ChaldeaGeckoの日記: 『宇宙戦艦ヤマト』と三島由紀夫
『宇宙戦艦ヤマト』の元ネタ?は三島由紀夫です。
ヤマトは戦後日本の象徴です。戦前日本は戦艦大和が象徴しており、それが大改造?されよみがえったのがヤマトです。
あれが戦艦大和だ。日本の男の船だ。忘れない様にようく見ておけ
というセリフがあります。漁師が息子に言ったものです。
ここで重要なのは「男の船」というところです。女も乗っているヤマトは、男の船ではありません。女を大事にしない戦後日本は「日本」ではないといいたいのです。
ガミラスはいかにもナチスドイツをイメージさせますが、単一の民族や国家の隠喩ではありません。
ガミラスのドメル将軍は正々堂々とした好敵手として描かれていますが、最後はヤマトに敗れ、
ガミラス星、ならびに偉大なる地球に、栄光あれ!
と言って、第三艦橋を道連れに自決します。
ドメル将軍は外見からして、三島由紀夫がモデルです。彼は敵ながらヤマト=日本を愛しており、戦後日本に挑んだのです。「偉大なる」が地球にだけついているのはそのためです。
『宇宙戦艦ヤマト』は女を取り合って戦う男の物語でもあります。ヤマトでは女が重要な位置にいます。サーシャ、スターシャ、森雪、および「地球」です。
スターシャを取り合うのが古代守とデスラー、森雪を取り合うのが古代進と他の乗組員、地球の未来を取り合うのがガミラス人と地球人です。放射能除去装置には三人の女が深く関係し、男は関係しません。
テレビ放映分では森雪以外の女性乗組員が描かれた回がありますが、これは設定の通知の不徹底によるものです。
ただし、第10話では雪以外の女性乗組員の姿も確認される。プロデューサーの西崎は、元々ヤマトの女性乗組員は雪一人と考えていたが、現場との情報伝達が不十分のため作画されてしまったと語っている。
『宇宙戦艦ヤマト』は、宇宙規模のファム・ファタールの物語でもあるのです。運命の女「地球」が男「ガミラス人」「地球人」を戦わせ、勝者に自らを与えるというわけです。その戦いに立つのがヤマト=戦後日本なのです。女を守る戦いは男のしあわせだが、女を取り合う戦いは苦しい。結果、古代進のセリフ
俺達は、小さいときから人と争って、勝つことを教えられて育ってきた。……学校に入るときも、社会に出てからも人と競争し、勝つことを要求される。しかし、勝つ者がいれば負ける者もいるんだ。負けた者はどうなる?負けた者は幸せになる権利はないというのか。今日まで俺はそれを考えたことはなかった。俺は悲しい、それが悔しい!……ガミラスの人々は地球に移住したがっていた。この星はいずれにしろお終いだったんだ。地球の人も、ガミラスの人も、幸せに生きたいという気持ちに変わりはない。なのに、我々は戦ってしまった。……我々がしなければならなかったのは、戦うことじゃない。…愛し合うことだった。勝利か。……糞でも喰らえ!
になるわけです。戦前日本の反省であるとともに、戦後日本への批判になっています。波動砲が核兵器の隠喩であることを思えば、『宇宙戦艦ヤマト』は戦後日本の核武装とふたたびの戦争を描いたものであることは疑いようがありません。いくら防衛戦争だといっても、核など持っていれば結果はおなじなのです。
古代という姓は、そのままの「古代」という意味と、「誇大」というダジャレの掛けことばになっています。名前も「守」「進」と、戦前戦後の隠喩になっています。古代守にはこんなセリフもあります。
男だったら、戦って戦って戦い抜いて、一つでも多くの敵をやっつけて、死ぬべきじゃないんですか!
戦前日本にもきちんと批判的です。
ヤマトに乗っている女性は、エロい制服に身を包んだ美人の森雪が一人だけです。男性乗組員が性欲のやり場に困らないはずがありません。しかもアナライザーがやたらと森雪の尻を触る。ロボットが触ってなんで俺らが触れないんだ、というところです。「男の戦い」と言っても、一皮剥けばこうなのです。そこから目をそらすなというのが西崎氏のメッセージです。
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