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日記

ChaldeaGeckoの日記: エロゲー、愛と恋愛、愛のプリキュア 3

日記 by ChaldeaGecko

オヨ~、劇場版「あたしってほんとバカ」は「恭介を疑ったことがバカ」だったルン!

エロゲーのシステムは、立ち絵にメッセージウィンドウ、バックログとなっているルン。バックログは好き勝手なところを見られるわけではないから、読み落とした文章をちょっとさかのぼって見るくらいしかできないルン。小説やアニメは過去・現在・未来を(ビデオデッキがあれば)等しく見ることができるルン。エロゲーには現在しかないルン。だからエロゲーはクラナドやFateのように、コミカルだったり深刻そうだったりする描写をえんえん続けて最後に一発撃つしかないるん。撃つのはどのゲームも大差ないから、現在をひたすら楽しく描いて変化をつけるしかないルン。工夫して作って、一直線に読んで2パス、同じもの2回読まないと真相がわからないとか、それくらいだルン。
ストーリーの細部まで覚えてられないから、複雑な物語の構造を入れたところでだれも遊べないものになってしまうルン。「YU-NO」は〇ビはやったことがないからわからないルン。魔法戦士は最初から撃つルン。ガチャゲーは撃たずにひたすらダラダラするルン。いずれにしろ(物語ではなく)プレイヤーの現在しかないというのはシミュレーションだろうがRPGだろうが同じで、文学としては終わったジャンルだルン。つまらないという意味ではなく、これから先も似たようなものしか出てこないルン。そのかわりすごく洗練されたものがでてくる可能性はあるルン。普通の人が小説や映画を娯楽的に読んだり見たりする場合は、やっぱり一直線に読むからエロゲーと違いはないルン。
エロゲーなどの娯楽作品では物語の論理も日常の論理もいっしょくたにプレイヤーのリニアな時間の上に載っているルン。おかげでどこにウソや誤解があるのかわかりづらくなっていて、キャラの性格も(けもフレほどではないにしろ)平板になるルン。それをカバーするためにエキセントリックなキャラづけされるルン。スタプリのララが「~ルン」というのは、キャラづけだけでなく、ことばによるコミュニケーションを困難にさせているルン。表現がうまくできなくなることは、〇ビもこうやって書いてみてよくわかったルン。

結論から書くと、物語においては愛は無料で手に入り、恋愛は交換で手に入るルン。これは決定的な違いだルン。愛というのは友情や、親子や親しい人への愛だルン。たとえるなら、愛はボランティア、恋は労働だルン。交換に失敗すると人は激しい怒りを感じるルン。自動販売機に100円いれてなにもでてこないと、100円にとうてい釣り合うとは思えない激しい怒りを覚えるルン。人は自分の意見を否定されると、あるいは無視されると怒るルン。価値ある自分の意見と称賛を交換しようと思っていたのに、交換に失敗したと感じるルン。
HUGキュアではミデンの恋とエールの愛、スタプリではララの恋とひかる(+3人)の愛が釣り合っているルン。これはエールが愛を生み出して、それをミデンに与えた、とは言えないルン。エールはミデンの恨みと同じ重さのウソをついて交換したルン。エールは自分のウソを償却したルン。ミデンは恨みで動いていただけで生きていたわけではないから、そのまま消えるルン。彼は死ぬ前に一瞬しあわせになったのだから、なにかをもらっていたのではあるが、消えるときにいっしょに持って行ったとしかいえないから、これを愛と呼ぶことにするルン。愛はどこからともなくタダで湧いてくるし、消えもするルン。
愛は人をしあわせに(マイナスの愛なら不幸に)するし、無から生み出せるけどなにとも交換できないルン。タダで手に入るなら世の中は愛であふれているはずだから、なにか制約があるはずルン。HUGキュアではエールからミデンに愛が渡ったのは、ウソと憎しみを交換したときルン。どうやら愛は交換に付随するボーナスのようなものだルン。交換に成功したと思ったらボーナスがつき、失敗したと思えばマイナスのボーナスがつくルン。エロゲーでいえばイベントが交換で、パラメーター(の上下)が愛だルン。女の子に恋をして(ウソをついて)、デートしてもらって(交換して)、愛で自尊心(パラメータ)が上下する、これが恋愛の仕組みだルン。恋がウソなのは、成就する未来とフラれる未来の両方ができるからだルン。フラれたら涙で償却し、運命の出会いは偶有性だルン。お互い恋するふたりのウソがひとつになるルン。ゼロにはならず、別れを予感させるルン。な、なんだってールン。

HUGキュア

  • エールがウソをつく。
  • ミデンの恨みと交換し、ミデンを愛する。
  • エールがウソを償却し、ミデンが成仏する。

にんぎょひめ

  • 人魚姫が王子様に恋をする。(ウソをつく)
  • 人魚姫が王子様を助け、愛を手に入れる。(ウソと王子様の命の負債を交換する)
  • 王子様がよそのお姫様と結婚することを知り、あきらめる。(ウソを償却する)
  • 人魚姫が持っているのは、王子様の命の負債。
  • 人魚姫が泡と消える。(自分の命で負債をチャラにする)

