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日記

ChaldeaGeckoの日記: いろいろ

日記 by ChaldeaGecko

人間がthe otherとegoの想像的同一性を求めるのは、効率の面から簡単に説明できるワン。相手の行動を知りたいときに、相手の中に自分がいるという知識が、効率を大きく改善するワン。ラカンはdesireを「相手に知って(分節して)ほしい気持ち」とし、その根源であるdrive欲動を「おかあさんがほしい」としたが、おかあさんは自分の気持ちを察してくれるし、なにもかもやってくれるから、自分の脳はラクできるワン。実体としてのdesireやdriveは存在しなくていいワン。そもそもことばも表象をラクにあつかえるように発明されたものだワン。他人との協調は進化論的にハードコードされてるワン。
情報処理的に効率化を図ろうとする脳のはたらき、パターンマッチが、ごくうっすらと「~したいなあ」という形で意識されるワン。

犬っちの立場は随伴説に近いが、再帰システムである人間はそもそも心的状態を把握できないという立場だワン。赤い色を見ているときに脳内に赤さのシニフィエがあらわれているが、見ている自分がいてはじめて心的状態になるワン。修辞的に「赤さ」だけを切り出すことはできても、細部に分割して調べ、再構成する科学の対象にはならないワン。

メアリーはずっと白黒の部屋にいたから

つまりメアリーは生まれてこのかた 色というものを一度も見たことがない。

色を見た経験がないワン。

メアリーは視覚に関する物理的事実をすべて知っている。

パーフェクトな知識はあっても、経験は感覚に紐づいているため、知識が経験そのものになることは決してないワン。

さて、彼女がこの白黒の部屋から解放されたらいったいどうなるだろうか。
生まれて初めて色を見たメアリーは
何か新しいことを学ぶだろうか?
仮にメアリーが何か新しい事を知るとしたら、定義よりそれは物理的な事実ではない。
その場合 唯物論(物理主義)は偽である。

メアリーは経験によってのみ知ることができるものを知るワン。クオリアの出る幕はないワン。

心の理論

誤信念課題
哲学者ダニエル・デネットは子供が「心の理論」を持つと言えるためには、他者がその知識に基づいて真であったり、偽であったりする志向や信念をもつことを理解する能力、すなわち誤信念を理解することが必要であると示唆した。これに基づきハインツ・ヴィマーとジョゼフ・パーナーは心の理論の有無を調べるための課題を提案した。これを誤信念課題(False-belief task)という。この課題を解くためには、前述したように他人が自分とは違う誤った信念(誤信念)を持つことを理解できなければならない。主な課題としては、以下の3つがある。

マクシ課題[2]
マクシは、母親が買い物袋をあける手伝いをしている。
彼らはチョコレートを<緑の棚>に入れる。
マクシが遊びに行った後、母親はチョコレートを取り出して、今度は<青の棚>に戻す。
母親が卵を買うために出て行ったあと、マクシが遊び場から戻ってくる。
上記の場面を被験者に示し、「マクシはチョコレートがどこにあると思っているか?」と質問する。正解は「緑の棚」だが、心の理論の発達が遅れている場合は「青の棚」と答える。

サリーとアン課題[3]
サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいる。
サリーはボールを、かごの中に入れて部屋を出て行く。
サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移す。
サリーが部屋に戻ってくる。
上記の場面を被験者に示し、「サリーはボールを取り出そうと、最初にどこを探すか?」と被験者に質問する。正解は「かごの中」だが、心の理論の発達が遅れている場合は、「箱」と答える。

スマーティ課題[4]
前もって被験者から見えない所で、お菓子の箱の中に鉛筆を入れておく。
お菓子の箱を被験者に見せ、何が入っているか質問する。
お菓子の箱を開けてみると、中には鉛筆が入っている。
お菓子の箱を閉じる。
被験者に「この箱をAさん(この場にいない人)に見せたら、何が入っていると言うと思うか?」と質問する。
正解は「お菓子」だが、心の理論の発達が遅れている場合は、「鉛筆」と答える。

多くの場合、4 - 5歳程度になると、誤信念課題に正解できるようになるが、心の理論の発達が遅れていると、他者が自分とは違う見解を持っていることを想像するのが難しいために、自分が知っている事実をそのまま答えてしまう。

心の理論の発達と自閉症
誤信念課題に対して、3 - 4歳児はそのほとんどが正しく答えられないが、4~7歳にかけて正解率が上昇するというデータが得られている。パーナーらは、その後の一連の研究結果から、「心の理論」の出現時期をおよそ4歳頃であると推測している。ただしこれには、幼児の論理的思考力の発達時期と一致しているだけなのではないかという批判も存在する[5]。また、健常児が4歳ごろから解決可能になる誤信念課題を自閉症児がなかなか通過できないことで知られている。この結果に基づき、自閉症の中核的障害が「心の理論」の欠如にあるという考え方が提案されている[3]。ただし、すべての自閉症児が誤信念課題に失敗するわけではなく,通過する自閉症児も一定の割合でいること、そしてこのような実験が言語による教示を解するいわゆる「高機能」の自閉症児に対して行われてきたことなど、「心の理論欠如仮説」に反する証拠も存在する。

心の理論はあきらかにことば的なものであり、高機能自閉症は、自閉症スペクトラムでは言語発達が遅れているので、「心の理論」の出現が遅れることとよく付合するワン。

シミュレーション説では、他者理解は理論的操作(=理論説)ではなく、自分を相手の立場において模倣する、つまりシミュレートすることで他者理解を行っていると考える。他者の行動と自らの行動、その両方に反応するミラーニューロンの発見はシミュレーション説に強力な生物学的な根拠を与えるものと受け止められている。

犬っちの見解は、分節された相手the subjectと自分egoを帰納により想像的に一致させるのがシミュレーションだワン。相手が分節されているからことばの範囲内だが、相手と自分を一致させるのだから難しめのタスクだワン。これによりどう効率化するかというと、なにより相手の行動を考えるのがずっとラクになるワン。

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