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Pravdaの日記: ドイツ書籍事情 4

日記 by Pravda

asahi.comの記事、出版再生、カギは? ヨーロッパの取り組み より。

日本の書籍の返本率が38.5%なのに対し、ドイツは5~10%程度なのだそうです。その理由のひとつは、

中世のギルドの伝統を受け継いだ〔補:書籍業の〕学校は業界団体の書籍業組合が設立し、短期研修を含めて年間延べ1000人が学ぶ。読者の要望や知識欲をくみ、「本を選ぶ能力」が備わった出版人が育つ。返品率の低い理由の一つがここにある。

本棚がビシッと決まっていて、さらに「こういう本はありませんか?」と店員さんに尋ねると的確なアドバイスがもらえる書店があるとすれば、実にうらやましい。

ずいぶん前、秋葉原の書泉ブックタワーのコンピュータ書売り場が実に良かったのですけど、担当の方が交代したせいか、現在は往時の輝きがありませんね。

あと、asahi.comの記事は、大手取次ぎの巨大流通センターの存在と、110万点に及ぶ書籍データベースの整備がドイツの本の流通の迅速性と効率性を支えていると報じていますが、たしかドイツの小売書店は価格こそ再販制なものの、委託返品制度は無いと聞いた覚えが…。

また、ドイツの出版社は7つのグループに再編されているので効率がいい、という話は、ノンフィクション作家・佐野眞一氏の「本を殺すのは『だれ』か」という記事にあります。
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/02number/200105/05toku.html

別に「ドイツ万歳」とは言いませんけど、市場規模が縮小しているのに新刊点数が増えている日本の出版状況は明らかにオカシイと言えるでしょう。

しかし、シュプリンガー社の本、もうちと安くならないもんですかね。(結局それが言いたいんかい?)

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2008年02月15日 8時43分 (#1297397)
    市場規模が縮小しているのに新刊点数が増やさざるを得ない
    のは、大手の取次が自分たちの規模を変えたがらないから
    でしょうね。だから新刊の量を増やすことで見かけ上の
    取扱量を増やして、システムの隙間を埋めているわけですよ。

    いい加減「文化」という言葉を盾にするレトリック年寄り連中は
    腹を割って死ぬべきだと思うのですが~(w
    • by Pravda (33859) on 2008年02月15日 9時49分 (#1297426) 日記
      拙文へのコメント、ありがとうございます。

      市場規模が縮小しているのに新刊点数が増やさざるを得ない
      のは、大手の取次が自分たちの規模を変えたがらないから
      でしょうね。

      どうなんでしょう? どこが悪いというよりも、既存のシステムが制度不良を起こしているような気がします。

      つまり、ある出版社が単行本新刊を1万冊刷って取次ぎに委託すると、1万冊分のお金が出版社に支払われますが、数ヶ月たって返本があるとその分のお金を今度は出版社が払い戻す必要があります。それが恐いのでまた別の新刊を出すってのは悪循環ですね。出版社は他の業種の生産者のように「本当にこれだけ売れるのか?」をキチンと検討してないと思われます。

      また、やる気のない小売書店は、「どうせ預かり物だから」と、取次ぎから届いた本を適当に並べて返本期限が近づいたら箱詰めして送り返します。ひどい所だと届いた本の箱を開封せずに送り返すケースもあるとか。魚屋さんや八百屋さんの方がずっと「これだけ仕入れて売り切れるか?」に関してはシビアでしょう。

      つまり、あくまで私見ですが「委託返品制度」が駄目なのですね。岩波や一部の出版社の本みたく、全部「売り切り」にしてしまえばいいと考えています。委託返品制度でロスするマンパワーや諸経費は、結局は読者が負担するのですし。多少キツイ言い方になるかもしれませんけど、売り切り制に耐えられない出版社や小売書店は、ある意味放漫経営なのですから、潰れても仕方ないと思いますね。その程度でポシャる「文化」なら、元々たいしたことのない「文化」なわけで。

      #最近どうにも「当たり」の本から見放されているので、そうとう私怨を含んでいます。^^;

      親コメント
      • つまり、あくまで私見ですが「委託返品制度」が駄目なのですね。

        これは私の私見ですが、再販売価格維持が悪いのではないかと思います。

        どこで買ってもどう買っても価格が一定であるという事は、販売戦略に工夫の余地がない、という事です。ある本を自分の所で買ってもらえるか、別の所で買われるのかは、縁故と運と地理的な要因だけで販売量が決まるということです。なおかつ取り次ぎからの卸値にも工夫の余地がないとなると、コストを削るしかありません。つまり「何もしないのが一番」となるわけです。

        委託返品制度はこのような環境では「保険」の一種になります。何が売れ筋になるか判らない場合、とりあえず卸してもらって、在庫として保持し、後で返す事でリスクヘッジが出来ます。倉庫などのコストがかかる…と思われそうですが、実際には小規模店舗のバックヤードスペースに選択肢は無いのでコストは一定です。であればむしろ在庫量は多いほうがリスクヘッジになります。

        大人気で品薄なら値段を上げる
        人気が無いなら値段を下げる

        という市場原理の働かない世界では、「市場としての健全性」ではなく構造腐敗が発生するのは当然という気がします。
        --
        fjの教祖様
        親コメント
        • by Pravda (33859) on 2008年02月16日 4時54分 (#1298087) 日記
          拙文へのコメント、ありがとうございます。まさかfjの教祖様からコメントを頂戴できるとは。^^;

          これは私の私見ですが、再販売価格維持が悪いのではないかと思います。

          おっしゃっている事におおいに首肯すべき点もあるものの、やはり個人的には「本という、かなり趣味性の高い商品を市場原理に任せられるか? また市場原理がうまく機能するか?」という疑問が残ります。

          日本でも在庫僅少本やバーゲンブックを売る「ブックハウス神保町.com」 [bh-jinbocho.com]というサイトがあり、たまに覗いてみますが、なかなか欲しい本が見つからないですね。もう少し点数が増えればまた違うのかもしれませんけど。

          「委託返品制度が駄目」と書いた時点では、頭の中で「新古書店が定着してしまうと価格的には競争にならないので、元のasahi.comの記事のいうドイツ型に進むべきではないか」と考えていたのですが、ご指摘の「委託返品制度なら在庫量を多くできるメリットがある」を読んで、だいぶ考えが揺らいでいます。(そもそも、「ドイツ型」の背景には、小売書店で注文した本が素早く取次ぎから届く、という大前提が必須なわけですし。)

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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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