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日記

ChaldeaGeckoの日記: 文学とななにか

日記 by ChaldeaGecko

文学とはなにか?ことばの芸のことです。ことばの芸とは?ダジャレやトリックです。娯楽小説は?文学の要素はごく一部です。ノーベル賞みたいな社会派小説は?文学の要素はごく一部です。文学は偉いのか?もちろん偉いです。なぜなら難しいから。
〇ビはたいていの文学者より文学を知っています。というか、残念ながらたいていの文学者が文学を知らない。これは文学の特殊な事情です。ありえない?珍しく権威主義的ですね。
この日記はプリキュアやまどかマギカなどのアニメを主に、文学の解説をしています。

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日記

ChaldeaGeckoの日記: 映画「スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」

日記 by ChaldeaGecko

よくまあ70分にこれだけ詰めてるなあと思うルン。知念里奈のメリー・アンもエンディングもどちらも素晴らしいです。ほんと!
本編最終回はまどか「地球が宇宙星空連合に加盟したって、ニュースで見ました」「お父様がおっしゃってたけど、地球でもロケットを作ってるそうですわ」ひかる「そしたら、会いに行こうよ。みんなで、ロケットに乗って!」みんな「うん!」以外にありえないのです。なぜなら地球が宇宙星空連合に加盟することはスタプリのテーマだったからです。

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日記

ChaldeaGeckoの日記: 柳瀬尚紀「ジェイムス・ジョイスの謎を解く」

日記 by ChaldeaGecko

のまえがきの終わり

面白さをわざわざ読解しなくてはならないというのも、妙な話だ。しかし1995年の初めまで、筆者はその面白さへの鍵を手に入れてなかった。というより、そういう鍵の存在に気づかなかった。単眼の巨人キュクロープスがオデュッセウスにその単眼をつぶされて何も見えなくなったように、実は何も見えていなかったのである。だから本書は、ジョイス読者としての、まずなによりも反省の書である。
そして幸いにというか不幸にもというか、この鍵にはどうやら世界中のジョイス読者も気づいていなかったらしい。第12挿話の面白さへの鍵について、それが一冊の本として書かれるのは、1922年の『ユリシーズ』刊行以来、本書が世界初めてだろう。
もちろん本書は面白く書きたい。愉快に書きたい。
もちろん、と記した。英語でいえば<of course>。
さて、どんなcourseをたどることにしようか。
もしかするとこの「まえがき」を読んだだけで、そのcourseを嗅ぎつけた賢明なる読者もおられるかもしれないが……。

ここからわかることは、この本はジョイス「ユリシーズ」のトリックを解くものであること、柳瀬氏がナボコフ「良い読者と良い作家」のトリックを解いたこと、〇ビが賢明なる読者だということルン。ナボコフの本は「ユリシーズ」も取り上げているから、たぶんそれで読んだルン。柳瀬氏は他人の翻訳をボロクソに言っていたらしいが、要はトリックを訳せてなかったということルンね。
〇ビもこれからは柳瀬尚紀の威光を借りていま必殺の…ますます増長するルン、

ある噂やある情報が、別の噂や別の情報によって裏付けられたり否定されたりする。世間でよくある当たり前のことだ。ところがこの当たり前をついつい忘れてしまうくらいに、ジョイスは巧妙な書き方をする。ジョイスの面白さの大きな要素の一つがそれにほかならない。読者は決して「博識」からではなく、「当り前」から読んでいけばよい--と、でかっ鼻フリンではないが、筆者は断乎としていっておく。
その「当り前」を確認するために、デイヴィー・バーンへ入った直後のブルームのせりふを、もう一度見よう。

ーーああ、最高……。ええと。バーガンディを一杯もらおう……それから、ええと。

まず、「ああ、最高……」はでかっ鼻フリンに対する返事であり、「ええと」はデイヴィー・バーンを意識しての半ば独り言であり、「バーガンディを一杯もらおう……それから、ええと」はデイヴィー・バーンに向けてのせりふである。
こんなわかりきったことをわざわざ確認するのは、これから読み解いていく第12挿話はこれがいささか複雑になった形だからである。
小説の読者は、たとえばつぎのような書き方にあまりにも馴らされてきた。

「ああ、最高」と、彼は答えた。「ええと」と、彼は考えてから、デイヴィー・バーンに言った。「バーガンディを一杯もらおう……それから、ええと」

あるいはまた、こんなふうな書き方に。

「あたし、猫って苦手なの」と、彼女は彼に言った。
しかし頭に血がのぼっていた彼の耳には、その言葉が入らなかった。
彼は思い切ったように言った。

何を言ったのかはどうでもいい。要するに、作者の説明に何から何まで身をゆだねるしかできないゆるみきった神経しか使いたくないというのであれば、ジョイスは読めない。『ユリシーズ』は読めない。読む必要もないだろう。
本を読むとは、そこに読者が参加することであるはずだ。端的にいえば、頭を使って、感覚を働かせて、精神を動かす。それは「博識」や「学問」などから読むということではない。(p.16-18)

兄弟子の柳瀬尚紀が言うとありがたみが違う、ルン?

しかし何を飲ませているのかということより先に、「この守衛(か門番)」の正体を特定しなければならない。
ここは想像力を働かせ、これまでに本書で確認した材料をもとに推理したいところだ。(p.187)

こんなことも書いてあるルン、

14113616 journal
日記

ChaldeaGeckoの日記: スター☆トゥインクルプリキュア第一話「キラやば〜☆ 宇宙に輝くキュアスター誕生!」

日記 by ChaldeaGecko

スタプリ第一話が三波春夫「世界の国からこんにちは」のオマージュだということを書きました。元歌の「みどりの丘で」がそのまんまなところはなかなか感動的ルン。人間、冷笑的になってもいいことはひとつもないルン。

14113095 journal
日記

ChaldeaGeckoの日記: 二つのテクニック

日記 by ChaldeaGecko

セリフの人物の入れ替え セリフの意味の反転とうテクニックを紹介しました。これらは「他人の立場になってみる」「本当のことを言えない」「考えを改める」というごく一般的な考えに基づく作劇術を逆にしたものです。セリフ単位ではなく、場面というブロック単位で行うのがミソです。

杏子:足手まといは連れたまま戦わない主義だろ
杏子:いいんだよ、それが正解さ

これが杏子の本心ではないのは明らかですが、おなじ場面にある

杏子:なんだかな…あたしだって今までずっとそうしてきたはずだったのに

も反語になっているので、場面全体が反対の意味になっているということです。「今までずっとそうしてきたはずだった」なら「今までずっとできていなかったし、今もできていない」と「今までずっとできていなかったが、今やっとできた」の二通りがあり、それぞれテレビシリーズと劇場版に対応しています。発声のニュアンスも異なり、前者は苦しそう、後者はうれしそうな感じです。映画の文脈が頭にあると、後者を思いつくのはちょっとしんどいです。

さやか:あんた、まだついてくるの?

