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医療

ガラガラヘビ毒から鎮痛物質を抽出 31

タレコミ by LightSpeed-J
LightSpeed-J 曰く、
朝日新聞によれば、富山大和漢医薬学総合研究所が、南米産のガラガラヘビの毒から、モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある物質を抽出することに成功したとのこと。

同記事によれば、この物質を投与すれば、モルヒネの数百分の一の量でほぼ倍の痛みに耐えることができ、さらに鎮痛耐性の心配もないと言う。
この研究結果が新薬に結びつけば、癌を始めとした堪え難い苦痛の克服に一歩近づくことができるでしょう。多いに期待が膨らみます。

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  • by Anonymous Coward on 2008年12月01日 7時06分 (#1464780)
    また商売が増えましたね。
  • by 335 (4199) on 2008年12月02日 9時04分 (#1465618) 日記
    >モルヒネの数百分の一の量でほぼ倍の痛みに耐えることができ

    致死量も数百分の一で薄めるための媒質の量で結局同じオーダーの量
    になってしまうパターン?

    量以外の性質に特筆性があるのは分かるけど、大量輸送の途中以外で
    モルヒネ使うときに「量」が悩みになるケースは意外と少ないかも、、
    • by Anonymous Coward
      あくまで鎮痛物質を抽出したことに意味があるのでは。
      その鎮痛物質自体の毒性については不明だけど、本来の毒に比べれば
      比べものにならないくらい微弱な毒性なんじゃないかな。
      • Re:それって (スコア:3, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2008年12月02日 10時06分 (#1465667)
        おそらく記事の該当論文はこちら [nih.gov]。
        問題の物質、Crotalphineと名づけたようですが、これを発見した論文がこちら [nih.gov]。
        後者のほうに

        This 14-amino-acid residue sequence is identical to the gamma-chain sequence of crotapotin, a non-toxic component of this snake venom.
        Crotalphineは毒性のないcrotapotinという物質の一部分だよ、というふうに書いているので、毒性は気にしなくてもいいんじゃないですかね。
        親コメント
        • Re:それって (スコア:5, 参考になる)

          by y_tambe (8218) on 2008年12月02日 10時52分 (#1465703) ホームページ 日記
          参考になります。

          おー、静脈注射で効く上に、オピオイドκ受容体の特異的阻害剤(μ、δと反応しない)じゃないですか。

          ご存知のように、モルヒネは非常に強力な鎮痛剤であり、「内臓痛」と呼ばれるような痛みに対する効果が高く、特に末期がんに対する終末医療では他の鎮痛薬では代替できないほどの、重要な薬剤の一つです。しかしその一方で、麻薬としての副作用が大きすぎるので、何とかこれに代わる薬剤がないかということが模索されてつづけてきました。

          モルヒネ同様の作用を示すものとして、我々の体内にはエンケファリンやエンドルフィンなど、俗に「脳内麻薬」と呼ばれるような、モルヒネ様の作用を持つペプチド(オピオイドペプチド、鎮痛ペプチド)が存在しています。しかし、これらは血中に投与しても脳内に到達できず、動物実験なんかだと脳室内投与でないと効かないため、実用化は困難だと思われてましたし、モルヒネと同様の副作用があったわけです。

          モルヒネやオピオイドペプチドは、脳内のオピオイド受容体と結合することで鎮痛作用を示しますが、このオピオイド受容体にはμ、δ、κなどのいくつかの種類が知られてます。これらの受容体のいずれも、それにリガンドとなるモルヒネやオピオイドペプチドが結合することで鎮痛作用を示します。ただし、それ以外の点ではいくつかの違いが見られます。μやδは鎮痛と同時に、強力な多幸感などのようないわゆる「麻薬」の副作用、依存形成にも関与するのですが、κ受容体は中枢と末梢の両方で強い鎮痛作用を示すとともに、依存形成ではなくて、むしろ不安や嫌悪感(依存拮抗)が現れることが知られてます。κ受容体の活性化によってμやδからのいわゆる「報酬系」のシグナル伝達(ドパミン作動系)が抑制されるために、こういうことが起きるようなのですが、この作用のため、κ受容体に特異的に結合するリガンド(選択的κアゴニスト)は麻薬特有の副作用(他、モルヒネの副作用である悪心や嘔吐)が少ない鎮痛薬として期待されてます。

