Lcsの日記: 軌道修正 4
時々日記に書いていた某業務用機の不具合の件は、ユーザー側の
理解不足が思ったより深刻で症状は体感していても理屈でこうだから
こうなるのだ、という説明がどうも理解して貰えないらしい。
で、私が危惧しているのはこういった仕様をゆるすと現在のコスト
至上主義みたいな状況では他社が追随して今後まっとうな仕様の
機種が出てこない可能性があるので、それを阻止するためには現場から
おおいにクレームをメーカーにあげて欲しいのだが、それがどうも
困難な模様だ。さてどうするか。
今まではこの原因を理由に制作側が料金の値引き/支払い拒否を
するんじゃないかと危惧して機種名を出さずにきたのだが、そろそろ
公開する時期なのかもしれない。まぁわたしゃ悪者になって刺されても
しょうがないけどね。流石にそこまで追いつめられたら馬鹿でも
腰を上げるだろう。
以下は何が起こっているかの説明。
デジタルオーディオ関連の話なのだけども、業務用のデファクト
スタンダードになった多チャンネルDACの出力に大量の量子化ノイズが
漏れてきている。最大100mVp-pといえば驚く人もいるかな?
メーカーにクレームを出して改善要求を求めたわけだが、メーカーは
「これは仕様であり問題ない」という。
その仕様というのはDACチップ後のアナログフィルターが、カットオフ
300khz/24dboctというちょっと常識では考えられない値に固定
されていて、44.1~192kのサンプリングレートに対応するDACの
全ての周波数をその1種類のフィルターでまかなっている事による。
故にサンプリング周波数が低くなるほどDACチップ内のデジタル
フィルターで可聴帯域外に寄せられたノイズがすり抜けて来るわけだ。
で、実際の利用状況ではどうなるか、というと真っ先に問題になるのは
後ろに繋がる機器の混変調歪み。次ぎにDACからの出力をアナログで
mixしたときにミキサーのサミングアンプが信号よりもノイズで
飽和して歪んでしまうこと。(最近のミキサーって300kとか通る
んだよねぇ・・)さらには状況によってはスピーカーのツイーターに
過大入力が加わって破損もありえる。
というわけでいくつかの対応の選択肢の中から外付けのローパス
フィルターを作ることを選択。ちょとスケジュールの都合で遅れて
いるが、まぁ今月中にはできるだろう。
雑誌が技術的な記事を載せなくなったのもあれだがこういった
デジタルオーディオの基礎に関する書籍も改訂されないままに
廃刊になっていくので状況は悪くなるばかりだ。
ttはんぐらいかな、反応がありそうなのは。
絶句 (スコア:1)
いやそらまあそういう仕様もあるかも知んないけどちょっと勘弁してくださいていうかなんというか・・・ローパスフィルタの次数とかカットオフ周波数とかの選び方は耳と財布も関係する、理論だけでは説明できないノウハウだけど、fsにかかわらず全部同じって・・・
-- Takehiro TOMINAGA // may the source be with you!
Re:絶句 (スコア:1)
デジタルオーディオの基礎が判っている人は例外なく絶句します。
が、最近の若いエンジニア諸氏には理解できないらしく、外野からは
祭りになるかな、といわれながら全く盛り上がりません(笑)
日本からは我々のグループが最初にクレームをつけて、同時期に
ヨーロッパからもクレームがいったみたいで、本国のアメリカの
状況は判りません。
コンシューマー機器だったらまだごまかしようもあるのですが、
プロ用だとセッション毎にDACの後ろに何繋がれるかわからんので
原因がわからずに現場で頭を抱えていた話は探っていくと割と
あるようです。
#最近みかける192k対応サウンドカードもおそらくは似たような
仕様じゃないかと邪推するこの頃。折角広帯域スペアナ買ったんだから
誰か測定用に貸してくんないかなー。
ま、これが業界をリードしている米国D社の製品の実体だったり
するわけです。簡易に測定結果をまとめてあるので興味があったら
お見せします。
#にしても外付けローパスフィルターの設計はトレードオフの塊で
難儀しましたわ。
--- Lcs(http://lcs.myminicity.com/ [myminicity.com])
確かに論外ですねぇ (スコア:1)
#敵が 192KHz クラスだと、まずパッシブで軽く切ってから考えるな。次数とか、どういう伝達関数を選ぶかはどうせヒヤリングしながらのカットアンドトライ以外には無いわけだし、高速な (で、特性のどうしようもなく悪い) OP-AMP を持ってこないとこの周波数のフィルタは組めない。
ううぬ (スコア:1)
高域にノイズが押しやられている,というのは,おそらくノイズシェーパを使っているからであって,ホワイトノイズの単なる量子化雑音というのとはちょっと違うのかもしれません.
で,ノイズシェーパの次数が一緒なら,周波数特性はサンプリング周波数で正規化されるので,サンプリング周波数が下がれば,高域に押しやったノイズが下に降りてくる,というのも当たり前といえば当たり前.
というわけで,やはりそれは D/A コンバータユニット(?)の設計がアホだ,ということになりますな. ユニット自体は既に出来上がっているものだから,対策としてはやはり外付けで,サンプリング周波数を変える毎に外付け LPF を取り替える,ということしかできないような気もします.