さやか:いちばん大切な友だちさえ、傷つけて

これは「自分はもう杏子に心配される資格はない」「自分はもうまどかの友だちでいる資格はない」

さやか:だれかのしあわせを祈ったぶん、ほかのだれかを呪わずにはいられない
さやか:あたしたち魔法少女って、そういう仕組みだったんだね

これは「だれかのしあわせを祈ったぶんよりもっと、自分を呪わずにはいられない」
という意味ですが、さやかはこの期に及んでもはっきりものを言わなかったり、仕組みのせいにしています。おなじ場面ではおなじテンションだから、まとめて意味を逆にすればホンネがわかるし、機械的にやることで思わぬ真実を見つけることができます。逆に言えば、発言の深読みをすべきか否かも機械的に決まります。

エールとミデンの入れ替えでは

みんな:美味しいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり
みんな:ピクニック行ったり
みんな:泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり
みんな:キラッキラのまぶしい思い出、今からたっくさん作ろ!
はな:今から…
みんな:うん!
はな:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
みんな:だいじょうぶ、未来は今から変えられるもん
みんな:なんでもできる、なんでもなれる
みんな:フレ、フレ、はな

亡霊のミデンがこのセリフが言うのはちょっとおかしいので、ミデン-カメラ-みんなという連想で、みんなに置き換えました。この置き換えは「死者は生者を守る」といういつものテーゼにほかなりません。会話の内容はまさにテレビシリーズそのものになっていますが

はな:ボクは、もう、憎しみの塊なのに

というのは、テレビを見ていてもちょっと想像できないことです。これはいじめっれっ子の心境の一般論で、はなも間違いなくそうだった、と言えるわけではありませんが(テレビシリーズでそういう描写があるかも)、「プリキュアだから」という先入観があると、考えがいたらないことです。

みんな:だからはな、今日はあなたと出会ったことも、いろいろあったつらいことも
みんな:きっと、また思い出になる
みんな:未来でわたしたちに勇気をくれる
みんな:そうを教えてくれたのははな、あなただよ
みんな:はながみんなの思い出をつないでくれたから
みんな:そう信じられる
みんな:ありがとう、はな
はな:ありがとう
みんな:約束するよ、はな
みんな:これとおなじくらい、ううん、もっともっとたくさんの思い出を
みんな:一緒に作ろうね!

エールはミデンの中に入ってみんなの思い出に直接触れなければ友だちを信じられませんでしたが、こう変換するとことばが生き返っています。これが思い出を写すカメラの機能であり、「死者は生者を守る」が、具体的にどう守るかです。つまり、友だちを信じられなくても、思い出の写真を見れば友だちのことばを信じられるようになる裏には、死者の守りがあるということです。「この世界の片隅に」でいうなら、友だちを信じられないのは「歪んどる」で、死者(リンなど)が生者を「歪んどる」から「まとも」へ連れて行くことにあたり、生者が死者を覚えていることは、HUGキュアではミデンを修理してはなが使うことにあたります。プリキュアと「この世界の片隅に」は根っこで通底しています。

14113057 journal
日記

ChaldeaGeckoの日記: セリフの意味の反転

日記 by ChaldeaGecko

セリフの意味の反転させると大きなヒントになることがあります。これは本心を言ってなかったり、心変わりがあったりした場合をあぶり出します。作劇術の逆です。意味を反転するといっても一意ではないので試行錯誤が必要で、かならずあてはまるというわけではありません。

まどか:もういい…もういいんだよ、ほむらちゃん
ほむら:まどか…
ほむら:まどか……まさか!
まどか:ほむらちゃん、ごめんね
まどか:わたし、魔法少女になる
ほむら:まど…か…
ほむら:そんな…
まどか:わたし、やっとわかったの。かなえたい願い事を見つけたの。だから、そのためにこの命を使うね
ほむら:やめて!
ほむら:それじゃ…それじゃわたしは…なんのために…
まどか:ごめん、本当にごめん。これまでずっと、ずっとずっと、ほむらちゃんに守られて、望まれてきたから、今のわたしがあるんだよ。本当にごめん
まどか:そんなわたしが、やっと見つけ出した答えなの
まどか:信じて。絶対に、今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから
ほむら:まどか、はっ

まどかのセリフの意味を反転させて

まどか:もういい…もういいんだよ、ほむらちゃん
ほむら:まどか…
ほむら:まどか……まさか!
まどか:ほむらちゃん、ごめんね
まどか:わたし、魔法少女になる
ほむら:まど…か…
ほむら:そんな…
まどか:わたし、まだわからない。かなえたい願いごとがなんなのか。だけど、この命を使わざるをえない
ほむら:やめて!
ほむら:それじゃ…それじゃわたしは…なんのために…
まどか:ごめん、本当にごめん。これまでずっと、ずっとずっと、ほむらちゃんに守られて、望まれてきたのが、わたしには負担だった。本当にごめん
まどか:わたしは、まだ答えを見つけ出せていない
まどか:ごめんね、今日までのほむらちゃんを無駄にするかもしれない
ほむら:まどか、はっ

ほむらがウザかったということと、ほむらを無駄にするかもしれないことがセットで出てきました。テレビシリーズではこちらが真実でしょう。劇場版ではあてはまらなさそうです。

杏子:やっと見つけた
杏子:あんたさ、いつまで強情はってるわけ?
さやか:悪いね、手間かけさせちゃって
杏子:なんだよ、らしくないじゃんかよ
さやか:うん、べつにもう、どうでもよくなっちゃったからね
さやか:結局あたしは、いったいなにが大切で、なにを守ろうとしてたのか、もうなにもかも、わけわかんなくなっちゃった
杏子:おおい
杏子:ああっ
さやか:希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったか、あんた言ってたよね
さやか:いまならそれ、よくわかるよ
さやか:たしかにあたしは、何人か救いもしたけどさ
さやか:だけどそのぶん、心には恨みや妬みがたまって
さやか:いちばん大切な友だちさえ、傷つけて
杏子:さやか、あんたまさか
さやか:だれかのしあわせを祈ったぶん、ほかのだれかを呪わずにはいられない
さやか:あたしたち魔法少女って、そういう仕組みだったんだね
さやか:あたしって、ほんとバカ