          今のところ、合成化合物でもいくつか選択的κアゴニストは出てたとは思いますが、まだまだ数は少なく、臨床応用されているものや、静注が可能なものもとなると、さらに少なかったと思いますので、新しい鎮痛薬候補として期待されますね。
          親コメント
  • by youichi (329) on 2008年12月02日 9時41分 (#1465651)
    ガラガラヘービがやってきた。

    #おや?誰がきたようだ。
    • Re:早い者勝ち? (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2008年12月02日 11時48分 (#1465747)
      >#おや?誰がきたようだ。

      誰かもくそも、自分でガラガラヘービがやってきたって言ってるじゃん。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        ガラガラヘビは「誰」じゃなくて「何」じゃないのか?
    • by Anonymous Coward
      ガラガラヘビ由来の鎮痛剤でGala Gala Happyということですね、わかります。
  • 人の死をもって痛みを制すわけですね?わかります
  • 何hanageまで対応? (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2008年12月02日 10時04分 (#1465664)
    > モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある物質の抽出に成功したとのこと。 ということは・・・ 鎮痛作用を測るための痛みの単位は、やっぱり存在してたんですね?
    • Re:何hanageまで対応? (スコア:2, おもしろおかしい)

      by cudjo (2713) on 2008年12月02日 13時25分 (#1465836)
      Wikipediaの「痛みの基準はハナゲ」 [wikipedia.org]によると、

      痛覚の等級化には言葉によるもの(MPQ)・感覚的な目盛りによるもの(VAS・FRS等)・特殊な器具によるもの(PainVision・Dolorimeter)など様々な手段が開発されている。

      だそうです。
      親コメント
    • by esuyan (7005) on 2008年12月02日 10時15分 (#1465675)
      単位ではなく、動物の行動実験でしょうね。
      ラットの後肢を刺激し引っ込めるかどうか、なんてのが一般的だと思いますが、
      その際に効果がある用量がモルヒネの数百分の一だというのを「数百倍の鎮痛作用」
      と書いてしまったのでしょう。

      まあ、確かに微妙に正確な表現ではないのですが……
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      「辛さ」は「痛覚」受容体でセンスするというじゃないですか。
      だから、痛みの単位も「スコヴィル」で。(ウソ)
  • by Anonymous Coward on 2008年12月02日 10時30分 (#1465690)
    200倍程度なら、もう存在し、実用されています [wikipedia.org]。
    これ以上の効果って必要なのかなあ。

    ペインコントロールの問題はきちんとしたタイミングでの投与と、その際の投与をためらわない精神を持つことであって、もう薬効の強さの問題はクリアできている気がする。
  • by Elbereth (17793) on 2008年12月03日 0時46分 (#1466261)
    ガラガラヘビにかまれても、その痛みをガラガラヘビ(由来の成分)で中和させることができると!

    #それはなんか違う
  • by Anonymous Coward on 2008年12月02日 9時06分 (#1465619)
    癌だと回復せずに死んでいくことがわかっているので泣かれるが、毒で死んだ場合は笑ってくれる。
  • by Anonymous Coward on 2008年12月02日 10時16分 (#1465676)
    特許を取ったから、ガラガラ蛇の毒を薄めて痛み止めとして売るなと主張するんでしょ?
    1930年代にすでに売っていたとしても。
  • by Anonymous Coward on 2008年12月02日 12時02分 (#1465758)
    最近似たような話を聞いた [gigazine.net]なぁと
    思ったけど別の話なのね。

    iPS細胞なんかの再生医療もなんだけど
    ニュースは沢山聞こえてきても実用化がいつなのかが全然分からない。
    薬剤の導入までの段階が複雑なのか、ニュースになるのが早くなってきているのか。

    痛みに関するニュースは個人的によく注意して見ているが
    結局、恒常的に日常生活の中で使える薬って出てこないんだよねぇ・・・

    # 幻肢痛持ちの自分に効く薬という意味で
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