パスワードを忘れた? アカウント作成
745063 journal

BAKの日記: プロの回路設計

日記 by BAK

について,何となく思い出したので書いてみる.

プロの回路設計の,アマチュアとの一番の違いは

部品の仕様の範囲内で設計する

である.

部品の仕様,とは,「加えることのできる最大の電圧」とか「この周波数で得られる増幅率」などのパラメータである. これらの数値は,データシートという形で部品メーカが公開している. 部品メーカは,その部品がそのデータシートに記載された性能を発揮することを(暗黙に)保証している.

アマチュアの回路設計では,しばしばこの保証値を越えた「実力値」で設計を行うことがある. たいがいの部品は,製造時のばらつきを見込んでマージンを取っているので,メーカの保証値よりも高い性能を発揮するものである. 一品ものやプライベートユースなものを作るのならば,これはこれで悪いことではない.

が,マスプロダクトを前提とした設計で「実力値」での設計を行うのは禁物である. たとえば,試作段階ではうまく動いていたが,ラインに載せた途端に不良品がボロボロ,原因はある部品が想定していた実力値に達していなかった,という事態を考えてみよう. 部品メーカにしてみれば,それは保証範囲外の使用法であり,そんなものをフォローする義理はない.

逆に,保証値の範囲内で設計していて部品がその保証値に達していない場合,部品メーカは真摯に対応してくれるはずである. 保証値に達していない部品は不良品であり,そのようなものが出荷されただけでもそのメーカの信用に関わる問題だからである.

が,やはり保証値を越えて部品を使わずにはいられないことがある. この場合は,

  • 部品メーカに掛け合って,特別の納入仕様を作成してもらう
  • 設計側のリスクとして,保証値を越えた設計で通す

の2通りの対応が考えられる. 前者の場合は,もちろん部品メーカと設計側の力関係が大いに影響する. 中小企業での少量生産では,難しい選択であろう. 後者はもちろん,「賭け」である :-)

で,世の中にはエセなプロの回路設計者がいて,ここらの理屈を理解できない者がいるようである. そういう者は回路設計では金を取ってはいけない. 最低でも一品物のカスタムメイドにとどめるべきで,決してマスプロダクトな製品の設計を行ってはいけない.

typodupeerror

人生unstable -- あるハッカー

読み込み中...