さやかのセリフの意味を反転させると

杏子:やっと見つけた
杏子:あんたさ、いつまで強情はってるわけ?
さやか:あんた、まだついてくるの?
杏子:なんだよ、らしくないじゃんかよ
さやか:うん、大事なことがわかったからね
さやか:結局あたしは、いったいなにが大切で、なにを守ろうとしてたのか、なにもかも、やっとわかったよ
杏子:おおい
杏子:ああっ
さやか:希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったか、あんた言ってたよね
さやか:いまならそれ、違うってわかるよ
さやか:あたしは、たいして救ってはないのに
さやか:それよりずっと、心には恨みや妬みがたまって
さやか:いちばん大切な友だちだったけど、傷つけて、もう友だちじゃない
杏子:さやか、あんたまさか
さやか:だれかのしあわせを祈うよりずっと、自分を呪わずにはいられない
さやか:ウソつきのあたしには、仕組みなんかなかったんだね
さやか:あたしって、ほんとバカ

出てきたのは

さやか:結局あたしは、いったいなにが大切で、なにを守ろうとしてたのか、なにもかも、やっとわかったよ

さやか:いちばん大切な友だちだったけど、傷つけて、もう友だちじゃない

さやか:ウソつきのあたしには、仕組みなんかなかったんだね

恭介が大切だったこと、まどかを傷つけた自分にはもう友だちの資格はないと思っていること、ウソをついたら苦しむというあたりまえの話だったことがわかります。これは劇場版だけですがよくあてはまります。さやかがまどかを失ったと思っていることは普通に観ていても簡単には気づかないことです。さやかが自分の大切な人を三人とも失って死んだ
ことを知ると、ますます彼女と非道な仁美様が好きになります。
会話ではない杏子でもできる。

杏子:その子を頼む
杏子:あたしのバカにつき合わしちまった
杏子:足手まといは連れたまま戦わない主義だろ
杏子:いいんだよ、それが正解さ
杏子:ただひとつだけ
杏子:ただひとつだけ、守りたいものを最後まで守り通せばいい
杏子:あはっ
杏子:なんだかな…あたしだって今までずっとそうしてきたはずだったのに

杏子:その子を頼む
杏子:あたしのバカにつき合わしちまった
杏子:足手まといは連れたまま戦えないのはさみしいね
杏子:いいんだよ、でもそれが間違いだったらいいのに
杏子:ただひとつだけ
杏子:ただひとつだけ、守りたいものを最後まで守り通せばいい
杏子:あはっ
杏子:なんだかな…あたしは一度もそれができなかった
(杏子:なんだかな…あたしは今それができたよ)

()のつかないのがテレビシリーズ、()内は劇場版の真実です。
けもフレ2は

かばん:また会おうね!
サーバル:うん、約束だよ、かばんちゃん!

かばん:また会おうね!
サーバル:ごめん、もう会えないよ、かばんちゃん!

サーバルがウソつきになったことがよくわかります。
HUGキュアは

エール:美味しいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり
エール:ピクニック行ったり
エール:泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり
エール:キラッキラのまぶしい思い出、今からたっくさん作ろ!
ミデン:今から…
エール:うん!
ミデン:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
エール:だいじょうぶ、未来は今から変えられるもん
エール:なんでもできる、なんでもなれる
エール:フレ、フレ、ミデン

エール:美味しいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり
エール:ピクニック行ったり
エール:泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり
エール:キラッキラのまぶしい思い出、今からはもう作れない
ミデン:今から…
エール:うん!
ミデン:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
エール:だから、未来は今からは変えられない
エール:なんでもにもできない、なんにもなれない
エール:ごめん、ミデン

ミデンは亡霊である以上

ミデン:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
エール:だから、未来は今からは変えられない

こちらのほうが真実であり、エールもそれをわかっていたということがよくわかります。

14112472 journal
日記

ChaldeaGeckoの日記: 会話のセリフの人物の入れ替え

日記 by ChaldeaGecko

会話のセリフの話し手を入れ替えてみると、読解の大きなヒントになることがあるニャン。ウソついたり疑心暗鬼だったりで別の世界の可能性があり、最後に涙をこぼして他の可能性を消す場面ニャン。観客からすると、なにか後戻りのできない大事な場面という印象があるニャン。
こうして入れ替えてしまうと元の作品とは違うものになるから、あくまでヒントにしかならないが、「他人の立場を今度は自分が演じる」という作劇術の逆なので、非常に使えるルン。
まどマギの最後のまどかとほむらの会話でやってみるニャン。

まどか:もういい…もういいんだよ、ほむらちゃん
ほむら:まどか…
ほむら:まどか……まさか!
まどか:ほむらちゃん、ごめんね
まどか:わたし、魔法少女になる
ほむら:まど…か…
ほむら:そんな…
まどか:わたし、やっとわかったの。かなえたい願い事を見つけたの。だから、そのためにこの命を使うね
ほむら:やめて!
ほむら:それじゃ…それじゃわたしは…なんのために…
まどか:ごめん、本当にごめん。これまでずっと、ずっとずっと、ほむらちゃんに守られて、望まれてきたから、今のわたしがあるんだよ。本当にごめん
まどか:そんなわたしが、やっと見つけ出した答えなの
まどか:信じて。絶対に、今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから
ほむら:まどか、はっ

まどかはつらくないので泣かないが、まどかが助けた魔法少女たちが涙をこぼすニャン。魔法少女だった自分を悲しんであげたニャン。まどかとほむらを入れ替えると

ほむら:もういい…もういいんだよ、まどかちゃん
まどか:ほむら…
まどか:ほむら……まさか!
ほむら:まどかちゃん、ごめんね
ほむら:わたし、魔法少女になる
まどか:ほむ…ら…
まどか:そんな…
ほむら:わたし、やっとわかったの。かなえたい願い事を見つけたの。だから、そのためにこの命を使うね
まどか:やめて!
まどか:それじゃ…それじゃわたしは…なんのために…
ほむら:ごめん、本当にごめん。これまでずっと、ずっとずっと、まどかちゃんに守られて、望まれてきたから、今のわたしがあるんだよ。本当にごめん
ほむら:そんなわたしが、やっと見つけ出した答えなの
ほむら:信じて。絶対に、今日までのまどかちゃんを無駄にしたりしないから
まどか:ほむら、はっ

