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スラド

NoGoodの日記: 一方その頃深度 40 メートルで 7

日記 by NoGood
“ジオフロント”とは深度 50m 以下と定義するらしいですよ。
スラッシュドットの高尚さを引き上げるには畑違いなのでいらん御節介は日記でコッソリやりますがね(苦笑

玉石混淆の“玉”は日記の方が含有率高い(故にアクセスも難しい)と、いうことで。

一応、ワタシクシメも開発部門に所属する技術職ですから、Off でプライベートとは言え、隙を見せたら名刺の一つも押し付けてこようぐらいの気合で望んだわけですよ。

万一事故が発生した際に備えての身元記述の際にも「この記載はどういった趣旨ですか?」と問いまして、当然前述の応対だったので「じゃぁ名刺は不要ですね」と言ったら「同業の方ですか?」と警戒態勢に入られまして(苦笑

身分を明かしました(^^;

んで入場したら質問攻めですよ。当然技術的関連で攻めてみたので、現場にスーツでうろちょろしてる連中は速攻で「黄色いヘルメット被って作業服きてるSTAFFが実際に現場の者ですので、お手数ですがそちらに再度御問い合わせ願いますか」と逃げられた(チッ

そして本職の人ゲット。経歴を訊くとシールド工法の工程管理を長年やってる人らしい。
以下は言われたことをそのまま書いているだけなので、真偽のほどは私も定かではない。

  • シールドマシンの掘削可能限界というのは現在の技術レベルでは、地質にもよるが今回の場合数キロがいいところで、青函トンネルやドーバー海峡のトンネルのような海峡横断トンネルでは従来工法(山堀“やまほり”と称していた)で行われるのが一般的だそうだ。
  • ただし、ドーバーの場合は地質がチョーク層(ホントに黒板で使うチョークがそのまま層になってるんだそうだ)なので、穴を掘ったらそのままトンネルになる(水が出たり補強しなければならない、という心配がない)ので、シールドマシンよりチャチな似非シールド工法で掘られたとのこと。
  • んで、ぶっちゃけ今回のシールドマシンは日立造船製で、ドーバーの方で使われてたのは(確か)カワサキと言ってた(気がする)上に“今回の方が全然難易度が高いんですよ。ドーバー海峡は掘れば終りです”と誇らしげに語っていたのが職人気質だコイツ、と思った瞬間。
  • なお、似非シールドについても簡単に受け売りしておくと、シールド工法が大根おろしのおろしがねを地盤にゴリゴリ擦り付けて円筒状に空間を掘りぬく作業であるのに対し、似非シールド工法は缶切りで蓋を開けた缶でフチのギザギザを回転させて円筒状に地盤を刳り抜き、内側の円筒を砕いて空間を造る、という違いらしい。
  • シールドでも似非シールドでもない従来工法については普通に重機で掘っちゃくるトコ想像して下さい、とスルーされた。
    以上で工程管理の人の尋問終了(ぉ
  • 次はシールドマシンのというべき掘削先端、カッタービットである。
    説明文にはタングステンとクロムを主原料とする合金である旨の文章が記載されているが、タングステンの「原子番号」が「子番号」になっていたので現場の職人に代わって俺が御仕置きよ!(ってセラムンほとんど観てませんが)、とばかりに粗探し厨。そしたら日立造船の偉い人出現(笑
    シールドマシンを作った偉いほうの人らしい。

    当然握った獲物は話さないとね、とばかりに値段とか訊いてみる(貧乏性

  • なんと握りこぶし大のカッタービットが百万だとぉ(AA略
    訊くと、今回のシールドマシンには 300 個弱のカッタービットが用いられており、一方シールドマシンの総額は 10 億ほどだそうで、全体の 30% 程度がビットに注ぎ込まれているという。
    さらにスゴいのは、このカッタービットを構成する物質は、安定して存在する物質としてはダイヤモンドの次に硬く、粘り(脆さ)を考慮すると民生実用素材としては人類史上最硬度の素材だそうで(正直このへん煽りっぽい。

最後に、一番スラド向けなシールドマシンの管理・運用・モニタ等のコントロール系について最も突っ込んで訊いてみた。担当の学芸員が運用系の人じゃなかったんで要領悪くてイマイチだったんだけど、概略以下の通り。

  • 中はただの PC + 素の Windows(どれかまでは訊かなかったがバンドルされてる程度の普通のものみたい)
  • 肝心のシールドマシンの制御系は各土建屋が自製しており、JV で工事するのが当たり前の今、ハードは工事毎のワンオフに近いとは言ってもレゴブロックのように個々の要素部品は標準化されており、地盤の状態や工期等によって組み合わせを変えて組み立て調整するだけなのに対し、制御ソフトは共通で、パラメータ調整だけでかなり将来にわたっても全部のシールドマシンが制御可能なように造ってあるそうだ。
  • さらに、すげぇと思ったのは、前述のように各社自製の制御系ソフトを構築して独自のノウハウ(コレと先のカッタービットが稼ぎ頭なんだそうだ)は共通でないのに、掘削担当範囲が異なる二つの JV や、同じ JV 間で掘削データを共有することはできているんだそうだ。勝手な規格がバンバン乱立されてるどこかの業界に見習って欲しいですな(とかゆ

ここからが私以外の人は未体験ゾーンですよ(ハァハァ
既に各所で述べられているように、途中経路にはエレベータがあり、10 人乗り制限があるので、自然と班分けされるのですわ。
なんかデジカメとか DV とかやたら重装備なので、装備を眺めてたら“ GONZO DIGIMATION K.K. ”とか書いたテプラが貼ってあるじゃないですか!
もぅストーカーですよ(苦笑

