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日記

ChaldeaGeckoの日記: 映画「HUGっとプリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」解説

日記 by ChaldeaGecko

映画「HUGっとプリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」の解説を書きました。この映画が描くのは、暴力で受けた傷にはことばは無力だということです。相手の傷を癒すには、抱きしめて自分が傷つくことしかない。それを理解するには少なくともこれだけは押さえておく必要があります。

レポーター:カメラ回して!

冒頭で巨大モンスターが現れ、現場にテレビレポーター居合わせた。プリキュア映画では冒頭にヒントがあるが、今回は「カメラに映らない部分に真実がある」といったところ。

ルミナス:このテルテル坊主さん、ザケンナーじゃなさそうです
ブラック:みたいね
ホワイト:一体なにものなの?
ミデン:よこせ、よこせーっ
ブラック:なんだか知らないけど、ほしいものがあるなら、襲ってきたりしないで、ちゃんとことばで言ってよね
ブラック:ウソ!話つうじる感じ?!

ルミナスがテルテル坊主と言っている。ミデンははながハンカチで作ったテルテル坊主で、かわいい柄がある。ルミナスがミデンの攻撃からふたりをかばって場面終了。太字はあとで回収されます。

みんなでピクニックに来ている。はなとえみるがはぐたんを激写している。

はな:おーい、みんなー!
(デジカメを持ったはなのアップ)
オープニング始まり

エンディング前でもはなはカメラを持っている。

はな:お世話を始めて、もう半年だもん
はな:最初はどうなることかと思ったけど、はぐたんのお世話もプリキュアも、みんなと一緒だからがんばれたんだよね

「みんと一緒だから」はまた出てくる。

はな:テルテル坊主…?!

ミデンがはなたちの前に現れた。「テルテル坊主」というセリフは二度目。

エトワール:…だれ?
エール:えっ?わたしだよ
エール:キュアエール、はなだよ!

ミデンの攻撃で、エールをかばったみんなの記憶が奪われ幼児になってしまった。プリキュアが正体をばらすのは珍しい。ちっちゃいときの記憶は残っている。

(エールが落ちていたボルトを手に持って)
エール:アムール、なんて姿に!

ブラックとホワイトが助太刀にくるが、エールたちをかばったホワイトの記憶が奪われる。

ハリー:アムールやないか
エール:えーっ、これじゃないのー?

アムールは現実に子供だったころがないので、ききわけがいい子になっている。みんな本人が幼児だったころの姿ではなく、想像的なものだとわかる。

エトワール:おばけいるところなんていたくない

ちっちゃいプリキュアはおばけが怖くて家に帰りたくて泣いている。ダダをこねているわけではない。

はな:なぎささん、さっきのテルテル坊主はなんなんですか?
なぎさ:あいつの名前は、ミデンっていうみたい

テルテル坊主三回目。なぎさがミデンの名前を知っているのはルミナスが倒されてから聞いたのだろうが、ことばを使うところを見せない演出だろう。

はな:なるほど…
はな:ん?ちょっと待った!

はなたちがミデンに襲われた回想が緞帳になっていて、それをはなが下ろすという珍しい演出。ここには書かなかったが、この先ははながちっちゃいプリキュアに手を焼くシークエンスです。それをフィクションだとは思わないでほしいという演出でしょう。

(ちびキュアがこちらに手を振り)
ちびキュア:これなにー?

記憶を奪われたちびキュアたちが、ミデンのお城にある保育室みたいなところに集められている。保育室の壁のひとつは透明になっていて、向こう側に観客席が見えるらしい。透明な壁はあとではぐたんが叩いて観客の応援を呼ぶ。

はな:なんで…
はな:なんでこんなことになっちゃったの…
はな:なんでみんな、わたしのこと忘れちゃったの…
はな:さあや、ほまれ、えみる、ルールー
はな:いっぱいっぱい一緒にいたのに、一緒にたくさんがんばって、一緒にたくさん笑ったのに
はな:わたしもみんなのこと、大好きなのに!
はな:うっ…

デジカメのみんなの写真を見てはなが泣き出した。子守りでへこたれたからではなく、友だちがいなくなったから泣いている。はなは転校前はいじめられていたので、孤独を怖れている。

ハリー:なんや、プリキュアともあろうものが
ハリー:へこたれとる場合とちゃうやろ!
なぎさ:そんな言いかたやめて!
なぎさ:プリキュアっていったって、ただの中学生だよ
なぎさ:自分でどうすることもできないときには、だれだってそうなるに決まってるじゃない
ハリー:…
なぎさ:わたしだって、わたしだって…

なぎさのミスリード。

はなのデジカメからミデンが現れる。

はな:バカだ、わたし…
はな:忘れちゃってたのは、わたしのほうだよ
はな:みんなと出会って、ちょっとずつ仲良くなって
はな:どんどん増えた思い出は、ずっとここにあるのに

はな:わたしは、ひとりなんかじゃないのに
はな:これしきのことで、心折れるとか
はな:なりたい、野乃はなじゃない!