ほむらが魔法少女になったときの気持ちそのままになるニャン。
さやかと杏子の場面でやってみるニャン。

杏子:やっと見つけた
杏子:あんたさ、いつまで強情はってるわけ?
さやか:悪いね、手間かけさせちゃって
杏子:なんだよ、らしくないじゃんかよ
さやか:うん、べつにもう、どうでもよくなっちゃったからね
さやか:結局あたしは、いったいなにが大切で、なにを守ろうとしてたのか、もうなにもかも、わけわかんなくなっちゃった
杏子:おおい
杏子:ああっ
さやか:希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったか、あんた言ってたよね
さやか:いまならそれ、よくわかるよ
さやか:たしかにあたしは、何人か救いもしたけどさ
さやか:だけどそのぶん、心には恨みや妬みがたまって
さやか:いちばん大切な友だちさえ、傷つけて
杏子:さやか、あんたまさか
さやか:だれかのしあわせを祈ったぶん、ほかのだれかを呪わずにはいられない
さやか:あたしたち魔法少女って、そういう仕組みだったんだね

このあとさやかが涙をこぼして「あたしって、ほんとバカ」と言う。入れ替えて見ると

さやか:やっと見つけた
さやか:あんたさ、いつまで強情はってるわけ?
杏子:悪いね、手間かけさせちゃって
さやか:なんだよ、らしくないじゃんかよ
杏子:うん、べつにもう、どうでもよくなっちゃったからね
杏子:結局あたしは、いったいなにが大切で、なにを守ろうとしてたのか、もうなにもかも、わけわかんなくなっちゃった
さやか:おおい
さやか:ああっ
杏子:希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったか、あんた言ってたよね
杏子:いまならそれ、よくわかるよ
杏子:たしかにあたしは、何人か救いもしたけどさ
杏子:だけどそのぶん、心には恨みや妬みがたまって
杏子:いちばん大切な友だちさえ、傷つけて
さやか:杏子、あんたまさか
杏子:だれかのしあわせを祈ったぶん、ほかのだれかを呪わずにはいられない
杏子:あたしたち魔法少女って、そういう仕組みだったんだね

杏子が父親を助けたが一家が破滅したことと、さやかを半殺しにしたことがそのままあてはまるニャン。気持ちでいえば、杏子がグレていたこと、さやかをいちばん大切な友だちだと思っていることもそのままニャン。もっともさやかを半殺しにしたのは、他人のために魔法を使うと不幸になるから止めさせたんではあるが。

さやかの魔女戦では会話ではなく杏子が一方的に話しているニャン。

けもフレ2では

かばん:また会おうね!
サーバル:うん、約束だよ、かばんちゃん!

こいつでやってみると

サーバル:また会おうね!
かばん:うん、約束だよ、サーバル!

となる。本当にこんな別れがあったんだろうなあと思わせるニャン。サーバルには「約束」という概念もなさそうだし。

HUGキュアから

エール:美味しいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり
エール:ピクニック行ったり
エール:泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり
エール:キラッキラのまぶしい思い出、今からたっくさん作ろ!
ミデン:今から…
エール:うん!
ミデン:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
エール:だいじょうぶ、未来は今から変えられるもん
エール:なんでもできる、なんでもなれる
エール:フレ、フレ、ミデン

エールのかわりにはな、ミデンのかわりに、カメラを持っていたり写されたりするみんなで入れ替えて

みんな:美味しいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり
みんな:ピクニック行ったり
みんな:泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり
みんな:キラッキラのまぶしい思い出、今からたっくさん作ろ!
はな:今から…
みんな:うん!
はな:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
みんな:だいじょうぶ、未来は今から変えられるもん
みんな:なんでもできる、なんでもなれる
みんな:フレ、フレ、はな

みんながはなを励ましているニャン。いじめられていたはなは憎しみの塊だった可能性に気づけるニャン。
もうひとつ

エール:だからミデン、今日はあなたと出会ったことも、いろいろあったつらいことも
エール:きっと、また思い出になる
エール:未来でわたしたちに勇気をくれる
エール:そうを教えてくれたのはミデン、あなただよ
エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから
エール:そう信じられる
エール:ありがとう、ミデン
ミデン:ありがとう
エール:約束するよ、ミデン
エール:これとおなじくらい、ううん、もっともっとたくさんの思い出を
エール:一緒に作ろうね!

みんな:だからはな、今日はあなたと出会ったことも、いろいろあったつらいことも
みんな:きっと、また思い出になる
みんな:未来でわたしたちに勇気をくれる
みんな:そうを教えてくれたのははな、あなただよ
みんな:はながみんなの思い出をつないでくれたから
みんな:そう信じられる
みんな:ありがとう、はな
はな:ありがとう
みんな:約束するよ、はな
みんな:これとおなじくらい、ううん、もっともっとたくさんの思い出を
みんな:一緒に作ろうね!

摩訶不思議にもこちらはことばが通じているニャン。それは

エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから

エールをミデンではなく「みんな」で置き換え、そのことばがセリフ中にあったからニャン。それがカメラの不思議な作用ニャン。

14112431 journal
日記

ChaldeaGeckoの日記: 映画「HUGっとプリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」解説 簡略版

日記 by ChaldeaGecko

HUGキュア映画でわかりにくいのは、ミデンに心の中に侵入するのが暴力的だということと、エールは友だちのことばを信じられなくなっていたということ。後者はテレビシリーズで描かれているが、はなはかつて友だちに裏切られていじめられていた。ミデンはいじめられたのではく忘れられたのでもっとひどい。

ミデン:ええい、やめろ!ワタシの中で暴れるな!
ミデン:お前と話すことなどない!出ていけーーっ!
エール:いや!わたしは話したいの!
エール:ちゃんと話してくれるまで、出て行かないから!
ミデン:お前たちは、記憶さえよこせばいいのだ!
ミデン:ワタシの中を、勝手にかき乱すなーーっ!

引きこもり経験がある人にはよくわかるはず。たいていは入ってくる側の自己満足だということも。

エール:あなたが、本当のミデン?

エール:雨…
エール:冷たくて、悲しい雨
エール:なんだか、あなたの涙みたい
ミデン:ずっとこうなんだ
エール:ずっと?
ミデン:ボクは、これしか知らない

エールはここで、ミデンが自分と似ていることに気づいた。

ミデン:あなたが、本当のエール?

