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SS1の日記: 日本独自の有人宇宙船構想の問題点 - 2 - 8

日記 by SS1

「独自」のやまい

うまく,まとまんないんで,ほったらかしてたけど,いい機会だし。「ふじ」ってコンセプトが整理しきれてないと思う。という話し。んで。とくにわからんのが「日本独自」にこだわる理由だ。

ミッションをISSとの旅客輸送に絞ると,ニーズがあるのは,主に欧州と日本。で,インターフェースを日米欧ロケットに共通化させて,共同利用しよう,という考えなら「日本独自」にやるのは,逆におかしいのだ。それに,カプセルがオーソドックスな技術というなら,技術革新による経済効果ってのも期待できない。それに,すぐ始めれば先に出来るようなこと言ってるけど,CTV/CRVは欧米の実証実験が先行しているわけで,それを追い越せるとも思えない。

で,経済効果から考えると,このうちのインターフェースの共有というのが,一番早く効果があるように思える。こないだ,ロケット三社協定が出来たけれど,それを受けて,インターフェースの共有化を促進するための共同開発を支援する。そのほうが良いと思う。こうして共通化されたインターフェースは,有人カプセルの開発より,経済的波及効果が大きいんじゃないだろうか。

有人カプセルなんて買ってくればいいじゃん。中国みたく。

                                  ***

今回,私が批判しようとしているのは「日本独自」という点だけなので,ミッションの限定は話しを判りやすくするためのものです。

で,その構想の著者の一人は,次の様に言ってる。

“コロンビアの事故ではっきりしたのは、人類が有人宇宙開発を続けるならば、基礎的なインフラストラクチャとなる有人宇宙輸送システムをシャトルのみに頼ってはいけないということだ。国家的な要請として有人宇宙開発を続けるならば、日本はどんなに小さく、簡単なものでも独自の有人宇宙輸送システムを持つ必要がある。独自のシステムを運用し、必要に応じて国際的な利用に供することこそが真の国際協力であり国際貢献である。”
「解説:シャトル事故、日本独自の有人宇宙船開発を」2003年 2月10日,松浦 晋也,日経BP

私は,日本独自に有人システムを運用することまでは否定しない。けれども,カプセルそのものが信頼性の高い枯れた技術であるなら,カプセルを欧米と共有することは運用上のデメリットにはならないと考えられる。だったら,カプセルなんか独自につくらんでもいいでしょ。インターフェースできれば。というのが私の意見。製造上の問題が気になるなら,ライセンス生産すればいい。

それに,ピンポイント着陸とはいっても,運用上は,地上着陸なら,クリスマス島や,エス・レンジのような広い場所が必要になる。そうした運用時の国際協力も考えれば「日本独自」にこだわるのは,メリットにならないと考えてるわけです。

buck number: 1, 2, 3, 4, 5

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • どんなに最低のレベルでも、日本独自の有人宇宙船構想 [nasda.go.jp]を読んできてからじゃないですか?今月に出るふじ本も読んでからの方がいいと思いますが。

    #読んでないと決めつけた理由。
    最初の
    > ミッションをISSとの旅客輸送に絞ると
    からして、こんな条件は前述の構想の中で設定されていないから。むしろそうじゃない条件が設定されているから。
    • すまん。ふじ本を読む前に,自分の論点を整理しときたかったので。

      「日本独自の有人宇宙船構」は,もちろん読んでるけど,その理解の仕方は,かなり異なってると思う。もちろん「こいつ,解かってない」という,批判は正しいと思います。が,それだけじゃ,私もわからない。

      で,「むしろそうじゃない条件が設定されている」と見るのは,どのような点についてでしょうか? ISSとの客員輸送は,構想で想定するミッションの一つだと思っていたのですが。
      --
      斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
      親コメント
      • 構想を読むに、独自というのは本当に独自であり、ISSへのミッションは基本的に想定されていない、ということです。
        逆に、1.4 有人飛行の波及効果 [nasda.go.jp]の"宇宙空間の商業利用"の項を見ると、ISSでは対応が難しいもの、できないものを行うことを謳っています。
        親コメント
        • 「ISSへのミッションは基本的に想定されていない」

