パスワードを忘れた? アカウント作成
405951 journal
Linux

Pravdaの日記: 10000時間の努力 2

日記 by Pravda

lifehacking.jpの記事、あなたも「天才」になれる? 10000 時間積み上げの法則 [lifehacking.jp] より。

人より恵まれた天才的な才能を発揮する人にとっては、努力なんて必要のないことなのでしょうか? あるいは、努力によって何事もカバーできるものなのでしょうか?
その疑問への答えは「10000 時間」かもしれません。

映画1本が2時間として、5000本ですか。キツイですねえ。就職してからは平均して週に2本、年間100本がせいぜい。今はたまたま仕事が暇で、単身赴任みたいな状況にあるので、もっと観ていますが。

しかし、たとえば5歳から毎日テレビを2時間見ていると、20歳くらいには累計10000時間に達します。その時点でテレビについて高説を唱えられるかというと、多分そうじゃないですよね。このブログの筆者の方も、

しかし「なんだ、それではやはりダメじゃないか」「自分には時間がないから無理だよ」と決めつけるのは早いと思います。10000 時間の積み上げは、なにも 10000 時間経たないと変化がないと言っている訳ではなく、常に上昇しながらの 10000 時間だからです。〔強調:本文ママ〕

と、「努力しての10000時間」を主張されています。

私見ですが映画の場合、ある程度の数をこなすうち、「この映画のどこがドラマとして優れていると思えるのだろう?」とか、「この俳優さんの演技のどこが素晴らしいと感じるのだろう?」など、自分なりの疑問を持ち、そのテーマを適度に温めていないと、なかなか10年も20年も継続するのは難しいと思います。特にテレビのある今は。

また、たとえば「どうしてフィルムの切れ端をつないだものが一つのストーリーとして解釈できるのか?」などという疑問を持った場合、多分その先に待っているのは認識論の泥沼(?)です。目端のきく「賢い」人は、そういう容易に答えの出ないテーマからサッサと降りる傾向があり、長く続けるには、ある程度の「鈍さ」が不可欠かもしれません。

ここまで簡単にまとめると、映画を長く観続けるには「自分なりのテーマとの出会い」と「いささかの鈍感力」が必要なようです。

なんだか「研究」と似ているようですが、「研究」は論文を書かなくちゃいけませんし、色々と締め切りがあります。在野の趣味は、そういうスループットやアウトプットの束縛から全く自由ですので、ぜんぜん違いますよね。

え? なぜ私が映画を観続けているかって? ひとくちに説明できませんけど、たぶん「映画という表現」に魅せられているからで、ここに書き垂れている映画感想文も「アウトプット」ではなく「おすそ分け」です。こんな作品もありますよ、みたいな。特定のフレームワークや、そこから導かれる特定の結論を押し付ける意図は全くありません。

DVDが普及して、著作権切れの作品が500円で簡単に入手でき、また衛星放送で過去の名作を録画できて繰り返し観られる現在、映画観賞は結構安上がりの趣味です。また、「映画は教養の一部」という時代も過ぎ、小ウルサいことを言う人が少なくなったので気分も楽です。そもそも娯楽ですし(笑)。

先日、本を読みながらFMラジオを聞いていると、勝間和代さんが出演して「自分は1日に3冊の本を読破する」と豪語しておられました。主にアウトプットのための読書だそうで、「ああ、この人は『芸術』とは無縁だなあ」とついカッとなって(笑)、こんなエントリを書いてみました。どんなに下らない映画でも、その後ろには「映画百年の知の集積」が控えています。その映画のどこが下らないか?、を考えてみるのも一興。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • こんにちは。はじめまして。

    映画感想文も「アウトプット」ではなく「おすそ分け」です。
    その「おすそわけ」の恩恵を、目一杯に享受させていただいております。m(__)m
    いつも興味深い映画の紹介をありがとうございます。
    映画の内容だけでなく、「ああ、そういう点に注目して見るのか!」と、いろいろ刺激を受けております。

    「映像」+「音声」+「セリフ(物語)」と3つの刺激があると、わたしにはちょっと多すぎるので(苦笑/ふだんはもっぱら文字のみ)、なかなか映画って見られないのですが、的確にまとめて(ストーリーだけじゃなく見所etc.を)文字にしてくださる方には、ものすごく感謝しています。



    勝間和代さんて、あちこちに書いているのを最近見かけますが・・・
    どうも「余裕」とか「芸術」とか「文化」とかには遠い方のように思えますよね。
    「そんなに急いでどこへ行く」と、ついつい思ってしまいます。(^^;; まあ、何を人生の価値と見なすのかは人それぞれですが。
    わたしは面白い本をじっくりと読んで、美味しいものを食べて、思う存分「のんびり」するほうに価値を見いだしますがねえ。
    #マインスイーパやソリティアで夜更かしするのも、それはそれで良し、ですよね(笑)

    --

     みの3号
      〜愚か者にも三分の理〜
    • 拙文へのコメント、ありがとうございます。

      いつも興味深い映画の紹介をありがとうございます。
      過分なお言葉、恐縮です。^^; 映画史的な位置づけや、照明を含む撮影技術に言及しがちですが、そのあたりは適当に読み飛ばしてご笑覧ください。

      実は、ハリウッドやヨーロッパの映画で登場人物の多い作品では、それらの名前が一度に覚えられなくて、巻き戻すことが結構あります。あと、俳優さんの芝居や美しい構図に気を取られて、字幕を読むタイミングを逸したりとか。さらに、観ている途中で寝てしまうことも(笑)。

      勝間和代さんのことは、私にはあの方のマネは絶対無理なのでヤッカミ半分ですけど、「知」や「芸術」が本来持っているアナーキーさや闇の深さが感じられないんですよね。勝間さんは商売ですので、そういうものを隠しているのかも知れませんが、隠すならモットモらしい方法は他にいくらでもあるだろうに、と。

      次回の映画紹介は、メロドラマの巨匠、マックス・オフュルス監督作品から3本を予定しています。ポテチやおせんべいでも食べながら、エントリを眺めていただければ幸いです。
      親コメント
typodupeerror

海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

読み込み中...