Pravdaの日記: ジャガイモの世界史
伊藤章治『ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」』(中公新書)
以下、中央公論新社Webサイトの紹介文より。
http://www.chuko.co.jp/new/2008/01/101930.html
南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡のころ、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ。
スペイン人ピサロによるインカ帝国制圧から、現代ニッポンまで、やたらエピソードが時間と空間を超えて飛び、また文献渉猟とインタビューが入り混じった本。「本職の研究者だとこうは書かないよな」と思って最後まで行くつくと、著者は今は大学教授ですが元新聞記者だそうで、またジャガイモの話は専門外なのだそうです。
「あとがき」に曰く、
ロシアにおける革命思想の原点デカブリストの乱とシベリア流刑の物語に、よもやジャガイモが登場するとは思いもしなかった。
この本でも引用している米原万里の著作の中に、その話に触れた本があるんですけどね。
しかしまあ、エピソードは豊富で、ドイツ北部では都市市民のための貸し農園「クラインガルテン」が普及していて、戦中戦後はそこにジャガイモばかり植えた、という話が載ってます。また、日本の有名な品種「男爵」は、函館船渠専務などを務めた川田龍吉の爵位にちなむものだそうです。
なお、今年は国連の「国際ジャガイモ年」で、「国際ジャガイモ会議」など、さまざまな国際会議も予定されているとか。ドイツ東部や中欧諸国、ロシアではジャガイモ抜きの食卓は考えられないそうですし、日本はカロリーベースで食糧自給率39%の国ですので、たまにはそういった事を考えてみるのも良いかもしれません。
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