ChaldeaGeckoの日記: 映画「HUGっとプリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」解説 簡略版
HUGキュア映画でわかりにくいのは、ミデンに心の中に侵入するのが暴力的だということと、エールは友だちのことばを信じられなくなっていたということ。後者はテレビシリーズで描かれているが、はなはかつて友だちに裏切られていじめられていた。ミデンはいじめられたのではく忘れられたのでもっとひどい。
ミデン:ええい、やめろ!ワタシの中で暴れるな!
ミデン:お前と話すことなどない!出ていけーーっ!
エール:いや!わたしは話したいの!
エール:ちゃんと話してくれるまで、出て行かないから!
ミデン:お前たちは、記憶さえよこせばいいのだ!
ミデン:ワタシの中を、勝手にかき乱すなーーっ!
引きこもり経験がある人にはよくわかるはず。たいていは入ってくる側の自己満足だということも。
エール:あなたが、本当のミデン?
エール:雨…
エール:冷たくて、悲しい雨
エール:なんだか、あなたの涙みたい
ミデン:ずっとこうなんだ
エール:ずっと?
ミデン:ボクは、これしか知らない
エールはここで、ミデンが自分と似ていることに気づいた。
ミデン:あなたが、本当のエール?
ミデン:雨…
ミデン:冷たくて、悲しい雨
ミデン:なんだか、あなたの涙みたい
エール:ずっとこうなんだ
ミデン:ずっと?
エール:ボクは、これしか知らない
こうやって人物を入れ替えるとよくわかる。これはデタラメにやっているのではなく、他人の気持ちを理解しましょうという一般論が元の作劇術の一つ(を逆にしたもの)で、また書く。
エトワール:エール?
エール:みんな!
ブラック:あーあ、無理しちゃって。ホント、ありえない
エール:ブラック?
エトワール;でも、いい感じに話せたんでしょ?
エール;うん
暴力的に入っておいて「いい感じに話せたんでしょ?」というエトワールは一般人の代表。
アンジュ:そういえば、ミデンに記憶を奪われていたあいだね
アンジュ:わたしたちの記憶は、ミデンの中にあったの
エール:ミデンの中?
アンジュ:ほかのたくさんのプリキュアたちと、思い出が混じり合ったような感覚で
アンジュ:表はこの場所みたいにきらびやかなのに、ミデンの中は真っ暗だった
エール:真っ暗…
アンジュの発言が浮いたまま。アニメでは「そういえば」のあとは大事なことを言う。映画では離れたところにあるが
エール:だからミデン、今日はあなたと出会ったことも、いろいろあったつらいことも
エール:きっと、また思い出になる
エール:未来でわたしたちに勇気をくれる
エール:そうを教えてくれたのはミデン、あなただよ
エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから
エール:そう信じられる
エールが「ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから」というのはアンジュの「思い出が混じり合ったような感覚で」のこと。エールはことばでは「そう信じられ」ず、記憶の混じり合いで直接知ってようやく信じることができた。エールは友だちに裏切られていじめの対象になったため、友だちをなかなか信じられないので、写真で思い出を撮ることで友情を確認していた。ただ、友だちのことばを信じられるようになったわけではない。そちらはたぶん最終回で描かれるはず。
エール:ミデンがみんなの思い出をつないでくれたから
エール:そう信じられる
このセリフに違和感を覚えた人でも、たぶんあまり考えずにスルーしたんじゃないかなあ。しかしプリキュアでもまどか☆マギカでも、こういうささいな違和感こそが作品理解の鍵になっているから、ちい友も決してスルーしないでほしいニャン。
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