Quest of Mathの日記: 連立微分方程式(5) 2
日記 by
Quest of Math
連立微分方程式(3),(4)から一般の場合を考える。
n次正方行列Aが対角化可能であるとする。
今、未知関数x=τ(x1,x2,...,xn)について、
dx/dt = A*x
を解く。この一連の流れを説明せよ。
連立微分方程式(3),(4)から一般の場合を考える。
n次正方行列Aが対角化可能であるとする。
今、未知関数x=τ(x1,x2,...,xn)について、
dx/dt = A*x
を解く。この一連の流れを説明せよ。
計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである
証明(1) (スコア:1)
λ1,λ2,...,λn (重複を含む)
とすると、これに対応するn個の固有ベクトルが存在して、
v1,v2,...,vn (すべてn次列ベクトル)
としておく。n次正方行列P
P = (v1 v2 ... vn)
とする。またその逆行列をQとする。
(Qの存在は、上のn個の固有ベクトルが一次独立であることからわかる)
そうすると、Aを対角化した行列Jは
J = Q*A*P
である。
今、与えられた微分方程式について
dx/dt = A*x
dx/dt = P*Q*A*P*Q*x
Q*(dx/dt) = Q*P*Q*A*P*Q*x
d(Q*x)/dt = (Q*A*P)*(Q*x) = J*(Q*x)
であるので、Q*xを新たな未知関数yと置いて
dy/dt = J*y
を解く。JはJの(i,j)成分について、正方行列Pの定義から
i=jであればAの固有値λiを持ち、i≠jであれば0であるので、
dyi/dt = λi*yi (i=1,2,...,n)
という簡単な常微分方程式になり、この解は
yi = Ci*e^(λi*t) (i=1,...,n、Ciは積分定数)
となる。したがって未知関数yは
y = τ(C1*e^(λ1*t),...,Cn*e^(λn*t))
である。このことからyは、
i=jの(i,j)成分がe^(λi*t),i≠jであれば0であるn次正方行列Yと
n次列ベクトルC=τ(C1,...,Cn)により、
y = Y*C
である。Cがt=0におけるyの値、すなわち初期値y(0)であることは、
実際にt=0をyに代入してみれば明らかである。
yi(0) = Ci*e^(λi*0) = Ci*e^0 = Ci
したがって、y=Q*xであるので、y(0)=Q*x(0)である。
よって求める微分方程式の解は
x = P*y = P*Y*y(0) = P*Y*Q*x(0) = (P*Y*Q)*x(0)
証明(2) (スコア:1)
それは、Aを正方行列Pと、それに対応する対角化した行列Jのことである。
Pの取り方によっては、Aを対角化した行列は異なる対角行列になるので、
元の微分方程式の解が同じであることを証明しなければならない。
異なる正方行列P,P'と、それぞれの逆行列Q,Q'とする。
また、P,P'に対応するAを対角化した行列をそれぞれJ,J'とする。
J = Q*A*P より、A = P*J*Q
J'= Q'*A*P' より、A = P'*J'*Q'
である。したがって、P*J*Q=P'*J'*Q'であり、元の微分方程式
dx/dt = A*x = P*J*Q*x = P'*J'*Q'*x
と同じであるので、解も同じである