Pravdaの日記: 猿蟹合戦とは何か
清水義範『猿蟹合戦とは何か 清水義範パスティーシュ100 一の巻』(ちくま文庫)、一応読了。パスティーシュ100作品を著者が自選したもので、全6冊のうちの第一巻だそうです。
以下、筑摩書房のWebページ、および目次概要。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480425515/
■ 目次概要
- 猿蟹の賦
- 猿蟹合戦とは何か
- 二十一の異なるバージョンによる前文
- 猿取佐助
- パウダー・スノー
- 笠地蔵峠
- 半村良『江戸群盗伝』の解説
- 女殺油地獄
- 船が州を上へ行く
- 聖書
- 彼ら
- ティンカー・ベルの日記
- ダイヤの花見
- 四畳半調理の拘泥
- 罪と罰
- アンドレ・クレージュ
- ジョルジュ・アルマーニ
抱腹絶倒を通り越して、思わず唸ってしまったのが「パウダー・スノー」。谷崎潤一郎の『細雪(ささめゆき)』の文体模倣で、オルコットの『若草物語』をなぞった作品。少しだけ引用。
それで、寂しいクリスマスについての不平のほうはどうにかおさまったのだが、ベスが言ったことで別の心細さが思い出されてしまい、ジョーは起き直ってカーペットの上にすわるとこう言った。
「そう言うたかて、今はこの家にお父さんがいやはらへんねんで。戦場へ行かはったきりで、当分はお帰りの予定がないねやねんから」
「それは言うてもどうにもならへん」
メグは試しに着てみたドレスからはみ出た長襦袢(ながじゅばん)の袖をそろえながら言った。(p.133)
この本の末尾の「自著解説」によると、清水義範氏は以前から、『細雪』と『若草物語』は姉妹の構成がそっくりだなあと思っていたのだそうです。あたしゃ全く気づかんかったよ…。
『若草物語』は、青空文庫でも読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001090/card42307.html
『細雪』は、谷崎潤一郎が亡くなったのが1965年なので、買った方が早そうです。新潮文庫版だと三分冊、中公文庫版だと一冊。
清水義範氏のパスティーシュ作品を読むと、つい元ネタの本も読みたくなるんですよね。
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