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日記

EarOwlの日記: 進捗管理の限界 2

日記 by EarOwl

はじめに…以下の内容は、もしかすると私が知らないだけで、進捗管理の手法を研究・実践している人たちには当然のことかもしれない。あるいは、的外れな内容であったり、さらに良い進捗管理の手法が既にあったりするかも知れない。もしそうであるなら、是非コメントにてご指摘いただきたい。

進捗管理と言うと多くの場合、作業した内容やパーセンテージ・日数ベースでの進捗を、各作業の担当者から定期的に報告させ、それらを集計するという方法が取られていると思われるが、この方法には限界があると思われてならない。

まず、実作業の担当者は、遅延があるという報告をすればその責任を取らされるのではないかという不安から、特に回復可能なうちは遅延があるということを隠したり、実際よりも影響が軽微であるかのように報告したがる傾向がある。その結果、遅延が回復不能なほど深刻になってから発覚するといったことが起こる。

また、遅延が深刻になってくると、より厳密に進捗を管理しようとし、報告する内容を詳細にすることを求めたり、報告内容に虚偽・相違が無いかチェックをしたりするようになるが、各作業の担当者にとっては報告・対応のための負担が増え、却って本来行うべき作業を圧迫するという状況に陥ってしまうといったことがある。

では、報告ベースの管理に代わる、より適切な進捗管理方法はないのだろうか…ということで私が考えているのは、成果物ベースでの管理である。

特に大規模なプロジェクトであれば、全体としての完成に至るまでの間に、途中途中でモジュールとして完成させるべきものがある。それらを全体のスケジュールの中でのチェックポイントとして、成果物をチェックする。

ここで、途中途中のモジュールを成果物とするということは、単に全体を分割するということでなく、分割した個々のモジュールが単独で一定の機能を有し、その機能が明確になっているということを意味する。 (さらに、ドキュメントやテストツールなども、必要なものは内容・機能を明確にし、モジュールとしてスケジュールに組み込む。)

作業の担当者は成果物がそのまま進捗の報告になるので、別途報告のための作業をする必要なく、本来行うべき作業に集中できる。また、進捗を管理する側でも、自己申告の報告によらず、より正確に進捗を把握できる。

また、個々のモジュールが明確になるので、進捗状況や品質等に問題があった場合も、原因や対策すべき範囲が把握しやすくなり、全体への影響を抑えることが出来る。

ただし、これを実行するためには、進捗を管理する側でも、どのようなモジュールを組み合わせて製品を実現するのか、逆に言うと全体としての製品がどのような個々のモジュールに分割でき、それらがどのような依存関係にあるのかを理解している必要がある。

しかしながら、日本の技術系の企業はこういったことが極端に苦手であるように思われる。進捗管理を行っても問題が発生してしまうのは、作業担当者の側に問題があるというだけではなく、進捗を管理する側でも実際のところ、いつまでに何が出来ていれば良いのかをちゃんと把握できていないというところに問題があるのではないだろうか。

デスマーチなどネガティブなイメージで語られ、実際にそういったことの多いIT業界であるが、それらを解消しようとする様々なアイディアの中で、この提案もその一助となって欲しいと願っている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2012年09月30日 7時51分 (#2241468)

    プロジェクトを遂行するために作成する「必要」のある文書という括りがあったとして、実際のプロジェクトでどれだけの「有効な(つまり、ちゃんと第三者が読んで理解できる品質の内容を持つ)」文書が作成されるのかを統計調査したら、多分、「必要」の半分以下の量にとどまるような印象があります。それで「必要」な文書量の未満で遂行されたプロジェクトはどうして遂行できたのか、つまり、外見上は完了しているけど、見えないところがすっぽり抜け落ちている(でも誰もチェックしないので発覚しない)の抜けている部分に関して何が抜けているのかの注意が巧妙に隠されている(つまり、みんなの注意が向かないように操作されている)ような気がしてならない。
    もちろん、「必要」とされる文書量というのは西洋文明の中で培われた伝統意識で「必要」とされるだけで、アジア人にはカンケーねー、と断言することもできるけど、それでいいのか文明開化と言いたくなる。

  • by Anonymous Coward on 2012年09月30日 12時08分 (#2241509)

    進捗管理にせよ、成果物による管理にせよ、日本が苦手とすることではないです。
    現に家電、自動車、工業設備等、広い分野で日本の管理技術が優れていて、世界中で真似してきました。

    ソフトウェアの分野に限って言えば、日本が苦手というのはそうでしょうね。
    これは日本人が管理が苦手という訳じゃなく、日本のソフトウェアの業界に何か問題があるんだろうと思います。

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