タイピングが出来ても、手書きを止めてはならない理由
米国では、手書きの学習は幼稚園や小学1年生の時期に終わらせ、早期にタイピングを覚えた方が良いという意見があるようだ。だが、心理学者らの行った実験結果をみると、手書きの学習効果が高いことがみえてくる(New York Times記事より)。
インディアナ大学の心理学者Karin James氏が、まだ読み書きの学習を開始していない子供らを対象に、文字や形を見せて3つの方法で再現させる実験を行った。一つめが点線をなぞる方法、二つめが白紙にフリーハンドで写す方法、三つめがコンピュータにキーボードでタイプする方法。その後、子供達の脳をスキャンしながら先程の文字や形を見せたところ、白紙にフリーハンドで写した子供達は、脳の3カ所(左側の紡錘状回、下前頭回、後部盗聴皮質)の働きが活発になったという。他の2つの方法を試した子供達の脳では、こうした脳の活動が弱かったとのこと。
ワシントン大学の心理学者Virginia Berninger氏が、小学2年生から5年生の子供達を対象に実験を行い、活字体、筆記体、キーボードを使ったタイピングで文章を書いた場合の脳の活動パターンの違いを比較した。手書きで文章を書いた子供達は、タイピングでテキストを打った子供達に比べて文字数では劣ったものの、着想がより豊かであったという。また、作文のためのアイディアを考えるよう指示して脳をスキャンしたところ、筆記体で書いた子供達の脳では、記憶関連の脳神経の働きがより活発であったとのこと。
また、プリンストン大学のPan A. Mueller及びカルフォルニア大学のDaniel M. Oppenheimer氏の共同論文では、授業中のノートを手書き、もしくはキーボードで打った場合を比べたところ、手書きの方が授業内容の理解を深め、記憶に留める効果が高いことが報告されている。
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