Pravdaの日記: 〔DVD〕 たそがれの女心
マックス・オフュルス監督作品の第三回目は、『たそがれの女心』(1953年)。フランス=イタリア合作映画。いわゆるコスチューム・プレイ(時代劇)。
第一次大戦の前、ベル・エポックの時代のパリ。伯爵夫人ルイーズは浪費で負債を抱え、夫から結婚祝いにもらった耳飾りをひそかに宝石商に売る。ルイーズはその耳飾りをオペラ見物の時に落としたと言うが、新聞には「劇場で盗難」の記事が載り、あわてた宝石商は夫の伯爵アンドレ(フランス陸軍の将軍でもある)に事情を明かし耳飾りを買い取ってもらう。伯爵アンドレには愛人ローラが居て、旅立つ彼女に餞別として耳飾りを渡すが、ローラはコンスタンチノープルのカジノで負けて売り払い、それをイタリアの外交官ドナーティ男爵が買い求めパリに赴任する。彼はそこで伯爵夫人ルイーズと出会い恋に落ちる。男爵を本気で愛してしまいそうになったルイーズは旅に出ようとするが、その直前に男爵がルイーズを訪ね、例の耳飾りを贈る…。
伯爵夫人ルイーズの役はダニエル・ダリュー。フランス映画史上一、二を争う美人女優。8min.頃の耳飾りを宝石商に売るシーン、「そんな目で見ないで」と艶やかに微笑む表情など息を呑むような官能美。また、教会に二度祈りを捧げに行きますが、最初は驕慢な伯爵夫人、二度目は愛に苦しむ哀れな女。35min.あたりの、男爵とワルツを踊るシーンなど、まさにハマリ役。伯爵アンドレに扮するのが名優シャルル・ボワイエで、練達の演技を見せます。ドナーティ男爵の役は、イタリアの映画監督で俳優でもあるヴィットリオ・デ・シーカ。こちらも負けじと貫禄で演じています。撮影は、ジャン・ルノワール監督やジュリアン・デュヴィヴィエ監督の作品でもカメラを担当したクリスチャン・マトラ。
豪華なセット、美しい衣装の中で耳飾りを軸に繰り広げられる華麗なる恋愛遊戯のデカダンスと皮肉な運命は、オフュルス監督の作品世界の真骨頂。しかし、米ソ冷戦の緊張が高まるヨーロッパで、オフュルス監督の優雅と洗練は容れられず、次のカラー大作『歴史は女で作られる』(1955年)が興行的に大失敗した後、1957年、リューマチ性心炎のためハンブルグにて死去。
以下、DVD裏のデータより。
■ CAST
ダニエル・ダリュー
シャルル・ボワイエ
ヴィットリオ・デ・シーカ■ STAFF
監督:マックス・オフュルス
原作:ルイーズ・ド・ヴィルモラン
脚本:マックス・オフュルス/アネット・ヴァドマン/マルセル・アシャール
撮影:クリスチャン・マトラ
音楽:オスカル・シュトラウス/ジョルジュ・ヴァン・パリス
衣装:ジョルジュ・アナンコヴ/ロジーヌ・ドラマール製作年度:1953年
字幕スーパー、日本語字幕のみ
96min.
モノクロ
発売元:株式会社アイ・ヴィー・シー
〔DVD〕 たそがれの女心 More ログイン