ミデン:雨…
ミデン:冷たくて、悲しい雨
ミデン:なんだか、あなたの涙みたい
エール:ずっとこうなんだ
ミデン:ずっと?
エール:ボクは、これしか知らない

こうやって人物を入れ替えるとよくわかる。これはデタラメにやっているのではなく、他人の気持ちを理解しましょうという一般論が元の作劇術の一つ(を逆にしたもの)で、また書く。

エトワール:エール?
エール:みんな!
ブラック:あーあ、無理しちゃって。ホント、ありえない
エール:ブラック?
エトワール;でも、いい感じに話せたんでしょ?
エール;うん

暴力的に入っておいて「いい感じに話せたんでしょ?」というエトワールは一般人の代表。

アンジュ:そういえば、ミデンに記憶を奪われていたあいだね
アンジュ:わたしたちの記憶は、ミデンの中にあったの
エール:ミデンの中?
アンジュ:ほかのたくさんのプリキュアたちと、思い出が混じり合ったような感覚で
アンジュ:表はこの場所みたいにきらびやかなのに、ミデンの中は真っ暗だった
エール:真っ暗…

アンジュの発言が浮いたまま。アニメでは「そういえば」のあとは大事なことを言う。映画では離れたところにあるが

エール:だからミデン、今日はあなたと出会ったことも、いろいろあったつらいことも
エール:きっと、また思い出になる
エール:未来でわたしたちに勇気をくれる
エール:そうを教えてくれたのはミデン、あなただよ
エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから
エール:そう信じられる

エールが「ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから」というのはアンジュの「思い出が混じり合ったような感覚で」のこと。エールはことばでは「そう信じられ」ず、記憶の混じり合いで直接知ってようやく信じることができた。エールは友だちに裏切られていじめの対象になったため、友だちをなかなか信じられないので、写真で思い出を撮ることで友情を確認していた。ただ、友だちのことばを信じられるようになったわけではない。そちらはたぶん最終回で描かれるはず。

エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから
エール:そう信じられる

このセリフに違和感を覚えた人でも、たぶんあまり考えずにスルーしたんじゃないかなあ。しかしプリキュアでもまどか☆マギカでも、こういうささいな違和感こそが作品理解の鍵になっているから、ちい友も決してスルーしないでほしいニャン。

14111037 journal
日記

ChaldeaGeckoの日記: IE800買ったルン♪

日記 by ChaldeaGecko

ショップがニコイチした修理品だからありえないほど安かった。〇ビはマルチが嫌いでER-4を使ってたんだけど、ダイナミックのいいやつもずっと欲しかったルン。IE800はキラキラして聴いてて楽しいという点でEdition 9に似ているルン。これでプリキュアの歌がますます煌めくルン。
ER-4は音にBA特有の歪みがあるルン。シングルBAのSHURE E4はハウジングを外して生のBAドライバの音に近いものを聞けるが、すさまじい金属音がするルン。ハウジングでまともな音にしているが、歪みは取り切れるものではないルン。そのかわりFM音源とは相性がバツグンだけど。IE800にはそういう歪みはないが、歪んだほうが迫力があることも多いのでどちらが上というわけではないルン。プリキュアで大事な大事なユニゾンはマルチの鬼門で、ER-4も得意ではないが、IE800はバッチリ。
Twinkle Starsではひかるの声はER-4が、それ以外はIE800がいいルン。
Decretum(さやかのテーマ)はさやかの曲だから歪んでいるER-4のほうが迫力あるルン。IE800はきれいな音だけどギターがうるさすぎ。
I'll be with you(1分半)とI miss you(3分もある)は杏子とほむらの曲で、せめて曲だけでもおなじメロディーという演出だから、とにかくきれいな音がいいのでIE800の勝ちルン。
〇ビが言いたいのは、音質を考えるときはベンチマークとリファレンスを持ちましょうということと、きれいに鳴るのが常にいいイヤホンとは限らないということルン。そうしないといつまでもスパイラルルン。あと、酔っ払うと感覚が変わってしまうので、お酒飲んだ帰りにヨドバシで視聴してはいけないということルン。

14109537 journal
日記

ChaldeaGeckoの日記: 映画「HUGっとプリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」解説

日記 by ChaldeaGecko

映画「HUGっとプリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」の解説を書きました。この映画が描くのは、暴力で受けた傷にはことばは無力だということです。相手の傷を癒すには、抱きしめて自分が傷つくことしかない。それを理解するには少なくともこれだけは押さえておく必要があります。

レポーター:カメラ回して!

冒頭で巨大モンスターが現れ、現場にテレビレポーター居合わせた。プリキュア映画では冒頭にヒントがあるが、今回は「カメラに映らない部分に真実がある」といったところ。

ルミナス:このテルテル坊主さん、ザケンナーじゃなさそうです
ブラック:みたいね
ホワイト:一体なにものなの?
ミデン:よこせ、よこせーっ
ブラック:なんだか知らないけど、ほしいものがあるなら、襲ってきたりしないで、ちゃんとことばで言ってよね
ブラック:ウソ!話つうじる感じ?!

ルミナスがテルテル坊主と言っている。ミデンははながハンカチで作ったテルテル坊主で、かわいい柄がある。ルミナスがミデンの攻撃からふたりをかばって場面終了。太字はあとで回収されます。

みんなでピクニックに来ている。はなとえみるがはぐたんを激写している。

はな:おーい、みんなー!
(デジカメを持ったはなのアップ)
オープニング始まり

エンディング前でもはなはカメラを持っている。

はな:お世話を始めて、もう半年だもん
はな:最初はどうなることかと思ったけど、はぐたんのお世話もプリキュアも、みんなと一緒だからがんばれたんだよね

「みんと一緒だから」はまた出てくる。

はな:テルテル坊主…?!

ミデンがはなたちの前に現れた。「テルテル坊主」というセリフは二度目。

エトワール:…だれ?
エール:えっ?わたしだよ
エール:キュアエール、はなだよ!

ミデンの攻撃で、エールをかばったみんなの記憶が奪われ幼児になってしまった。プリキュアが正体をばらすのは珍しい。ちっちゃいときの記憶は残っている。

(エールが落ちていたボルトを手に持って)
エール:アムール、なんて姿に!

ブラックとホワイトが助太刀にくるが、エールたちをかばったホワイトの記憶が奪われる。

ハリー:アムールやないか
エール:えーっ、これじゃないのー?

