「シャーロック・ホームズ」シリーズ最後の10作品で変化したホームズの人物像を表現するのは著作権侵害に当たるとの主張
米国で「シャーロック・ホームズ」シリーズの著作権を保有するConan Doyle Estate LTD.は23日、Netflixが公開予定の映画「Enola Holmes」に著作権を侵害されたと主張し、Netflixや制作会社、原作小説の作者などを相手取った訴訟を提起した(Conan Doyle Estateのニュース記事、 The Vergeの記事、 Hollywood Reportersの記事、 訴状)。
シャーロック・ホームズシリーズの作者アーサー・コナン・ドイルは1930年に死去しており、英国では2000年に全作品の著作権保護期間が満了している。一方、米国では1977年までに公表された著作物の保護期間は公表から95年となっているため、シャーロック・ホームズシリーズでは1926年以降に公表された6作品が現在も著作権保護の対象となっている。これらの作品の米国での著作権を保有しているのがConan Doyle Estateだ。
Enola Holmesはドイルの作品に登場しないホームズの妹を主人公とした小説で、ホームズも登場する。シャーロック・ホームズシリーズの登場人物については、保護期間が満了した作品で描かれた人物像は著作権保護の対象にならないとの判断が示されているが、Conan Doyle Estateはホームズが最後の10作品で冷徹な人物像から人間味のある複雑な人物像に変化したと主張する。
Conan Doyle Estateによれば、第1作が2006年に出版された小説「Enola Holmes」シリーズおよび映画化作品では人間味の加わったホームズが描かれており、シャーロック・ホームズシリーズ最後の10作品(著作権保護期間中の6作品および出訴期限内の4作品)の著作権を侵害しているという。また、Conan Doyle Estateの商標も侵害しているとして、侵害行為の差し止めや賠償金支払いなどを求めている。
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