Pravdaの日記: 〔DVD〕 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲
ニキータ・ミハルコフ監督の初期作品より、第二回目は『機械じかけのピアノのための未完成の戯曲』(1977年)。
19世紀末のロシアのある夏の日、将軍の未亡人アンナの館に親戚一同や近所の地主らが集まった。将軍の先妻の息子セルゲイと新妻ソフィアとの結婚披露パーティーが開かれ、その中には小学校教師ミハイルと妻サーシャの姿もあった。ミハイルはソフィアを見て驚く。二人は七年前、愛を誓い合った恋人どうしだったのだ。しかもミハイルは、未亡人アンナともひそかな恋愛関係にあった…。
戯曲『プラトーノフ』をメインに、チェーホフの多くの短篇小説をミックスしているそうです。高邁な理想とロシアの遅れた現実とのギャップに苦悩しつつも、怠惰とドタバタ騒ぎと恋愛遊戯にふける19世紀の貴族・インテリ階級を軽妙かつ抒情的に描いています。
艶っぽい将軍の未亡人アンナの役はアントニーナ・シュラーノワ。新妻ソフィアの役にはエレーナ・ソロヴェイ。どちらも好演ですが、この作品で抜群なのは、教師ミハイルの妻サーシャに扮するエヴゲーニヤ・グルーシェンコでありましょう。疑うことを知らぬ明るく善良な女性像を見事に体現しています。三人とも舞台女優ですけど、これが映画初出演となったグルーシェンコは、ミハルコフ監督が直々に抜擢したそうです。
ミハルコフも、親戚の医者の役で登場しています。旧ソ連の俳優はプライドが高くて、監督に見切りをつけると遠慮なく手を抜く傾向があるようですが、監督自身にこれだけの演技をされたら負けるわけにはいきません。大学を中退し教師のかたわら田舎で火遊びにふけるミハイルの役は、アレクサンドル・カリャーギン。理想を夢見るお人好しのセルゲイに扮するのがユーリー・ボガトィリョフ。撮影のパーヴェル・レベシェフとともに、このあたりは「ミハルコフ組」。
ドニゼッティの歌劇『愛の妙薬』のアリア「人知れぬ涙」が効果的に使われています。チェーホフ戯曲への大胆な脚色と、旧ソ連映画とは思えない洗練されたユーモアをお楽しみください。
以下、DVD裏のデータより。
■ CAST
アントニーナ・シュラーノワ
アレクサンドル・カリャーギン
エレーナ・ソロヴェイ
ユーリー・ボガトィリョフ
エヴゲーニヤ・グルーシェンコ■ STAFF
監督・脚本:ニキータ・ミハルコフ
脚本:アレクサンドル・アダバシャン
原作:アントン・P・チェーホフ
撮影:パーヴェル・レベシェフ
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ公開年度:1977年
字幕スーパー、日本語字幕のみ
102min.
カラー
企画・制作・発売元:株式会社アイ・ヴィ・シー
販売元:株式会社ビーム エンタテインメント
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