アムールは現実に子供だったころがないので、ききわけがいい子になっている。みんな本人が幼児だったころの姿ではなく、想像的なものだとわかる。

エトワール:おばけいるところなんていたくない

ちっちゃいプリキュアはおばけが怖くて家に帰りたくて泣いている。ダダをこねているわけではない。

はな:なぎささん、さっきのテルテル坊主はなんなんですか?
なぎさ:あいつの名前は、ミデンっていうみたい

テルテル坊主三回目。なぎさがミデンの名前を知っているのはルミナスが倒されてから聞いたのだろうが、ことばを使うところを見せない演出だろう。

はな:なるほど…
はな:ん?ちょっと待った!

はなたちがミデンに襲われた回想が緞帳になっていて、それをはなが下ろすという珍しい演出。ここには書かなかったが、この先ははながちっちゃいプリキュアに手を焼くシークエンスです。それをフィクションだとは思わないでほしいという演出でしょう。

(ちびキュアがこちらに手を振り)
ちびキュア:これなにー?

記憶を奪われたちびキュアたちが、ミデンのお城にある保育室みたいなところに集められている。保育室の壁のひとつは透明になっていて、向こう側に観客席が見えるらしい。透明な壁はあとではぐたんが叩いて観客の応援を呼ぶ。

はな:なんで…
はな:なんでこんなことになっちゃったの…
はな:なんでみんな、わたしのこと忘れちゃったの…
はな:さあや、ほまれ、えみる、ルールー
はな:いっぱいっぱい一緒にいたのに、一緒にたくさんがんばって、一緒にたくさん笑ったのに
はな:わたしもみんなのこと、大好きなのに!
はな:うっ…

デジカメのみんなの写真を見てはなが泣き出した。子守りでへこたれたからではなく、友だちがいなくなったから泣いている。はなは転校前はいじめられていたので、孤独を怖れている。

ハリー:なんや、プリキュアともあろうものが
ハリー:へこたれとる場合とちゃうやろ!
なぎさ:そんな言いかたやめて!
なぎさ:プリキュアっていったって、ただの中学生だよ
なぎさ:自分でどうすることもできないときには、だれだってそうなるに決まってるじゃない
ハリー:…
なぎさ:わたしだって、わたしだって…

なぎさのミスリード。

はなのデジカメからミデンが現れる。

はな:バカだ、わたし…
はな:忘れちゃってたのは、わたしのほうだよ
はな:みんなと出会って、ちょっとずつ仲良くなって
はな:どんどん増えた思い出は、ずっとここにあるのに

はな:わたしは、ひとりなんかじゃないのに
はな:これしきのことで、心折れるとか
はな:なりたい、野乃はなじゃない!

はな:フレ!フレ!わたしー!!

なぎさと復活したほのかが戦っているのを見て。「忘れちゃってたのは、わたしのほうだよ」は、文字通りの意味でこの映画のカギになります。

エール:ごめんね、アンジュ、エトワール、マシェリ、アムール
エール:本当につらいのは、みんなのほうなのに

ここの「つらい」は、友だちがいなくなったこと。エールは自分を投影している。

エール:わたし、もう負けない
エール:あなたにも、自分にも!

エール:キラキラ大切な思い出が、みんなが、わたしを支えてくれてる
エール:だから、なにがあっても踏ん張れる 踏ん張ってみせる

ブラック、ホワイトとチームプレイ中。あとでここを回想する。

エール:違うよ!
エール:わたしたちの記憶、わたしたちの思い出だよ!
エール:もともと持ってない思い出なんて、絶対あなたのものにはならないんだから!
ミデン:ボクは…ボクだって…
ミデン:ワタシ、堪忍袋の緒が切れましたーっ!!

ミデンが「ワタシ」というのはプリキュアの記憶のせいで、本当は男の子だったとわかる。

ミデンがはなのデジカメを壊し、街の人の記憶を奪い始める。地下から巨大なお城が現れる。
お城のなかでミデンとの戦闘が始まる。エールはミデンに壊されたデジカメを拾い上げる。

エトワール:ってかミデンのやつ、いったいなに考えてるんだろう
エトワール:わたしてっきり、プリキュアの力を奪って強くなって、なにか悪いことしようとしてるのかなって
エトワール:でも、いきなりこんなお城に引きこもっちゃうし
アンジュ:たしかに、なんのために記憶を奪っているのかな

エール:あのね、実はちょっと気になってることがあって
エール:さっき、ミデンがこれを壊した時
回想:エール:もともと持ってない思い出なんて、絶対あなたのものにはならないんだから!
回想:ミデン:ボクは…ボクだって…
エール:うまく言えないけど、なんだか、ちょっと悲しそうに見えた

アンジュ:そういえば、ミデンに記憶を奪われていたあいだね
アンジュ:わたしたちの記憶は、ミデンの中にあったの
エール:ミデンの中?
アンジュ:ほかのたくさんのプリキュアたちと、思い出が混じり合ったような感覚で
アンジュ:表はこの場所みたいにきらびやかなのに、ミデンの中は真っ暗だった
エール:真っ暗…

お城の中に入ってすぐ。太字は最後に使う。

はぐたんとハリーが保育園に落ちて来る。

お墓みたいなところに生きてるプリキュアが落ちて来る。カメラが落ちている。

エール:なんだろう、これ
ブラック:それってカメラ?
ホワイト:ずいぶん古いもののようだけど
アンジュ:あ…こ、これは?!
アンジュ:幻のミデンF、マークII!
(一同:ええっ?)
エール:ミ…ミデンって…
アンジュ:このカメラの名前!
アンジュ:最近発表されたミデルタD9の元祖ともいえるフィルムカメラなの
アンジュ:発表後すぐにメーカーが倒産してしまい、市場に出回ったのはごくわずかで
(アンジュの解説が続く)
ブラック:くわしい…ね
エトワール:あの子、ちょっといろいろ詳しめなんで
エール:ミデンF…ミデン!
エール:あのテルテル坊主と同じ名前ってことは
ミデン:見たな…

アンジュはカメラのことには詳しいのに、ミデンのことを知っている人はだれもいない、という演出。

ミデンがミデンFマークIIから飛び出す。

エール:ミデン!
ホワイト:いったいこのカメラはなんなの?
ブラック:このさびしい部屋はなに?
ミデン:くっ…
ミデン:黙れ黙れーーっ!
(ミデンひと暴れ)
ミデン:ボクは…ボクは好きでこんなところにいたわけじゃない!
ミデン:暗い箱に閉じ込められたまま、何十年!
ミデン:だれにも使われずたったひとりでただただ朽ち果ててゆく
ミデン:そんな孤独がお前たちにわかるか!

