Pravdaの日記: 〔DVD〕 いぬ
ユニバーサルの1500円DVDより、第四回目は『いぬ』(1962年)。フランス製フィルム・ノワール。「いぬ」とは、警察への密告者のこと。
強盗を働いて服役中、妻を何者かに殺されたモーリス。出所後、新しい女テレーズと同棲して次の金庫破りの仕事も決まったある日、モーリスはジルベールの家を訪れ、彼が妻殺しの犯人と確信して射殺し、宝石と金を奪って空き地に埋める。その後、親友のシリアンに道具を用意してもらい、仲間のレミと共にある邸宅に押し入り金庫を破ろうとすると、そこに突然警察が現れモーリスだけが逃げのびる。密告した「いぬ」はシリアンか? それとも他の誰かなのか…?
監督は、『影の軍隊』(1969年) [srad.jp] も作った、ジャン=ピエール・メルヴィル。ハリウッドのフィルム・ノワールを咀嚼吸収し独自のスタイルに仕上げており、45min.頃の刑事部屋のシーンでカメラを360°ターンさせるなど、いろいろ試みています。冷徹なタッチで、いくら相手がギャングの情婦とはいえ女を引っぱたくシーンは、同じ時代のアメリカ映画ではお目にかかれません。
モーリスに扮するのがセルジュ・レジアニ。しかしこの映画では影が薄い役どころ。シリアンの役にジャン=ポール・ベルモンド。若いくせに腹の中で何を考えているか読めないクールな演技が見事です。この時29歳ぐらい。すでにジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』(1959年)に出て映画スターになっていましたが、もともと演技志向の人で、ゴダール監督の『気狂いピエロ』(1965年)に主演して以降、シナリオを使わないゴダール監督の即興演出を批判し、絶縁状態になったのは有名な話。
ある意味スタイルを楽しむ映画ですけど、字幕で人名に「ジルベール」と「ジル」の両方の表記が出てきます。せめて固有名詞は統一してほしいなあ。ユニバーサルの1500円DVDでメルヴィル監督作品には『リスボン特急』(1972年)もあり、そっちはアラン・ドロンとカトリーヌ・ドヌーヴが出演していますが、メルヴィル監督の作家性を考えると、「スターのクローズアップの数」を気にしなくてよい『いぬ』の方が本領でしょう。
以下、DVD裏のデータより。
■ CAST
ジャン=ポール・ベルモンド
セルジュ・レジアニ■ STAFF
監督・脚本:ジャン=ピエール・メルヴィル
製作:カルロ・ポンティ/ジョルジュ・ドゥ・ボールガール
原作:ピエール・ルズー
音楽:ポール・ミスラキ公開年度:1962年
字幕スーパー、日本語字幕のみ
104min.
モノクロ
発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
〔DVD〕 いぬ More ログイン