯油です。水素を固化できれば話は違うかもしれません。
        さらに水素ってのは分子がとってもちっこいので、それを閉じこめておくタンクもとても難しいです。
        ハンパなタンクではあり得ないような隙間からも漏れてしまうわけですな。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      圏内飛行しかしないジェット機の場合、その議論ほどシビアではない。
      #燃焼ガスが推進剤を兼ねる必要がないため。
      #発熱量自体は単位重量当たりで炭化水素系の3-4倍程度行くし。
      • Re:水素は嵩張る (スコア:3, 参考になる)

        by albireo (7374) on 2008年02月08日 19時51分 (#1293874) 日記
        >ジェット機の場合、その議論ほどシビアではない。

        さらに翼があるので、推力のかなりの部分を自重を支えるために浪費してしまうロケットよりは効率がいい。

        >発熱量自体は単位重量当たりで炭化水素系の3-4倍程度

        でも、単位容積あたりで考えるとけっこう問題だよってのが元コメントの趣旨ですよ。
        300席なのにA380の倍の全長になっているように、燃料自体は軽くても容器の重さまで考えるとねぇ。
        --
        うじゃうじゃ
        親コメント
    • by Anonymous Coward

      液体水素は水の1/14と軽く嵩張る
      何が言いたいのか理解できん、誰か解説を
      • Re:水素は嵩張る (スコア:2, すばらしい洞察)

        by Jubilee (20038) on 2008年02月09日 16時25分 (#1294256)
        液体水素は「比重が」水の1/14と軽く嵩張る

        これでいいか?
        --
        Jubilee
        親コメント
      • Re:水素は嵩張る (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2008年02月08日 17時55分 (#1293805)
        >>液体水素は水の1/14と軽く嵩張る
        >何が言いたいのか理解できん、誰か解説を

        100gの糖分を運ばなければならないとして、綿飴とザラメ糖のどっちがいい?

        綿飴は単位体積あたりの重量が軽いだろ?
        でも嵩張る。
        ザラメ糖100gだったらポケットに入るけど
        綿飴はポケットにはちょっと入りそうに無い。(圧縮して、とかいうのはこの際ナシで)
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        液体水素の比重を調べてみるといい
        何が言いたいのかはたぶん分かると思う。
    • by Anonymous Coward
      なぜ水素かというと、燃焼速度が大きいためです。
      酸素と混ぜて爆鳴気にすると1400~3500m/s、つまり、マッハ4~10で燃えます。
      マッハ4以上を狙うとなると水素エンジンになってしまうんでしょう。

      灯油やガソリンなどの油は超高温で粘性が出たり、分解したりと、
      高温で燃料バカ喰らいの超音速エンジンに向きにくい点もあります。
      • Re:水素は速い (スコア:2, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2008年02月08日 21時30分 (#1293936)
        >マッハ4以上を狙うとなると水素エンジンになってしまうんでしょう。

        排気の速度は超音速ノズルの形で決まるから飛行速度と燃焼速度は関係ない。
        燃焼速度が速いメリットは燃焼室長さが短縮できること。
        親コメント
  • さすが王立 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2008年02月08日 22時53分 (#1293975)
    老科学者A「三段目切り離しのためには水素エンジンが必要なのじゃ」
    若手軍人A「いつそんなものが実用化された!」
    老科学者B「だまれ若造が!途中から来てつべこべ抜かすな!」
    若手軍人B「こいつに決めさせよう、乗るのはこいつだ。」
    老科学者B「こいつに何が分かる!」
    若手軍人C「俺は安全な方に賛成だ。この若さで死にたくない。」
    老科学者B「若さ若さとひけらかすな!」
    若手軍人A「重要な要素だ。」

    ※ たぶんにうろおぼえです。
  • by Anonymous Coward on 2008年02月09日 17時24分 (#1294296)
    既に時差の点であまり速くても使い勝手が悪いというのが指摘されてますが、
    「速く移動したい旅客」にとって、飛行機ダケが速くてもあまり意味がない時代になってるんですね。

    こういう飛行機はビジネスでアチコチを飛び回る人をメインターゲットにするわけです。
    しかし、本当にシビアに飛び回る必要のある人たちにとって、
    最近のテロ対策で面倒+時間がかかる空港での手続きや、
    飛行機のタイムテーブルに縛られる不自由さがネックになって、定期旅客便から逃げてるんですね。

    じゃぁ どうすっかてーと、会社所有だったり、共同所有したり、期間区切ってチャーターする
    中小型のリージョナルジェットを使うんです。

    こういう飛行機なら、「乗ってる客は自分たちだけ」なので、
    急な商談変更があっても、飛行中に目的地を変更することすら可能なんですね。
    それよりも急を要するなら、それこそネット経由のTV会議でも賄えるわけですし。

    じゃぁ、レジャー需要はどうか? となると、
    今のとこ「音速で飛ばしても 今のチケット代と同じ」
    なんてことは在り得ないし、この先もないでしょう。

    飛行時間が120分なのに、出入国と保安手続きに60分ずつかかりかねないわけですし。

    むしろ、今の亜音速の旅客機でもっと設備を充実させるとか、
    安く乗れるといった需要の方が圧倒的に大きいですし、
    レジャーとだけ考えた場合は、今より遅くてもいいから 快適に って路線もあるんです。
    コッチの方は技術的にもコスト的にもハードルが低い = 供給時に安くできる => 需要喚起と。