ミデンは本当のことは言わ(え)ない。

アンジュがミデンFマークIIの蓋を開ける。

アンジュ:なにもない…
エトワール:つまり、ミデンは使われなかったカメラのおばけ
アンジュ:だからわたしたちの記憶を奪っていたのね
アンジュ:本来このレンズに写すはずだった、楽しい思い出を
ミデン:空っぽのまま一生を終えたボクの絶望、お前たちにわかるまい!

アンジュがミスリードしている。ミデンが記憶を奪うのには別の理由がある。

エール:空っぽ…
回想:エール:キラキラ大切な思い出が、みんなが、わたしを支えてくれてる
回想:エール:だから、なにがあっても踏ん張れる 踏ん張ってみせる
エール:思い出がなにもないってこと…?
回想:エール:もともと持ってない思い出なんて、絶対あなたのものにはならないんだから!
(エールが壊れたデジカメを手にする)
エール:だから…あの時…

いじめられっ子だったエールだけが敏感だった。

ミデン:ワタシはこれからだれよりもしあわせになる、世界中のキラキラな記憶すべてを、ワタシのものにしてやる!
アムール:自分勝手な理由で、他者の大切なものを奪うことは許されません!
マシェリ:だいたい人のもの横取りしても、しあわせになんてなれないのです!
アンジュ:あなたのやっていることは、不幸になる人を増やすだけ!
ホワイト:ミデン、お願い!みんなの記憶を返して!
ミデン:うるさい…
ミデン:うるさい、うるさーーい!

プリキュアの正論。なんかイヤな感じにしてある。

ミデンと戦闘。

(エールのまわりをぐるっとカメラが回る)
エール:思い出がないって…
エール:楽しいこと、うれしいこと、ひとつもないってこと?
エール:生まれてから今まで、さびしいとか、くるしいとか、そんな気持ちでいっぱいだったってこと?
(はなが泣き出した時の回想の映像)
エール:あんな辛い気持ちだけが、ずうっと続いているってこと?
エール:ううん、あの時だって、わたしにはハリーもはぐたんも、なぎささんもいた
エール:家に帰れば、パパもママもことりもいる
エール:学校行けば、友だちもたくさん…
エール:なにもないって、どんな気持ち…

エールのまわりを回るカメラアングルは、ミデンと頭をごっつんこするときも使われる。

エールがブラックとホワイトの攻撃を止め、反撃されふたりはちっちゃくなる。
エールが吹っ飛ばされてステンドグラスを割る。向こう側には保育園があった。

手に入れたばかりのプリキュア・マーブル・スクリューを撃つミデンと、それを見るエール。

ミデン:そんな目で、ボクを見るなあーーっ!

ミデンが覆いかぶさり、エールがミデンの中に入る。中は真っ暗。

エール:…ここは…
エール:うん…そっか
エール:ここがミデンの心の中…
エール:ほんとになにもない…
エール:なにもないから、踏ん張れなかったんだ
(エールが落ちていく)
エール:ひとりで、落ちていくしかなかったんだね…

「踏ん張れなかった」は前に出た。

なにかに気づいたはぐたんが透明な壁(こちらが見れば画面)を叩く。

はぐたん:フレフレ、あゆよー!

応援しろとハリーが観客に言う。ミラクルライトを振ってプリキュア全員が復活する。

ミデン:あううっ…胸が苦しい…
ミデン:これは…
(エールが落ちそうになっているが、なにかにつかまっている)
エール:まだ…でていくもんか…
ミデン:ああーっ、お前、ワタシの中でなにをしている…
エール:いまわたしが出てったら、あなたがまたひとりになっちゃう!

エールは、ふたりで話して、それから出て行くつもり。

ミデン:ええい、やめろ!ワタシの中で暴れるな!
ミデン:お前と話すことなどない!出ていけーーっ!
エール:いや!わたしは話したいの!
エール:ちゃんと話してくれるまで、出て行かないから!
ミデン:お前たちは、記憶さえよこせばいいのだ!
ミデン:ワタシの中を、勝手にかき乱すなーーっ!

話がしたいエールはとても暴力的だ。

ちびミデンとプリキュアが戦っている。こちらも暴力的で、冒頭の「ほしいものがあるなら、襲ってきたりしないで、ちゃんとことばで言ってよね」とちぐはぐ。

ミデン:もっと…もっとたくさんのまぶしい記憶を!
ミデン:心を満たせばお前など!
エール:やめなよミデン!どんなに記憶を奪っても、あなたは満たされないよ!
ミデン:うるさい…うるさいうるさーーい!

ミデンはエールを忘れるために記憶を奪っていた模様。

お城にひびが入った。

ルミナス:見てください!
ブラック:ひびが入ってる!なんで?
ホワイト:ミデンの分身を倒したから、そのぶんミデンも弱ったのかも
ブラック:ああっ、ってことは
ブラック:がんばれエール、最後の一押しは、あなたにかかってるよ

闇にひびが入り、光が差している。

ミデン:あっ
(エールが光に飛び込む)
ミデン:やめろ!
エール:ごめん!でも!
ミデン:見るなーーーーっ!!

はなの家をのぞいていたのがバレるので。

中の部屋には冷たい雨が降っている。下は水面になっていて、はなと家族が大きく映っている。はなの妹も大きく映っており、読解の糸口になっている。

エール:あなたが、本当のミデン?

エール:雨…
エール:冷たくて、悲しい雨
エール:なんだか、あなたの涙みたい
ミデン:ずっとこうなんだ
エール:ずっと?
ミデン:ボクは、これしか知らない

「これしか知らない」の「これ」は、のぞいていたはな家のこと。ミデンははながピクニックのために作ったテルテル坊主だが、はなはすっかりそのことを忘れている。「忘れちゃってたのは、わたしのほうだよ」というセリフがあるが、文字通りのことを文脈が違うところに埋め込むのはよくある技巧です。ミデンはピクニックに連れて行ってくれようとしたはなに恋している。女は罪作り。

エール:そっか
エール:ミデンは偉いね
エール:ずっとこんなじゃ、冷たくて、凍えて動けなくなっても仕方ないのに
エール:自分でなにかを変えようとした、でしょ?
ミデン:でも…なにも変わらなかった
ミデン:君も言ったじゃないか
ミデン:結局ボクは満たされないって

ミデンの中にははなしかないから、他の思い出を奪えばはなのことで苦しまなくてすむかと思っていた。エールはいじめられっ子だったからミデンとは似た者同士だが、転校でいじめを脱出することができた。

(エールがミデンの後ろから手を回す)
エール:それは違うよ
エール:だれかから奪った思い出じゃ満たされない、そう言ったんだよ
ミデン:おなじだよ…
(エールがミデンと正面を向く)
エール:違うよ…全然違う
エール:人から奪うんじゃない、ミデン自身が、自分で経験した記憶を積み上げていこう
エール:それが、本当の思い出になるから
ミデン:ボクの…本当の思い出…
エール:そう、わたしたちと一緒に!

