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Maxの日記: 学校で教えるべきもの

日記 by Max

某所教委・学校関係者と議論。

校内ネットワークからアクセスした「誰か」が、特定の個人の
誹謗中傷を「どこかの掲示板」で行った「らしい」と連絡があり
ひと騒動になった。当該掲示板からは削除されたらしいが、
学校側からの要請は通信履歴の開示。問題の生徒を特定し説諭
指導するということらしい。しかも、その交渉があらかじめ
定められた連絡窓口や対応ルートからはずれた形で先方から強引に
行われた。

当然、こちらとしては開示拒否。
掲示板開設者からの被害申し出によるものでもなく、誹謗中傷
された当事者からの申し出でもない。犯罪などの捜査において
公安からの提出を求められた場合に履歴は提出する当然あるが、
当事者でないものからの申し出は受けられない。

「犯人探し」はできないし、教育的立場からもするべきではない。
今は明らかではないが、誰かが説諭されれば子供たち自身のネット
ワークからすぐに彼らの間に広まるだろう。それが新たな弱者問題
を引き起こす可能性があるからだ(実際にそういう事例に出くわした
経験がある)。過去に外部から警告を受けて、問題のあるクライ
アントからの接続を一時的に停止し調査したことはあるが、これは
当事者とその被害が明確であり、こちらとして対策を取るべき内容
と責任がはっきりしていたからだ。この場合、問題のあるクライア
ント自身も被害者であったのだが。

まして、その学校にはアクセスをリアルタイム監視するソフトが導入
されている。学校側からの仕様提示に基づいて過去に導入したものだ。
実際に常時監視する必要はないし、本来するべきことでもないが、
「校内でふさわしくないやりとりがあった場合はすぐ分かる」程度
に生徒に告知しておく程度で十分抑制心理は働くはずだ。
子供たちもバカではない、羞恥心もあれば、自己抑制能力も
(大人レベルではないにしても)ある。

件の教諭はそのソフトが学校に導入されている事すら知らなかった。
知らないものは使い方も分からないだろうが、利用方法については
使う側の見識にゆだねられる。

情報教育がカリキュラム化されているが、そこで教えるべき事の
根本が抜けている。つまり、良識に照らして、どう考えても問題
のある行動の結果についての責任は個人なり所属団体が負わざる
を得ないというルールを教えなければならないのだ。
それがインターネットを介した行動であっても同じである。
学校は弱者である未成年を有害な環境から守るべきと言う論は
ごもっとも。しかし、彼らはいつか卒業するのである。
彼らの中に自衛の精神を培わず、無菌培養してどうするか。
私の本音から言えばコンテンツフィルタを学校に導入する事自体
から反対だ。現実的要請から、そういう規制を導入するという
緊急避難行為を手伝っているに過ぎない。

このままでいくと教諭方よろしく、何か問題があった場合
に問題を理解し、自律して解決に動こうとするのではなく
「誰かにクレームして対処すればいい」的な似非市民的思考な人間
か、知識や技量の濫用で犯罪的な行為に手を染める人間のどちらか
しか生まれないのではないかと危惧した。

件の学校の教諭は自分たちの校内のネットワークがどうなっている
のかさえ把握していないようだった。壮年の職員にとっては、
インターネットは訳の分からないモノであり、心理的側面で考察
すると自分たちがついていけない文化やテクノロジに対して、
「困惑した怒り」を持っていることを私はやりとりから推測した。
だが、子供たちはそういった新しいものを旺盛に吸収し使おうと
する。世を問わず存在してきた事実だ。
そして教育の現場は子供たちから大人が「教えられる」という大切な
場でもある。子供たちが乗りこなそうとしている道具を理解せずに
子供たちに対する理解はあり得ない。

これは技術の問題ではない。教育にあたる現場の認識の問題だ。

今回のような「災難」が起こるべくして起こったことであり、
その原因はどこにあるのかをろくに考察もせず対症療法的にしか
動けないのであれば「解決」はあり得ない。しかし、対策の存在
しない問題もまたあり得ない。私の仕事はその対策の幾つかを
提案することにある。

結論としてはISP側が利用法に関する一層の啓発を目指した広報
対策を検討するという事。学校現場としては情報インフラの利用
についてあらためて情報の授業での指導内容や管理運営ルールを
見直し整備するという事、で決着した。

今回の事件はむしろチャンスであると、最後の言葉を私から添えた。
良い方向に動くことを心から願う。

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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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