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Pravdaの日記: 〔廉価DVD〕 深夜の告白

日記 by Pravda

ハリウッドB級ノワールの傑作を3本ご紹介。まず第一回目は、ビリー・ワイルダー監督『深夜の告白』(1944年)。

深夜のロサンジェルス、無謀な運転をする車がパシフィック保険会社の前で止まり、その会社のセールスマンであるウォルター・ネフは、よろめきながら自分のオフィスに入り録音機をセットし、同僚の保険調査員バートン・キーズに宛てた告白を始める。
その年の五月、仕事熱心なセールスマンのネフが、もうすぐ自動車保険の切れるディトリクソンの家に契約更新のため訪問した際、そこで美しい後妻フィリスと出会う。彼女は本人には内緒で夫に傷害保険をかけたがったが、危険な匂いを察知したネフはいったん申し出を断る。しかしフィリスの誘惑に屈した彼は、ディトリクソンを殺して保険金を詐取する方法を思いつく…。

まずこの映画、脚本が実に良く練られています。さすがは脚本家出身のビリー・ワイルダー監督。いわゆる倒叙型サスペンスの嚆矢で、以降の映画だけでなくテレビドラマのお手本となります。さらにセリフがカッコいい。ハードボイルド作家のレイモンド・チャンドラーが脚本に参加しているからでしょうか。

「ファム・ファタール(運命の女)」の後妻フィリスを演じるのがバーバラ・スタンウィック。ファム・ファタールが精神異常だったり催眠術をかけられてたりとかは陳腐なパターンですけど、このフィリスはどこまでも計算ずくの冷酷非情な女。バーバラ・スタンウィックは金髪のカツラをかぶり、足首にアンクレットをはめて稀代の悪女をクールに熱演。『レディ・イヴ』(1941年)と全然イメージ違うんですけど。でも、フランク・キャプラ監督の『群衆』(1941年)にも出てますね。役柄にこだわらないタイプの女優さんなのですかね。

保険調査員キーズに扮するのが、エドワード・G・ロビンソン。かつてはギャング役のスターでしたが、この映画ではベストを葉巻の灰だらけにして推理をめぐらせ、保険金詐欺を見破ろうとする役どころ。性格俳優としての達者な一面を見せています。

この映画の中で、事務用録音機の「ディクタフォン」が出てきます。蝋管式の録音装置で、ググったらNHK放送博物館のWebページに、類似の写真が載っていました。テープレコーダーの前は、こんなのをアメリカのオフィスでは使っていたようです。
http://www.nhk.or.jp/museum/book/kiki100sen010.html

フィルム・ノワールの古典の一つと呼ばれている作品。フィルムの状態はイマイチですが、シナリオの構成で見せる映画ですので。サスペンスの盛り上げ方が秀逸。57min.あたり、自動車のエンジンをかけるだけでもサスペンスになるんですね。

以下、DVD裏のデータより。

■ CAST
フレッド・マクマレイ
エドワード・G・ロビンソン
バーバラ・スタンウィック
ジーン・ヘザー
トム・パワーズ

■ STAFF
監督:ビリー・ワイルダー
製作:ジョセフ・シストロム
原作:ジェームズ・M・ケイン
脚本:ビリー・ワイルダー/レイモンド・チャンドラー

公開年度:1944年
字幕スーパー、日本語字幕のみ
106min.
モノクロ
発売元:(株)ファーストトレーディング
購入価格:約500円 in Amazon.co.jp

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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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