はな:フレ!フレ!わたしー!!

なぎさと復活したほのかが戦っているのを見て。「忘れちゃってたのは、わたしのほうだよ」は、文字通りの意味でこの映画のカギになります。

エール:ごめんね、アンジュ、エトワール、マシェリ、アムール
エール:本当につらいのは、みんなのほうなのに

ここの「つらい」は、友だちがいなくなったこと。エールは自分を投影している。

エール:わたし、もう負けない
エール:あなたにも、自分にも!

エール:キラキラ大切な思い出が、みんなが、わたしを支えてくれてる
エール:だから、なにがあっても踏ん張れる 踏ん張ってみせる

ブラック、ホワイトとチームプレイ中。あとでここを回想する。

エール:違うよ!
エール:わたしたちの記憶、わたしたちの思い出だよ!
エール:もともと持ってない思い出なんて、絶対あなたのものにはならないんだから!
ミデン:ボクは…ボクだって…
ミデン:ワタシ、堪忍袋の緒が切れましたーっ!!

ミデンが「ワタシ」というのはプリキュアの記憶のせいで、本当は男の子だったとわかる。

ミデンがはなのデジカメを壊し、街の人の記憶を奪い始める。地下から巨大なお城が現れる。
お城のなかでミデンとの戦闘が始まる。エールはミデンに壊されたデジカメを拾い上げる。

エトワール:ってかミデンのやつ、いったいなに考えてるんだろう
エトワール:わたしてっきり、プリキュアの力を奪って強くなって、なにか悪いことしようとしてるのかなって
エトワール:でも、いきなりこんなお城に引きこもっちゃうし
アンジュ:たしかに、なんのために記憶を奪っているのかな

エール:あのね、実はちょっと気になってることがあって
エール:さっき、ミデンがこれを壊した時
回想:エール:もともと持ってない思い出なんて、絶対あなたのものにはならないんだから!
回想:ミデン:ボクは…ボクだって…
エール:うまく言えないけど、なんだか、ちょっと悲しそうに見えた

アンジュ:そういえば、ミデンに記憶を奪われていたあいだね
アンジュ:わたしたちの記憶は、ミデンの中にあったの
エール:ミデンの中?
アンジュ:ほかのたくさんのプリキュアたちと、思い出が混じり合ったような感覚で
アンジュ:表はこの場所みたいにきらびやかなのに、ミデンの中は真っ暗だった
エール:真っ暗…

お城の中に入ってすぐ。太字は最後に使う。

はぐたんとハリーが保育園に落ちて来る。

お墓みたいなところに生きてるプリキュアが落ちて来る。カメラが落ちている。

エール:なんだろう、これ
ブラック:それってカメラ?
ホワイト:ずいぶん古いもののようだけど
アンジュ:あ…こ、これは?!
アンジュ:幻のミデンF、マークII!
(一同:ええっ?)
エール:ミ…ミデンって…
アンジュ:このカメラの名前!
アンジュ:最近発表されたミデルタD9の元祖ともいえるフィルムカメラなの
アンジュ:発表後すぐにメーカーが倒産してしまい、市場に出回ったのはごくわずかで
(アンジュの解説が続く)
ブラック:くわしい…ね
エトワール:あの子、ちょっといろいろ詳しめなんで
エール:ミデンF…ミデン!
エール:あのテルテル坊主と同じ名前ってことは
ミデン:見たな…

アンジュはカメラのことには詳しいのに、ミデンのことを知っている人はだれもいない、という演出。

ミデンがミデンFマークIIから飛び出す。

エール:ミデン!
ホワイト:いったいこのカメラはなんなの?
ブラック:このさびしい部屋はなに?
ミデン:くっ…
ミデン:黙れ黙れーーっ!
(ミデンひと暴れ)
ミデン:ボクは…ボクは好きでこんなところにいたわけじゃない!
ミデン:暗い箱に閉じ込められたまま、何十年!
ミデン:だれにも使われずたったひとりでただただ朽ち果ててゆく
ミデン:そんな孤独がお前たちにわかるか!

