MisakiTRA. 曰く、
17日から20日まで、横浜で「第2回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」が開催されている。児童の性的虐待・ポルノに対しては、国際的に規制強化が進められており、日本でも一昨年に児童買春・児童ポルノ法が制定された。
ところが、その中で、日本のマンガやアニメも児童ポルノを含んでいるとして規制しようとする動きが持ち上がっている。日本の児童ポルノ法は施行後3年(即ち来年)を目途として見直すことになっているが、その際にマンガなどの絵も規制対象に含めようとする動きがある。国際的にもこういった動きはあり、先ごろ日本も署名したサイバー犯罪条約(先日の記事)に関連しても、絵や合成画像などが児童ポルノに含まれるのかが議論となっている。
これに対し、虐待の根絶には賛同するが、マンガ・アニメ等の表現規制には反対するという立場から、国際会議内のワークショップ(参考:プレス向け案内)と、連動イベント「児童虐待と表現規制に反対する集い」が開催された。
国際会議には個人参加できないとのことで、連動イベントに参加してきた。マンガ家・評論家・研究者・議員らが、それぞれの立場から講演に立った。参加者は100人ほどだっただろうか。詳しくは書き尽くせない(主催者のサイトに関連情報あり)が、表現の線引きを恣意的な判断に任せることの問題、(写真と違って)具体的な被害者のないマンガを規制することの正当性、絵が性的虐待を誘発するか、等々が話題となっていた。
/.の読者にも、マンガやアニメを見る人間は多いと思われる。もし、東浩紀氏(哲学者)が主張したように、エロマンガだけを切り出して規制することはできず、やればサブカル全体が死ぬことになる、という性質のものであるならば、マンガ・アニメ全体にとって死活問題となるだろう。また、枝野幸男氏(衆院議員)が「表現をどう守るのかは、エロマンガだけの問題ではない」と指摘したように、表現の自由に対する規制を恣意的な判断(今の場合で言えば、絵が子供のように見えるかどうか、というような)に委ねて良いのかということは、もっと広い範囲で問題となりうる。そのような側面も含めて、/.読者の意見を聞きたい。