すっかり気分は日比谷地下 40m から「戦闘妖精雪風」の FAF ですよ(ハァハァ
おまけにこの GONZO 御一行様、既にこの地下を訪れた・ロケに使った番組の、制作業界の人/作品を批評しだすし。ごっつい面白かった。

以上、気がつけばアレゲな人に囲まれてた一日でした。

ヲチは怒りモードで〆(とかゆ
待ち行列中でさぁ、建設業と解体業の区別ができてなくて、建設現場で「日本ブレイク工業」を誇らしげに歌うのヤメようよ。
そうでなくても恥ずいのに、ってあぁいうテンパってる人に何を言っても無駄だな(苦笑
あとね、プロモーション側もさぁ、これだけ混雑してるんだから、危険そうなのは見ればわかるけど、エレベータ横の階段も運用しようね。
混雑しすぎて逆に事故が起きそうだったよ。

まぁ、とりあえずこんなところですか。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2004年04月25日 0時50分 (#537759)
    うちの職場、それが誰かの机の上にゴロンと置いてあるよ。
    金色っぽく塗装してあって、いやに重い。「真鍮かな」と言ったら「いやもっと重くて硬い、切削ビットだから」「じゃあタングステン合金?」「そうそう」。
    百万もすんのか?まさか。タングステンはザラには無い金属ゆえ地金で売っても小遣い銭になると思っていたが‥‥。

    身元バレルのでAC
    • 日立造船の人がそう言ってたんですよぅ。

      硬度のところで記述しましたが、ぶっちゃけ「素人衆だからホントのことよりウケ狙いしとけ」ていう雰囲気は漂ってましたね~、営業トークっていうんですかああいうの(無料だったけど。企業イメージアップ狙いの広報営業戦略)。

      > 百万もすんのか?まさか。タングステンはザラには無い金属ゆえ地金で売っても小遣い銭になると思っていたが‥‥。
      あと、三種類のカッタービットが置いてあって、一番複雑な形状のヤツを百万と言っていた(他のは訊いてない)ので、形状等の特許とかで高いだけなのかもしれません。素材が値段の全てだとは言ってませんでしたので、他にも製法や合金化の比率なんかも秘伝というか特許化されて価格高騰の原因となっていそうです、って釈迦に説法ですかね(^^;

      でも実際、シールドマシンの通った後にセグメントという外壁を貼付けるそうですが、このセグメント同士を繋ぎ合わせて固定するボルトナットは、一つ特許を取るとボルトナット一対で一件引っかかるので、トンネル一本掘ると莫大な特許許諾料が動くんですよ、とこれも説明員の受け売りなんで。

      # その、と言っているのがホントに同じカッタービットで、日立造船か前田・熊谷JVかどっちかの中の人だとアウトな推論ですな(苦笑

      --
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      親コメント
      • 別AC。

        > 安定して存在する物質としてはダイヤモンドの次に硬く、

        とあるので、ただのタングステン合金ではなくアルミナ単結晶、
        すなわちコランダムの切削ポイントがついていると思う。
        ちなみにコランダムは無色だけれど、クロムがドーピングされて
        赤色になったものをルビー、チタンで青色になったものをサファイアと呼ぶ。
        石代(どうせ CDV 合成ものだが)やタングステ
        • 材料工学系は隣の建屋だったため門前にも近寄れなかったので、得るところ大です。
          私にとっては「どうでもよい」わけではありません(とかゆ
          > ただのタングステン合金ではなくアルミナ単結晶

          > コランダムの切削ポイントがついていると思う

          > コランダムは無色だけれど、クロムがドーピングされて赤色になったものをルビー

          ほほぅ。
          タングステンとクロムは掲示が出ていたので、アレは人造ルビーに近い物質なのですか~。
          # 旬のネタ的には“たった一つの組成を捨てて、生まれ変わった不死身の体、不堀の地盤を削って拓く、カッタービットがやらずに誰がやる”、ってな感じ(苦笑

          ただ表面は黄土色に着色されていた(目的は不明ですが、明らかに素材とは異なる表面皮膜色でした)ので、説明だけからでは正体不明ですが(^^;

          > 百万円くらいならば妥当な金額なんではないかな
          > 機械屋的にはごく普通だと思う

          > 直径 1m のサイクロイドギア一個で百万円オーバーとか
          > 特殊な化学品だと 1g で数百万円とか

          そ、そうだったのか… orz

          “「素人衆だからホントのことよりウケ狙いしとけ」ていう雰囲気は漂ってましたね~”

          というのは私の穢れた魂が識覚した仮初めの姿に違いない(懊悩

          あ、余談ですけど、この場を借りてせっかくだから若者のためにオリジナルを引用しておこう。

          たったひとつの命を捨てて
          生まれ変わった不死身の体
          鉄の悪魔を叩いて砕く
          キャシャーンがやらねば誰がやる?
          # ホントは最後“!”なんですが、“?”にしたほうがカッコいい、と思ってるので(^^;
          --
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          親コメント
          • > ただ表面は黄土色に着色されていた

            私は無機成膜については疎いのですが、一応フォローを。

            CVD やスパッタでテキトーにつくると濁りますが、
            この場合は宝飾品、光学部材、電子部材ではないので充分です。
            で、そのわけわからんもののために黄土色になっていた可能性もあります。
            クロムはタングステン合金での組成でしょう。

            つくり方も、先に成型しておいて後から表面成膜した可能性もありますね。

            正直言って個人的に
        • by Anonymous Coward
          CDV ではなく CVD。
          Chemical Vapor Deposition。
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