ミデンは本当のことは言わ(え)ない。

アンジュがミデンFマークIIの蓋を開ける。

アンジュ:なにもない…
エトワール:つまり、ミデンは使われなかったカメラのおばけ
アンジュ:だからわたしたちの記憶を奪っていたのね
アンジュ:本来このレンズに写すはずだった、楽しい思い出を
ミデン:空っぽのまま一生を終えたボクの絶望、お前たちにわかるまい!

アンジュがミスリードしている。ミデンが記憶を奪うのには別の理由がある。

エール:空っぽ…
回想:エール:キラキラ大切な思い出が、みんなが、わたしを支えてくれてる
回想:エール:だから、なにがあっても踏ん張れる 踏ん張ってみせる
エール:思い出がなにもないってこと…?
回想:エール:もともと持ってない思い出なんて、絶対あなたのものにはならないんだから!
(エールが壊れたデジカメを手にする)
エール:だから…あの時…

いじめられっ子だったエールだけが敏感だった。

ミデン:ワタシはこれからだれよりもしあわせになる、世界中のキラキラな記憶すべてを、ワタシのものにしてやる!
アムール:自分勝手な理由で、他者の大切なものを奪うことは許されません!
マシェリ:だいたい人のもの横取りしても、しあわせになんてなれないのです!
アンジュ:あなたのやっていることは、不幸になる人を増やすだけ!
ホワイト:ミデン、お願い!みんなの記憶を返して!
ミデン:うるさい…
ミデン:うるさい、うるさーーい!

プリキュアの正論。なんかイヤな感じにしてある。

ミデンと戦闘。

(エールのまわりをぐるっとカメラが回る)
エール:思い出がないって…
エール:楽しいこと、うれしいこと、ひとつもないってこと?
エール:生まれてから今まで、さびしいとか、くるしいとか、そんな気持ちでいっぱいだったってこと?
(はなが泣き出した時の回想の映像)
エール:あんな辛い気持ちだけが、ずうっと続いているってこと?
エール:ううん、あの時だって、わたしにはハリーもはぐたんも、なぎささんもいた
エール:家に帰れば、パパもママもことりもいる
エール:学校行けば、友だちもたくさん…
エール:なにもないって、どんな気持ち…

エールのまわりを回るカメラアングルは、ミデンと頭をごっつんこするときも使われる。

エールがブラックとホワイトの攻撃を止め、反撃されふたりはちっちゃくなる。
エールが吹っ飛ばされてステンドグラスを割る。向こう側には保育園があった。

手に入れたばかりのプリキュア・マーブル・スクリューを撃つミデンと、それを見るエール。

ミデン:そんな目で、ボクを見るなあーーっ!

ミデンが覆いかぶさり、エールがミデンの中に入る。中は真っ暗。

エール:…ここは…
エール:うん…そっか
エール:ここがミデンの心の中…
エール:ほんとになにもない…
エール:なにもないから、踏ん張れなかったんだ
(エールが落ちていく)
エール:ひとりで、落ちていくしかなかったんだね…

「踏ん張れなかった」は前に出た。

なにかに気づいたはぐたんが透明な壁(こちらが見れば画面)を叩く。

はぐたん:フレフレ、あゆよー!

応援しろとハリーが観客に言う。ミラクルライトを振ってプリキュア全員が復活する。

ミデン:あううっ…胸が苦しい…
ミデン:これは…
(エールが落ちそうになっているが、なにかにつかまっている)
エール:まだ…でていくもんか…
ミデン:ああーっ、お前、ワタシの中でなにをしている…
エール:いまわたしが出てったら、あなたがまたひとりになっちゃう!

エールは、ふたりで話して、それから出て行くつもり。

ミデン:ええい、やめろ!ワタシの中で暴れるな!
ミデン:お前と話すことなどない!出ていけーーっ!
エール:いや!わたしは話したいの!
エール:ちゃんと話してくれるまで、出て行かないから!
ミデン:お前たちは、記憶さえよこせばいいのだ!
ミデン:ワタシの中を、勝手にかき乱すなーーっ!

