Pravdaの日記: HD DVDと「ムーアの法則」
ASCII.jpの記事、東芝のHD DVD撤退は「朗報」──パッケージメディアの終わりの始まり より。
〔補:HD DVDとBlu-rayディスクで〕しかし本当の勝者が誰かは、まだ分からない。1TBのHDDが3万円で買える時代に、たかだか55GB(BD両面モード)のディスクドライブを10万円も出して買う人がどれほどいるのだろうか。
半導体の集積度は、1年半で2倍になるという「ムーアの法則」がよく知られている(拙著「過剰と破壊の経済学 『ムーアの法則』で何が変わるのか?」参照)。これに対して光学ディスクの記憶容量は、1982年にCDが550MBだったのが、それから25年で100倍と、4年で2倍の割合でしか進化していない。
おそらく「真の『次世代メディア』はネット配信だ」と言いたいがための、経済学者の文章をマトモに取り上げても虚しいのですが、コンピュータ・テクノロジーのあらゆる部分が「ムーアの法則」をめざしてるワケじゃないですよね。特に人間に近い部分は。キーボードをキー・スキャンするための4bitマイコンや、プリンタ内蔵の印刷エンジンが「ムーアの法則」通りに集積度が向上しているという話は聞きません。
Blu-rayディスクも、現在のHDDの容量からするとバックアップ・メディアとしては中途半端な感じを否めませんけど、映像コンテンツのパッケージ・メディアとして不充分かというと、私見ですが「とりあえず充分」だと感じています。
まあ、池田信夫氏の言説には、GRAPE開発で有名な牧野淳一郎先生も、池田信夫氏の京速批判 [artcompsci.org] という文章の中で辟易されてますが、アサッテな批判は経済学者だけでなく、日本IBMのOBの能澤徹氏がGrape-DRの性能 [cnet.com] という記事で、Grape-DRの論文を「そもそもの主張・論旨を支えるべき数値が欠落した典型的駄目Paperといわざるを得ない」と書き、牧野先生も面倒臭そうに反論 [artcompsci.org] しています。
能澤氏のブログ、スパコン漫遊日記 [cnet.com] は公称性能値や調達価格を論じていますけど、プログラミングや運用などの「ユーザの視点」が欠落しているため、抽象論にとどまっているように見えます。今回の池田氏のHD DVDに関する記事もその類に属し、いくら「これからはネットだ」と言われても、それが実現するまで待つか?、となると、そういう人はあまり多くないと思いますね。
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