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死亡事故が発生したUberの自動運転システム、識別された物体の種類が変わるたびに履歴が破棄されて歩行者の進行方向が予測できなかった

タレコミ by headless
headless 曰く、

米国家運輸安全委員会(NTSB)は5日、2018年3月にアリゾナ州テンピで発生したUberの自動運転テスト車両による歩行者の死亡事故について、可能性の高い事故原因を決定する19日の委員会開催を前に調査資料を更新した(調査資料リストThe Registerの記事Mashableの記事Reutersの記事)。

2018年5月に公開された事前報告書では、Uberが開発中の自動運転システム(ADS)は衝突のおよそ6秒前に歩行者を不明な物体として検知したものの、緊急ブレーキが必要と判断したのは衝突の1.3秒前であることが判明していた。

今回公開されたADSに関する調査報告書「Vehicle Automation Report」によれば、衝突の5.6秒前から2.7秒前まで歩行者は車両または何らかの物体として交互に識別され、2.6秒前から2.5秒前まで自転車として識別されたものの、1.5秒前には再び不明な物体と識別され、再び自転車として識別されたのは1.2秒前だという。当時のADSでは識別された物体の種類が変わるたびに履歴が破棄される仕組みになっていたため、歩行者がテスト車両の進路に向かって進んできていることを直前まで認識できなかったようだ。また、ADSはテストルート上の交通標識などの情報に基づいてテスト車両を走らせているが、横断歩道以外の場所で横断する歩行者の存在が考慮されていなかったとのこと。

さらに、当時のADSでは衝突を避けるために必要な減速が7メートル毎秒毎秒を超える場合、または加加速度(ジャーク)が±5メートル毎秒毎秒毎秒を超える場合は判断から1秒間は自動ブレーキによる対応を抑制し、オペレーターに操作を任せる仕組みになっていたそうだ。そのため、ADSは衝突の1.2秒前に緊急ブレーキが必要と判断したが、1秒間は何もせず、衝突の0.2秒前になってゆるやかな減速と音声によるオペレーターへの警告を発したとのこと。オペレーターは衝突の0.02秒前にハンドルを握って手動運転に切り替えたが、ブレーキを踏んだのは衝突の0.7秒後となっている。

Uberではこの事故を受けてADSを修正。緊急時の対応抑制を廃止して緊急ブレーキの加加速度も最大20メートル毎秒毎秒毎秒まで増加させ、識別された物体の種類が変わっても継続的に経路を予測できるよう変更したという。また、ベース車両のVolvo XC90に搭載されている自動緊急ブレーキなどの先進運転支援システムはADSと競合するため自動運転時には無効化されていたが、ADSのレーダーの周波数を変更することで常時有効になった。これらの修正により、同様の条件ではおよそ88メートル手前(4.5秒前)で正確に歩行者を識別できるようになったとのことだ。

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