話がしたいエールはとても暴力的だ。

ちびミデンとプリキュアが戦っている。こちらも暴力的で、冒頭の「ほしいものがあるなら、襲ってきたりしないで、ちゃんとことばで言ってよね」とちぐはぐ。

ミデン:もっと…もっとたくさんのまぶしい記憶を!
ミデン:心を満たせばお前など!
エール:やめなよミデン!どんなに記憶を奪っても、あなたは満たされないよ!
ミデン:うるさい…うるさいうるさーーい!

ミデンはエールを忘れるために記憶を奪っていた模様。

お城にひびが入った。

ルミナス:見てください!
ブラック:ひびが入ってる!なんで?
ホワイト:ミデンの分身を倒したから、そのぶんミデンも弱ったのかも
ブラック:ああっ、ってことは
ブラック:がんばれエール、最後の一押しは、あなたにかかってるよ

闇にひびが入り、光が差している。

ミデン:あっ
(エールが光に飛び込む)
ミデン:やめろ!
エール:ごめん!でも!
ミデン:見るなーーーーっ!!

はなの家をのぞいていたのがバレるので。

中の部屋には冷たい雨が降っている。下は水面になっていて、はなと家族が大きく映っている。はなの妹も大きく映っており、読解の糸口になっている。

エール:あなたが、本当のミデン?

エール:雨…
エール:冷たくて、悲しい雨
エール:なんだか、あなたの涙みたい
ミデン:ずっとこうなんだ
エール:ずっと?
ミデン:ボクは、これしか知らない

「これしか知らない」の「これ」は、のぞいていたはな家のこと。ミデンははながピクニックのために作ったテルテル坊主だが、はなはすっかりそのことを忘れている。「忘れちゃってたのは、わたしのほうだよ」というセリフがあるが、文字通りのことを文脈が違うところに埋め込むのはよくある技巧です。ミデンはピクニックに連れて行ってくれようとしたはなに恋している。女は罪作り。

エール:そっか
エール:ミデンは偉いね
エール:ずっとこんなじゃ、冷たくて、凍えて動けなくなっても仕方ないのに
エール:自分でなにかを変えようとした、でしょ?
ミデン:でも…なにも変わらなかった
ミデン:君も言ったじゃないか
ミデン:結局ボクは満たされないって

ミデンの中にははなしかないから、他の思い出を奪えばはなのことで苦しまなくてすむかと思っていた。エールはいじめられっ子だったからミデンとは似た者同士だが、転校でいじめを脱出することができた。

(エールがミデンの後ろから手を回す)
エール:それは違うよ
エール:だれかから奪った思い出じゃ満たされない、そう言ったんだよ
ミデン:おなじだよ…
(エールがミデンと正面を向く)
エール:違うよ…全然違う
エール:人から奪うんじゃない、ミデン自身が、自分で経験した記憶を積み上げていこう
エール:それが、本当の思い出になるから
ミデン:ボクの…本当の思い出…
エール:そう、わたしたちと一緒に!

エールとミデンで考えていることが違う。ミデンはすっかりいじけており、いまさら優しくされても…と思っている。

(エールがミデンと額をごっつんこする)
エール:美味しいもの食べたり、買い物行ったり、はぐたんのお世話したり
エール:ピクニック行ったり
エール:泣いたり、笑ったり、怒ったり、驚いたり
エール:キラッキラのまぶしい思い出、今からたっくさん作ろ!
ミデン:今から…
エール:うん!

エールをぐるっと回るカメラアングルは「思い出がないって…」の時とおなじ。ミデンはカメラのおばけだから、成仏させたら消えてしまう。エールはそのことを知っていたからことばは空手形でしかなく、かなり傷ついているはず。この映画ではピクニックは特別な意味がある。

(ミデンがエールから体を離す)
(ミデンがうなだれてエールの胸に頭をつけて泣く)
ミデン:ボクは、もう、憎しみの塊なのに
(エールがミデンを抱きしめる)
エール:だいじょうぶ、未来は今から変えられるもん
エール:なんでもできる、なんでもなれる
エール:フレ、フレ、ミデン

ミデンがたんに使われずに壊れたカメラであれば、憎む対象がいないから「憎しみの塊」になるのはおかしいので、読解の糸口になっている。エールのことばは無力だから、体でミデンを温めることしかできなかった。ミデンは恋するエールが抱きしめてくれたので、恨みなど吹っ飛びました。これだから男は…

部屋の壁が崩れて、外は明るい。

エトワール:エール?
エール:みんな!
ブラック:あーあ、無理しちゃって。ホント、ありえない
エール:ブラック?
エトワール;でも、いい感じに話せたんでしょ?
エール;うん

エールにとってはグサッとくるエトワールの一言。なにげないセリフがあるべきところにあることが、この読解が正しいことの証明になっている。

エール:奪われた記憶を取り戻すため
エール:そして、ミデンが前に進むために
エール:みんな、力を貸して!
(ミラクルライトが現れる)
全員:プリキュア!レリーズ・シャイニング・メモリー!

