KAMUIの日記: 日本文学研究者のドナルド・キーン氏死去。 6
日記 by
KAMUI
日本文学と日本文化研究で知られたドナルド・キーン氏が2月24日に亡くなった。享年96。
漢字に興味を持っていた学生時代、偶然入手した英訳『源氏物語』に感動して日本語を学び日本を研究する道に入ったという氏は、日本についての数多くの本を書き、古典から近代文学まで広い日本文学と日本文化を海外にも伝えた。コロンビア大学の教授を務める一方で長らく東京都北区に居を構えていたが、東日本大震災を契機として2012年に日本国籍を取得し永住。著作には全18巻の『日本文学の歴史』のほか、伝記として『明治天皇』などがある。
漢字に興味を持っていた学生時代、偶然入手した英訳『源氏物語』に感動して日本語を学び日本を研究する道に入ったという氏は、日本についての数多くの本を書き、古典から近代文学まで広い日本文学と日本文化を海外にも伝えた。コロンビア大学の教授を務める一方で長らく東京都北区に居を構えていたが、東日本大震災を契機として2012年に日本国籍を取得し永住。著作には全18巻の『日本文学の歴史』のほか、伝記として『明治天皇』などがある。
ドナルド・キーン氏=ちょっと困った人、かな (スコア:1)
コメントが少ないネタなんで、少しばかり賑やかしを。
ドナルド・キーン氏というと、当方としては「大物過ぎて、ちょっと困った人」。
古浄瑠璃に関する東京新聞のコラム [tokyo-np.co.jp]で、
演劇性が高い近松作品の義太夫節が人気になると、古浄瑠璃は廃れ、台本も保管されなかったようだ
とかやらかしてくれて、これを真に受けてWikipediaにそのまま転載するお調子者が現れる始末。
浄瑠璃というのは、市井の人が自ら「謡う」ため、その台本(「正本」と呼びます)が活字本として広く販売された事実がある。そのため、歌舞伎なんかと違って、非常に多くの正本が現存している(古浄瑠璃だけでも数十巻の全集になるぐらい)。ただ、すべての正本が保存されているわけではなく、コラムのように散逸したと思われていた演目もある。
キーン氏には江戸期の演芸に関する著作もあるため、こうした事情を知っていた可能性はあるのに、なんであのコラムの記述になるのか、皆目わからん。
Re:ドナルド・キーン氏=ちょっと困った人、かな (スコア:1)
> 浄瑠璃というのは、市井の人が自ら「謡う」ため、その台本(「正本」と呼びます)が活字本として広く販売された事実がある。
江戸時代なら、活字じゃなく木版が多いんじゃないかと思うけど、
活字本がメインだったの?
Re: (スコア:0)
それは単なる日本語の書き方の問題では?
あなたが読み取ったのはおそらく「台本も保管されなかったようだ」という一文が意味するのは
古浄瑠璃全般の台本が、という文意なのでしょうか、
コラム冒頭「三百年以上も前に書かれた(弘知法印)御伝記の台本は日本には残っておらず、同図書館に一冊あるだけ」
を受けての
「台本も保管されなかったようだ」
という繋がりと考えれば、すなわち弘知法印御伝記の台本のことを指すと思われ、
であれば
「近松作品の義太夫節が人気になると、古浄瑠璃は廃れた」という話と
「その結果、御伝記の台本も保管されなかった」という話になり
何も間違ってなどないのでは。
御本人の書き方か、あるいは東京新聞の記者のまとめ方の問題かは知らないですが
この曖昧さは主語を省略しやすい日本語という言語の問題にも思えますね
Re: (スコア:0)
オペラ好きだけど、リヒャルト・シュトラウスは評価しない、みたいなのもあったような
Re: (スコア:0)
キーンさんはイタリアオペラ一押しなので...。
アーサー・ウェイリー (スコア:0)
96歳で亡くなった方が学生時代偶然読んだ英訳「源氏物語」って、誰が訳したんだろう。
と思ったら、これ [wikipedia.org]かな。
> 1921年~1933年に6巻に分けて出版された『The Tale of Genji』(『源氏物語』)の翻訳者として知られる。
ということで、時期的にも十分条件を満たしている。