Brujoの日記: 犬
犬は人間にもっとも近い場所にいる、我々をもっとも理解
する友人であり、そして偉大な教師だ。
遙かな昔、人間はこの動物を飼い慣らし、自らの目的のために改良したと言われている。
猟犬として、番犬として、牧羊犬として、愛玩動物として。
そして、彼らは有史以前から人間にとってもっとも身近にいる友人として、
存在し続けてきた。
彼らは自らの生命に降りかかる一切を否定せず受け入れる。
冬の寒さ、夏の暑さ、空腹、心細さ、それらを否定せず、目の前に現れる災厄にも
全身全霊を持って戦い続ける。彼らは忍耐をもって外れることなく歩み続ける。
彼らは自らの道をよく知っており、それ以外の道など存在しない事を生まれたとき
から知っている。
そして主から与えられる餌に空腹を満たされる至福を感じ、主と歩く道に喜びを
感じ、そして一晩姿を見せなかった主が小屋の前に姿を現した瞬間に世界を作り
替え、主の命じに従うことに喜びを感じる。犬は自分の世界を自分で創造できる
事を知っている。一瞬一瞬がその時だということを知っている。
彼らの忍耐強さ、謙虚さ、忠実さの源は、彼らに主なるものが存在するからである。
彼らの美徳は主の存在をもって最大に発揮される。しかし、彼らが単なる野生の
生き物であったときにはそれらの天性は殆ど知られなかったのだ。最初に、彼らの
天性を見抜いた知者が現れるまでは。
人間はその彼らの天性の洗練を見るとき、汚れのない心に癒され、己のさだめに
対する誠実さから深い感動にうたれ、幸福を感じ、己を振り返る事ができる。
彼らを人間が友人とできるのは、その天性によるものだ。
犬と人間の間の深い絆は、どちらかが欠けても生み出されなかった。
我々は彼らを隷属させるために飼い慣らしたのではない。彼らから学ぶために、
彼らを身近な存在として導いたのだ。
そのことに思い当たるとき、犬は人間にとってもっとも身近で偉大な教師となる。
知恵あるものは自身の周囲に広がる世界を感じ取る。我々の生きる上での重要な
指針を人間は犬を通じて知るのだ。我々にとって「主」たるものが何者か
を知る事のできるものは、それに誠実に、忍耐をもって歩み続ける事の価値を
人間とそれを越える大いなるものとの間の関係に見いだすことができるだろう。
そして、犬はそうなるべくしてこの世界に生まれてきた。我々と大いなるものとの
関係の比喩を我々にもたらすために存在している。
我々を見つめる彼らの目を見よ。
我々はそういう目をして、この世界に存在しているものを見ることができるか。
彼の目を通して、我々に大いなるものが語りかけていることを知ることができるか。
犬 More ログイン