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お酒の栄養学的考察は断定不能の筈

タレコミ by pongchang
pongchang 曰く、

■アルコールはなぜ糖値の上昇を抑えるのか
アルコールが血糖値を下げる仕組みについては、現時点では詳しいメカニズムは分かっていないとのことだが、以下のような要因が考えられると山田さんは話す。
「あくまで私の仮説ですが、アルコール分解のプロセスで多く使われるNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)という補酵素が関係しているのではないかと考えられます」(山田さん)
「NADが少なくなると肝臓における『糖新生』が抑制されます。糖新生の抑制が食事だけでは十分でないという人であっても、アルコールをとったときにはNADが少なくなるため、糖新生を十分に抑えられるのではないかと考えられます(※糖新生は、血糖値が下がらないように新たに糖を作り出すシステム。実は肝臓は24時間、常に糖新生を行っていて、食後だけ糖新生の速度が落ちるようになっている。この速度低下のためのホルモンがインスリンであるが、インスリン作用が悪い人では糖新生速度の低下が不十分で、食後高血糖になりやすい)」(山田さん)[「本当はどうなの? 常識覆すお酒と血糖値の関係」:日経Gooday2019年9月5日付記事を再構成]

さらっと、NADが無いから糖新生が減って、血糖上昇しないと書くが、だからと言ってアルコールでNADを減らすのが正義(治療的)ではない。

最低ラインの話をするとアルコール性ケトーシスというのがある。これを健康的とは言わない。
でも、ケトン体質で痩せましょうとか、低糖質でケトン体とか、さもケトン体を「体に良いもの」と信じさせる論説で喰っているような人とそれを信じる人にとっては「体に良いもの」の「科学的根拠」に恣意的に解釈され利用されるのかもしれない。
哀しい

NADH/NAD比が上昇することで,糖新生やTCA回路が抑制される。このエタノール代謝過程で肝グリコーゲンが消費されるため,肝グリコーゲン貯蔵量が減少する。
β酸化亢進とエタノール代謝の結果として生ずるアセチル–CoAは過剰状態となるが,NADH/NAD比の上昇によりTCA回路が抑制されているため,アセチル–CoAはケトン体に代謝される。NADH/NAD比が高い状態ではアセト酢酸(acetoacetic acid;ACAC)がβ–ヒドロキシ酪酸(3–OHBA)に代謝されやすいため,AKAに特徴的な3–OHBA/ACAC比の上昇をもたらす。
NADH/NAD比の上昇はピルビン酸から乳酸への代謝も促すため,乳酸アシドーシスも多くの症例で合併する。
(アルコール多飲で低血糖とケトアシドーシスが起こる機序 日本医事新報の記事

北里研究所の医者が言ったNADとアルコールの関係を、別の北里大学の医者が反対側から書くと下のようになる。
糖質が入っていない酒を択ぶことは、酵母が発酵過程で作ったビタミンや果実由来のミネラル分などを含まないことになる。無濾過の葡萄酒やビールは酵母自体も入り水溶性食物繊維も含まれる。
アルコールの代謝にビタミンB1が必要なので[pdf]、もちろんビタミンやミネラル・食物繊維を取る手段として積極的に飲酒するのは問題だが、中世欧州の修道院で酒造りをして給食として出していたのも事実。
尿酸が無い、プリン体が無い、糖質が無いと宣伝して、第三のビールや蒸留酒・酎ハイを持て囃すと、そこにはビタミンもミネラルも無い。発酵食品としての酒を貶めることになる。


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