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日記

ChaldeaGeckoの日記: 分離のよさは応答特性で決まるのです

日記 by ChaldeaGecko

「別々の楽器の音が別々に聞こえる」というseparationは、基本的に機器の応答特性で決まります。楽器の分離は高レベルの認知能力によるものですが、別々の楽器の音によけいな音が加わるからいっしょくたに聞こえます。そのよけいな音というのは応答性がつけ加えたものです。「I I」では「I」という「字」が二つに見えるけど、「-」という残像が入った「I-I」だと「H」という「字」に見えるようなものです。ただし、インパルス応答などを見てすぐ判断できるかどうかはわかりません。

昔の日本人が「解像度」ということばをどういう意味で使っていたにしろ、ハイレゾということばが広く知られるようになり、日本人もこれが高解像度だという意味だと知りました。オーディオマニアには自分の意見を曲げない人が多いのですが(だからオカルトが跋扈するんだけど)、「解像度」ということばの使い方は改まってきています。もっとも「解像感」という意味不明なことばはまだありますが。

ハイファイ(原音忠実性)という点では、現代では真空管より半導体のほうが有利です。現代の真空管アンプは個性あるローファイを楽しむものです(といってもハイファイかと信じそうになる美しい音ですが)。あるいは、あえて真空管でハイファイを追求する困難の楽しみです。
犬っちの意見では、「ハイファイだと信じさせられそうになるローファイ」が音楽をいちばん美しく聴かせます。隠喩的なリアリティを感じるからですね。ハイファイの追及も原音そのものになることはないのだから似たようなものですが。

オーディオは科学です。しかもかなり難しい。だから科学を学んだ上で判断するか、さもなくば自分では判断しないのが吉です。しかし、オーディオの官能性を支配する最大要因は心理だから、「自分で判断した」というだけで音がよく聞こえるものです。人間、自分が肯定されたときほど快感を得ることはありません(ドーパミンによるので慣れてしまい、長続きしません。偽ハイファイのリアリティはセロトニンです)。オカルトオーディオはそこにつけこみます。念のためにつけ加えておくと、反オカルトというだけではオカルトとおなじ穴のムジナになりかねません。

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