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190933 journal

Pravdaの日記: なぜアメリカ大企業が比較対象なのか?

日記 by Pravda

DIAMOND onlineの記事、1人当たり時価総額で10~200倍の開き! 日米企業間のビジネスモデルの圧倒的違い | 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む [diamond.jp] より。

〔補:アメリカ大企業は従業員数が少なく、日本の大企業は従業員数が多い。〕それにもかかわらず、時価総額を見ると、アメリカの企業のほうが大きくなっている。〔中略〕
ところで、上で見たように、日本企業の従業員数は多い。したがって、従業員1人当たりの時価総額で見ると、日本企業とアメリカの企業の間にさらに大きな差が生じてしまう。〔中略〕
時価総額でこのような差が生じてしまうのは、アメリカ企業の利益率が高く、日本企業の利益率が低いからである。

個人的にまったくの経済シロウトなのですが、この記事を読んで「かなり異質なものを数字だけで比べてどうするの?」と、違和感を覚えました。主なところで3つ。

1.税制の違い
日本の法人税の高さは、世界先進国の中でもトップクラスだそうです。ですから「お国に税金を召し上げられるより、他の用途に使った方がベターでしょ?」というのは平成土地バブル期からあった話で、現在の邦画の興隆も、カネの出所は企業の協賛金が大きいそうです。テレビCMの効能が疑問視され始めたからといって、大企業の宣伝部が予算を返上するとは、組織の論理から言って考えにくい。「広告代理店とテレビ局が同じ窓口なら、邦画製作にカネを回すか」というカラクリのようです。話を戻して、日本の大企業は利益が出ても、他のことで相殺してしまう傾向が強い、くらいは言えるでしょう。

2.産業構造の違い
この記事で野口悠紀雄氏が挙げているアメリカ大企業は、グーグル、アマゾン、アップルなど、非製造業あるいはファブレスを指向している企業です。一方、日本の大企業は、三菱UFJ FG、みずほFGを除いてトヨタ、日産、ソニーなどと製造業ばかり。製造業が商売を大きくしようと思うと、莫大な設備投資をし、新たな従業員を雇用しなければなりません。逆にいうと、たかだか数万人のオーダーで従業員数を済ませているアメリカ大企業は「米国内の雇用創出に貢献していない」ワケで、米大企業の「効率の良さ」が手ばなしで褒められる話かというと、そうでもないような気がします。

3.なぜ時価総額を従業員数で割らなければならないのか?
そりゃあドイツみたく、労働組合の代表が取締役会に参加することを法律で義務付けている国の企業ならば、ある程度この割り算は意味があるでしょう。しかし、日米の大企業でそういう話は寡聞にして知りません。日米の大企業が、会社の方針をごく一部の中枢部が決めているとするなら、末端の従業員は単なる統計数字の「労働力と費用」でしかありません。どこに「ウチの国は兵隊1人当たりの戦闘力が高い」と威張る軍人がいるでしょうかね? 必要なのは、他国の軍事的圧力に屈しないだけのトータルな防衛力なのであって、兵隊の数は二義的な問題です。

最後の4ページ目、野口悠紀雄氏は以下のように結論を述べます。

重要なのは、企業の構造、生産の方式を根本から変革することだ。その際のモデルになりうるのが、以上で述べたアメリカの先端的な企業である。

どうしても道楽というか、日曜アマチュア映画史ケンキュー家(自称)なもので、つい西欧の方に目が行ってしまいますけど、今後の大きな問題になろうかと思われる「企業と社会との共生」を考えれば、電機ではフィリップスやシーメンス、自動車ではルノーやベンツなどのヨーロッパ企業を論じる方が、日本の国益になるのではないでしょうか?

# アングロサクソンの強欲主義をお手本にする必要などない、と思ってるのは私だけ?

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