エールとミデンで考えていることが違う。ミデンはすっかりいじけており、いまさら優しくされても…と思っている。

(エールがミデンと額をごっつんこする)
エール:美味しいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり
エール:ピクニック行ったり
エール:泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり
エール:キラッキラのまぶしい思い出、今からたっくさん作ろ!
ミデン:今から…
エール:うん!

エールをぐるっと回るカメラアングルは「思い出がないって…」の時とおなじ。ミデンはカメラのおばけだから、成仏させたら消えてしまう。エールはそのことを知っていたからことばは空手形でしかなく、かなり傷ついているはず。この映画ではピクニックは特別な意味がある。

(ミデンがエールから体を離す)
(ミデンがうなだれてエールの胸に頭をつけて泣く)
ミデン:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
(エールがミデンを抱きしめる)
エール:だいじょうぶ、未来は今から変えられるもん
エール:なんでもできる、なんでもなれる
エール:フレ、フレ、ミデン

ミデンがたんに使われずに壊れたカメラであれば、憎む対象がいないから「憎しみの塊」になるのはおかしいので、読解の糸口になっている。エールのことばは無力だから、体でミデンを温めることしかできなかった。ミデンは恋するエールが抱きしめてくれたので、恨みなど吹っ飛びました。これだから男は…

部屋の壁が崩れて、外は明るい。

エトワール:エール?
エール:みんな!
ブラック:あーあ、無理しちゃって。ホント、ありえない
エール:ブラック?
エトワール;でも、いい感じに話せたんでしょ?
エール;うん

エールにとってはグサッとくるエトワールの一言。なにげないセリフがあるべきところにあることが、この読解が正しいことの証明になっている。

エール:奪われた記憶を取り戻すため
エール:そして、ミデンが前に進むために
エール:みんな、力を貸して!
(ミラクルライトが現れる)
全員:プリキュア!レリーズ・シャイニング・メモリー!

エール:だからミデン、今日はあなたと出会ったことも、いろいろあったつらいことも
エール:きっと、また思い出になる
エール:未来でわたしたちに勇気をくれる
エール:そうを教えてくれたのはミデン、あなただよ
エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから
エール:そう信じられる
エール:ありがとう、ミデン
ミデン:ありがとう
(ミデンが消える)
エール:約束するよ、ミデン
エール:これとおなじくらい、ううん、もっともっとたくさんの思い出を
エール:一緒に作ろうね!
(エールが涙をこぼして手でぬぐう)

「ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから」はアンジュの「ほかのたくさんのプリキュアたちと、思い出が混じり合ったような感覚で」のこと。エールはいじめられっ子だったから、他のプリキュアが自分のことを嫌っていないことを確認できて安心したのです。ミデンが恨んでいたのははなに忘れられたからだが、そんなことは知らないエールは孤独にいる人ならだれでも、自分が傷ついてまでも抱きしめて慰める子なのです。これが「HUGっとプリキュア」というタイトルの意味です。

(さあやがはなにカメラを渡す)
さあや:はい、はな
はな:うわー、ぴっかぴか!
はぐたん:はぎゅう!
さあや:フィルムも入れておいたから
えみる:もう、はな先輩!
えみる:はやく行かないと、みなさん待ちくたびれてしまうのです!
はな:そうだね!

わざわざさあやに「フィルム」と言わせているということは、デジカメよりフィルムカメラがいいというメッセージでもある。はなのデジカメは壊れたままだし。

プリキュア一同がピクニックしている。

はな:じゃあ、行くよ、ミデン!
はな:みんなー!はい、チーズ!
(はなが写真を撮りまくる)
はな:ふふふっ
なぎさ:どう?思い出たくさん撮れた?
はな:まだまだ、これからもっともっともーっと
はな:パンクするくらい撮りまくっちゃうもんね
はな:キミの未来は、明るいぞーーっ!

はながピクニックで写真を撮りまくるのはオープニング前とおなじ。

(終)

エールはミデンの中には暴力的に侵入した。中に入ればことばは無力で、エールが傷ついたのだからなんらかの暴力があったとしかいえない。この映画は暴力を描くことに終始していた。小型ミデンとオールスターズが戦う場面は主題歌メドレーをBGMに技や「エールの思いが届きますように」といったセリフが満載の山場だが、ミデンを弱らせるためでしかない。ことばが役に立たないケース、暴力に頼らざるをえないケースが存在するといっているようだ。エールが傷ついたのは元をただせば自分がミデンのことを忘れたからだから、他人を忘れることは暴力的だということだろう。ミデンの苦しみはいかがなものかというと、男子はみんな知っていると思うが、〇ビは美少女♡だから、ホラ。
いじめられっ子だったエールは他人を信じられなかったことがさりげなく描かれている。実際はお姫様みたいにかばわれているが。こういうところに気がつくとますます好きになる。でもこれもことばによるものではなく、ミデンの中での直接的な交流によるものだった。いじめも暴力だから、似た者同士のエールとミデンはお互いに慰め合ったことになる。この映画が描くのは、暴力で受けた傷にはことばは無力で、相手の傷を癒すには、抱きしめて自分が傷つくしかないということでした。
この映画はミデンの中の保育園以外にも、幼児化したアムールや緞帳など、想像的なものと現実的なものの両方が描かれている。子守りのしんどさはフィクションだと思わないでほしい、プリキュアを応援するのと同じくらい、子供のことを考えてほしいという演出になっているようだ。

この映画には太字で書いたところなど読解の手がかりがいくつかありますが、慣れてくると微妙な違和感を感じられます。それでもセリフの書き起こしをしないとスルーしがちです。
プリキュアと死、暴力、恋は切っても切れない関係にあります。もっともまともな文学作品なら全部そうですが。表面からは追放したのでこういう難しいところにいきました。ヒーリングっどプリキュアは、だれかから暴力で傷つけられるのではなく、理不尽なことで傷つく話です。

typodupeerror

私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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