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Quest of Mathの日記: 連立微分方程式(7) 4

日記 by Quest of Math

指数行列

e^(t*A)

のtに関する微分について

d( e^(t*A) )/dt = A*e^(t*A)

これを証明せよ。

[追加]n次行列A*Bについて

(1)A*B=B*A ⇒ e^(A+B) = (e^A)*(e^B)
(2)(e^A)の逆行列 = e^(-A)
(3) あるn正方行列Pと、その逆行列Qについて

e^(P*A*Q) = P*(e^A)*Q

これらも証明せよ

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  • by Quest of Math (20493) on 2004年03月08日 5時59分 (#509548) 日記
    問題では触れなかったが、e^(A*t)が項別微分可能であることを
    仮定してあるものとする。

    e^(A*t) = Σ(1/k!)*(A*t)^k (k:0~∞)

    であるので、

    d(e^(A*t))/dt = d(Σ(1/k!)*(A*t)^k)/dt

    項別微分可能より、

    d(Σ(1/k!)*(A*t)^k)/dt = Σ(A^k/k!)*d(t^k)/dt (k:0~∞)

    微分するので、上のkは1から始まることになる。

    Σ(A^k/k!)*d(t^k)/dt
    = Σ((A^k)*k/k!)*t^(k-1) (←ここからがk:1~∞)
    = Σ((A^k)/(k-1)!)*t^(k-1)
    = A*Σ((A^(k-1))/(k-1)!)*t^(k-1)

    ここで、

    Σ((A^(k-1))/(k-1)!)*t^(k-1) (k:1~∞)

    は、k=1を代入した時,k=0から始まる関数級数

    Σ(1/k!)*(A*t)^k (k:0~∞) = e^(A*t)

    と等しいので、

    Σ((A^(k-1))/(k-1)!)*t^(k-1) (k:1~∞) = e^(A*t)

    より、

    d(e^(A*t))/dt = A*e^(A*t)
  • by Quest of Math (20493) on 2004年03月08日 14時18分 (#509791) 日記
    A*B=B*A ⇒ e^(A+B) = (e^A)*(e^B)を証明する。

    指数行列の定義から

    e^(A+B) = I + Σ((A+B)^k)/k! (k:1~∞)

    である。(A+B)^kについて、仮定よりA*B=B*A、
    すなわち可換であるので、行列「2項定理」が使える。

    2項定理とは、

    (x+y)^n = Σ(n!/((m!)*((n-m)!))*(x^(n-m))*(y^m) (m:0~n)

    のことである。

    この2項定理を使う前に、注意が一つ必要で、行列A^0を定義しなければならない。

    A^0 = I (Iは単位行列)

    としておく。よって

    (A+B)^k = Σ(k!/((m!)*((k-m)!))*(A^(k-m))*(B^m) (m:0~n)

    である。

    e^(A+B) = Σ(1/k!)*(Σ(k!/((m!)*((k-m)!))*(A^(k-m))*(B^m)) (k:0~∞,m:0~k)
    = ΣΣ(1/((m!)*((k-m)!))*(A^(k-m))*(B^m)
    = Σ(B^m)/(m!)*Σ(A^(k-m))/(k-m)! (k:0~∞,m:0~∞)
    = (Σ(B^m)/(m!))*(Σ(A^(k-m))/(k-m)!)
    = (e^A)*(e^A)

    となる。

    捕捉しておくと、この証明はかなり強引で、どこが強引かというと

    ΣΣ(1/((m!)*((k-m)!))*(A^(k-m))*(B^m) (k:0~∞,m:0~k)
    = Σ(B^m)/(m!)*Σ(A^(k-m))/(k-m)! (k:0~∞,m:0~∞)

    この部分である。見にくいので簡単に書くと、

    ある級数Σa_n (n:0~∞),Σb_n (n:0~∞)があるとする。
    このとき,「Σa_n,Σb_nが絶対収束するならば」

    (Σa_n)*(Σb_n) (n:0~∞)
    = Σ(Σa_k*b_(n-k)) (n:0~∞,k:0~n)

    である

    ということを使っている。扱っているのが行列であるので、
    上の定理を拡張したものが成立しているとして証明した。
  • by Quest of Math (20493) on 2004年03月08日 14時32分 (#509800) 日記
    (e^A)の逆行列 = e^(-A)を証明する。

    (-A)*A = (-1)*A*A = A*(-1)*A = A*(-A)

    であるので、(-A)*A = A*(-A)であるので、上の証明(1)で証明した定理

    A*B=B*A ⇒ e^(A+B) = (e^A)*(e^B)

    より、零行列をGであらわすと

    e^(-A+A) = (e^G)

    e^Gであるが、指数行列の定義から

    e^G = I + (1/1!)*G + (1/2!)*G^2 + ... + (1/n!)*G^n + ... = I

    e^Gは単位行列Iになる。一方

    e^(-A+A) = (e^(-A))*(e^A)

    であるので、

    (e^(-A))*(e^A) = (e^A)*(e^(-A)) = I

    より、(e^A)の逆行列はe^(-A)である。
  • by Quest of Math (20493) on 2004年03月08日 14時43分 (#509808) 日記
    あるn正方行列Pと、その逆行列Qについてe^(P*A*Q) = P*(e^A)*Q
    これを証明する。

    e^(P*A*Q) = Σ(1/k!)*(P*A*Q)^k (k:0~∞)
    = Σ(1/k!)*(P*(A^k)*Q)
    = P*(Σ(1/k!)*(A^k))*Q
    = P*(e^A)*Q
typodupeerror

犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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