    残念ながら、「音速を超える 定期旅客便」の需要はないんです。

    • 超音速ビジネスジェット機なら(まだ開発コストが低い分)実現しそうに思いますけどね。
      旅客機になると開発コストが高すぎて、競争各社の相乗り共同プロジェクトにしないと成り立たない。

      これがイギリスの会社の計画であるように、オーストラリア路線のような長距離区間にこそ、超音速旅客機が欲しいでしょうね。でもそういう路線は限られている。開発コストに見合う程の十分な需要があるかどうかは確かに疑問だし、そもそも省エネ、CO2排出量問題がある。石油価格も上がるし。開発コスト×需要予測×環境問題で、答えはゼロですかね。
      親コメント
    • by ducky (16839) on 2008年02月11日 22時37分 (#1295189)
      >じゃぁ、レジャー需要はどうか? となると、
      >今のとこ「音速で飛ばしても 今のチケット代と同じ」
      >なんてことは在り得ないし、この先もないでしょう。

      価値観っていうのかなあ?何のためのレジャーかと。

      私の知り合いのアメリカ東海岸の大学生が、ロンドンでのRay Daviesのコンサートに、
      授業が終わってからでもコンコルドなら間に合うと、乗って行っちゃいましたけど?

      しかも話を聞くと、その週に2回行ったと言うし。
      借金は論外だけど、レジャーに金、金っていうのもどうかと。
      親コメント
  • by SteppingWind (2654) on 2008年02月08日 17時59分 (#1293808)

    なんかどこかで見たことがあるように思ったら, HOTOL [aerospaceweb.org]の系譜に連なるものみたいですね.

    • Re:デジャヴ (スコア:5, 興味深い)

      by butakun (23034) on 2008年02月08日 21時23分 (#1293933)
      社長のAlan BondはHotolの肝のエンジンの設計者で、ヨーロッパのhypersonicsでは有名人物です。Reaction Engines自体はコアデザイナーが4人プラス数人のエンジニアくらいの零細企業です。 記事中のScimitarエンジン図の赤い部分のタービン設計担当した関係で定期的に会うのですが、零細企業にはEUの役所関連の書類が重すぎて大変そうです。 REL社のコアビジネスはprivate fundingで成り立ってますが、A2とScimitarの研究開発はEUの税金で行われているのでかなり詳しい情報がいろいろ学会などで発表されています。JAXAのATREXにかなり近いサイクルですね。
      親コメント
  • by FLYWHALE (27794) on 2008年02月08日 19時13分 (#1293847)
    紹介のイメージ図だと、客席の窓がありませんね。
    日帰り圏ってどれくらいの時間か分かりませんが、耐えきれない人もいるのではないかと。
    てか、コックピットにも窓がないですね。
    有視界飛行とか着陸はまったく想定していないのでしょうか。
    それとも鏡面仕上げで中からは見えるのか?

    ・・・ま、あくまでもイメージ図とは分かってはいますが。
    • ビデオカメラを搭載するんでしょう。

      たしか,アメリカで検討中の超音速旅客機も,コックピット前方を見るための窓は無かったような。すでに改造旅客機で,コックピット前方の窓が無くても飛行できる実証実験がされていたと思います。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年02月08日 20時38分 (#1293905)
        有名な話ですが、SR-71 や F-15 はエンジンの推力や機体の空力特性ではなく、
        コクピットのガラスの強度によってその最高速度が制限されています。
        航空機にとってキャノピーとは、つけずに済むなら無くしたいアキレス腱のようなパーツなのです。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        ビデオカメラ〜表示の遅延ってどうなんでしょうね。
        飛行中は見えたところで手遅れだからそれほど気にしないのか。

        個人的には360度フルスクリーンができるならうれしいのですが。
        • Re:窓はないんですかね。 (スコア:2, おもしろおかしい)

          by virtual (15806) on 2008年02月09日 7時50分 (#1294074)
          遅延が気になるなら機体の先端に長~~い棒を付けてそこにカメラを取り付ければOK。

          マッハ4は秒速1000メートルオーダーの速度だから1メートルの棒で約1msの遅延が補償できます。20mもあれば1フレーム分は稼げます。
          親コメント
        • by saitoh (10803) on 2008年02月09日 15時17分 (#1294218)
          操縦する人間の反応速度(0.1秒)から考えると、問題にはならんでしょう。 まさかMPEG圧縮して送ってディスプレイでデコードしたりはしないだろうし(これだと1秒以上遅延するように思います)。
          親コメント
    • Re:窓はないんですかね。 (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2008年02月08日 22時57分 (#1293977)
      栗原にナビさせればいい
      当然パイロットは神田になるが
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        それだと就航できるのは世界中でただ一機だけということか…
  • by Anonymous Coward on 2008年02月08日 17時45分 (#1293796)
    サンダーバードのこれ [davidszondy.com]かと思った。
    イメージ描いた人は意識してなかったのかな?
  • by Anonymous Coward on 2008年02月08日 20時03分 (#1293881)
    コンコルドが鼻を下に折ることができたように、空港内で地上走行中はトレーラーみたいに真ん中で左右に折れたりするといいんだろうなあ。
  • by Anonymous Coward on 2008年02月09日 2時36分 (#1294054)
    この会社も、飛行機自体も、まずは離陸する事が課題ではないかと。
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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