エール:だからミデン、今日はあなたと出会ったことも、いろいろあったつらいことも
エール:きっと、また思い出になる
エール:未来でわたしたちに勇気をくれる
エール:そうを教えてくれたのはミデン、あなただよ
エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから
エール:そう信じられる
エール:ありがとう、ミデン
ミデン:ありがとう
(ミデンが消える)
エール:約束するよ、ミデン
エール:これとおなじくらい、ううん、もっともっとたくさんの思い出を
エール:一緒に作ろうね!
(エールが涙をこぼして手でぬぐう)

「ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから」はアンジュの「ほかのたくさんのプリキュアたちと、思い出が混じり合ったような感覚で」のこと。エールはいじめられっ子だったから、他のプリキュアが自分のことを嫌っていないことを確認できて安心したのです。ミデンが恨んでいたのははなに忘れられたからだが、そんなことは知らないエールは孤独にいる人ならだれでも、自分が傷ついてまでも抱きしめて慰める子なのです。これが「HUGっとプリキュア」というタイトルの意味です。

(さあやがはなにカメラを渡す)
さあや:はい、はな
はな:うわー、ぴっかぴか!
はぐたん:はぎゅう!
さあや:フィルムも入れておいたから
えみる:もう、はな先輩!
えみる:はやく行かないと、みなさん待ちくたびれてしまうのです!
はな:そうだね!

わざわざさあやに「フィルム」と言わせているということは、デジカメよりフィルムカメラがいいというメッセージでもある。はなのデジカメは壊れたままだし。

プリキュア一同がピクニックしている。

はな:じゃあ、行くよ、ミデン!
はな:みんなー!はい、チーズ!
(はなが写真を撮りまくる)
はな:ふふふっ
なぎさ:どう?思い出たくさん撮れた?
はな:まだまだ、これからもっともっともーっと
はな:パンクするくらい撮りまくっちゃうもんね
はな:キミの未来は、明るいぞーーっ!

はながピクニックで写真を撮りまくるのはオープニング前とおなじ。

(終)

エールはミデンの中には暴力的に侵入した。中に入ればことばは無力で、エールが傷ついたのだからなんらかの暴力があったとしかいえない。この映画は暴力を描くことに終始していた。小型ミデンとオールスターズが戦う場面は主題歌メドレーをBGMに技や「エールの思いが届きますように」といったセリフが満載の山場だが、ミデンを弱らせるためでしかない。ことばが役に立たないケース、暴力に頼らざるをえないケースが存在するといっているようだ。エールが傷ついたのは元をただせば自分がミデンのことを忘れたからだから、他人を忘れることは暴力的だということだろう。ミデンの苦しみはいかがなものかというと、男子はみんな知っていると思うが、〇ビは美少女♡だから、ホラ。
いじめられっ子だったエールは他人を信じられなかったことがさりげなく描かれている。実際はお姫様みたいにかばわれているが。こういうところに気がつくとますます好きになる。でもこれもことばによるものではなく、ミデンの中での直接的な交流によるものだった。いじめも暴力だから、似た者同士のエールとミデンはお互いに慰め合ったことになる。この映画が描くのは、暴力で受けた傷にはことばは無力で、相手の傷を癒すには、抱きしめて自分が傷つくしかないということでした。
この映画はミデンの中の保育園以外にも、幼児化したアムールや緞帳など、想像的なものと現実的なものの両方が描かれている。子守りのしんどさはフィクションだと思わないでほしい、プリキュアを応援するのと同じくらい、子供のことを考えてほしいという演出になっているようだ。

この映画には太字で書いたところなど読解の手がかりがいくつかありますが、慣れてくると微妙な違和感を感じられます。それでもセリフの書き起こしをしないとスルーしがちです。
プリキュアと死、暴力、恋は切っても切れない関係にあります。もっともまともな文学作品なら全部そうですが。表面からは追放したのでこういう難しいところにいきました。ヒーリングっどプリキュアは、だれかから暴力で傷つけられるのではなく、理不尽なことで傷つく話です。

typodupeerror

目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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