まどマギ劇場版さやか

  • さやかが、恭介のためだとウソをついて彼の足を治す(交換する)。彼女は不幸になる。
  • 仁美の挑戦は本当だから誤解ではない。
  • 海中の場面で、さやかがウソを償却する。彼のために治したことが本当になる。
  • ホストの会話を聞き、さやかが疑心暗鬼になる。
  • 杏子との会話。
  • 「あたしって、ほんとバカ」で償却する。

疑心暗鬼や後悔もふたつの未来ができるので、ウソと同等ルン。劇場版では恭介を疑ったことが「ほんとバカ」だった、さやかの最大の過ちだったルン。わかるかルン!。もう読解ツールがないとなにもできないルンね。
杏子との会話でなにか交換したかというと…
少女のヒミツを伝えたルン。心配して探してくれたりしたから、ちゃんと交換できたルン。ふたりの愛が高まったルン!
ということは、廃教会でのさやかは杏子を傷つけることは承知で迷いはなかったルン。

まどマギテレビシリーズさやか

  • 仁美の後押しを誤解する
  • 海の中の場面で償却
  • マンションの廊下で杏子が助けにはいる。
  • ホストの会話。自分を犬みたいに捨てた恭介とくらべて、杏子が自分を大切にしてくれていたことに気づき、後悔する。
  • 「あたしって、ほんとバカ」で償却する。

こちらは杏子を傷つけていたことが「ほんとバカ」だルン。どこで後悔したのかが明確になったルン。こっちもツールがないと漠然としたままだルン。

ディズニーのWALL・Eは時間的な要素は館長の決断だけで、あとはけもフレ的な無時間だルン。WALL・EはいくらEVEに恋をしたように見えようが、しょせんロボットだルン。
ズートピアのニックも、ジュディを疑ったことはなかったことがこれで明らかだルン。これもけもフレとおなじ動物園だルン。まあそこに観客だましがしかけてあるルンが。
ニア・アンダーセブンは、ニアが帰ってこないんじゃないかとまゆ子が疑ったルンね。これは疑いっぱなしだから、物語外でそれが本当になることを予感させるルン。

愛(のプリキュア)のはたらき

  • ラブリー:暴力をふるう
  • エール:鎮魂する
  • スター:暴力から守る
  • エール&スター:謝罪する(大予言)

ラブリー貧乏くじだルン;_;
クライアス暗い明日、ノットレイダーインベーダーは一歩間違えた自分たちの姿でもあるルン。幻影帝国以外はダジャレによって、正しい未来とありえた未来のふたつを導入する、偶有性の逆をやってるルンね。ということは、幻影帝国はこうにしかならない未来の形だといえるルン。
そういや〇ビ、テレビはハピチャしか見てないし、映画もこの三つしか見てないから、謝罪はもうやったかもしれないルン。
勇気のプリキュアのララは恋の成就だったルン!プリンセスはウソつかない子だからとくになにもないルン。恋に勇気が必要だということは、恋は恐ろしいものだということだルン。まどマギで恋してたのはテレビシリーズの仁美、劇場版のほむらだルンだけど、ふたりとも最初から恋してたので、ウソついたわけではないルン。たんなる選択はウソになるのかならないのか、よくわかってないルン。少なくとも選択肢が両方ポジティブなら物語を駆動する力にはなりづらいルン。

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  • by Anonymous Coward on 2019年12月03日 19時54分 (#3725657)

    近年のゲームでイベントリプレイ機能が充実していたりするのは、文学としての弱点を補強する役割があるのかもしれませんね。
    中には「ラジアントヒストリア」のように、積極的に作品内の出来事(プレイヤーキャラクターの能力)として何度もイベントをやり直せる(やり直させる)ような作品もありましたが、それも一つの模索といえるでしょうか。

    • by Anonymous Coward

      たとえば、まんがでヒロインが妙につれない態度を取るようになったりします。主人公は理由がわからない。
      娯楽色が強いまんがなら、すぐ回想がはいって「他の子とイチャついているのを見られていたかも」など理由があきらかにされます。
      文芸色が濃いまんがなら、回想が入らず、ずっと後になってから理由がわかるか、またはわからないまままんがが終わってしまいます。だから主人公と読者は、まんがを読んでいるあいだずっと彼女の態度がかわった理由を考え続けることになります。
      後者だと、まんがを読んでいる最中に、ふっと原因に思い当って、自由に前にさかのぼって

      • by ChaldeaGecko (48775) on 2019年12月03日 23時03分 (#3725733) 日記

        心的イベントはたとえばまどかマギカなら、中学二年生の仁美が「もうすぐ受験だから」と言う、といったものです。仁美は留学するのでもうすぐまどかやさやかとも会えなくなることを示唆しており、これが仁美とさやかのイベントの文脈を定め、「恭介を慕っている」とウソをついてさやかの背中を押したが、さやかが誤解して悲劇になったという、物語上重要なイベントにつながりますが、シナリオ上のイベントとはことなり、読んでいる人が自分で見つける必要があるものです。
        こういう「心的イベント」の有無が文芸と娯楽の違いで、メモをつけるなりして、この「心的イベントの再読」が容易にできなければシステム的に文芸作品にならないのですが、どういう出来事やふれあいに興味を持つかは人によって全く違ってくるので、システム的に用意することができません。小説は電子書籍で全文検索できるようになって飛躍的に読みやすくなりましたが、ゲームでもそういうサポートは考えられるかもしれません。

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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson

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