脳に電気刺激を与えると高齢者のワーキングメモリが20代並みまで回復する

あるAnonymous Coward 曰く、

人間は年齢を重ねるにつれて物忘れが増えていく。ところが、老人の頭部に電極を装着することで、20代並みまで回復可能になるかもしれないという。ボストン大学のチームは、高齢者の認知機能低下の主要因である「ワーキングメモリの欠損問題」へのアプローチとして、電気刺激を与えるとどのような影響があるかを測定する実験をした。

実験では、60歳から76歳の老人42人と比較対照群の20代の若者42人に、画像を見せた後すぐに次の画像を見せ、「2枚目の画像は1枚目の画像と同一なのか、異なっている部分があるのか」を答えるというワーキングメモリを測る記憶テストを受けさせた。結果は高齢者は80％、20代の若者は90％の正解率だった。

その後、高齢者には25分間電気刺激を、20代の若者には偽薬効果を考慮して、「偽の電気刺激」を25分間与えた。結果、高齢者と20代の若者の正解率はいずれも90％をマークし、電気刺激によって記憶テストの結果が良くなるが、偽の電気刺激では結果が変わらないことが確認されたという。なお、記憶力改善効果は電気刺激を加えてから約1時間持続したとしている（GIGAZINE）。