          げげっ。まじっすか?【調査中・・・】

          (2.7)この宇宙船(ふじ)はどんな用途に使えますか。[faq [nasda.go.jp]]

          あらゆる宇宙活動に利用できます。月探査、宇宙観光、宇宙実験、天体観測、宇宙ステーションへの人員輸送、軌道プラットホームとの往復、人工衛星のメンテナンスなどです。【略】

          ふう・・・ あった。

          ということで,*国際*宇宙ステーションとの旅客輸送を想定ミッションとしても「私の読み違い」とまでは,いかないと思います。このあたりは,構想の「うけとめかたの違い」だと思う。

          ともあれ,「独自というのは本当に独自であり」というのは,私は本当にそうは読んでなかったので,けっこうな驚きでありました。

          ううむ・・・
          --
          斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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          • このFAQで指している"宇宙ステーション"って、基本的に3 ハードウェア構成と開発計画 [nasda.go.jp]で書かれている、ふじ拡張モジュールを使用した宇宙ステーションを指していると思います。
            でも、この"宇宙ステーション"が宇宙ステーション一般を指しており、そこにはISSも含まれる、というのは確かに読み違いなどにはならないでしょう。"うけとめかたの違い"の範囲でしょうね。

            ISSへのミッションも"そういう用途にも使えるよ"というのであれば、"そうですね"と答えるだけです。
            しかし、それがまるでメインのミッションであるように書かれるのであれば、それは誤読でしょう。(それをもって批判している以上、かなりメインのミッションと捉えているんだろう、と推測しています。)
            SS1さんの日記に書かれている文章がその通りだったとしても、否定されるのは"ふじを用いたISSへの乗客輸送"だけです。
            ISSなんて、どう考えても万人がいくところじゃないですし、そんなところ今まで通りShuttleなりSoyuzなりOSPなりで行けばいい、と私も思いますし。ふじ関係者もそう考えていると思います。

            だって、ふじの目的はそんな小さなことだけではなく、"万人のための有人宇宙飛行"なんですから。そして、それができる宇宙船構想を持っている国はないんですから。だからこその独自構想でしょう。

            独自であることを批判したいのであれば、このコンセプトそのものが必要ではないことを示さなければならないはずです。それが論理ではないでしょうか。
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            • 私の批判ネタが,いわゆる社会面記事的な色彩を帯びているので,科学的な論理にならないかもしれませんが。私に「科学的に批判を書け」というのは,まず無理だし。調べれば「誰でも」わかるという話しではありませんから。

              じゃあ,私の「…構想」の読みかたについて,いろいろ。

              「構想」でISSへの言及が無いこと:
              この「構想」は先端ミッション研究グループの発表なので,ISS利用グループの領分を侵すことがないよう「配慮した結果」なのだと見てます。そのためISS利用については「構想」のタイムスケジュールから「当然あるもの」と,私は想定してたわけです。そこへ,yosukeさんが「ISSへのミッションは基本的に想定されていない」 ときたから,ぎゃっとビックリしたと。
              実際に「ふじ関係者もそう考えている」かどうかは・・・ ええと。機会があれば確認したい興味深い点ではありますね。「ふじ本」に,期待してるポイントかも。

              「万人のための……」という目的について:
              国家予算を使うのであれば,はじめに万人が望んでいる,ということが自明の前提になるので,これは目的というより「ふじ関係者」の願望ですね。で,彼らは現在,その願望を成就させようと活動しているともいえるわけで,その努力は評価してます。

              じゃあ,「オープンハード」は?:
              ギャース!
              わしゃしらん。のーこめんと。ぶるぶる。(オチ)
              --
              斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
              親コメント
              • ありがとうございます。ずれがどこにあるか、ようやく私にもわかってきたような気がします。ISSの捉え方についてですね。

                宇宙開発関係者の一部には、"政治的な妥協の産物であり、予算ばかりかかって大して成果の出そうにない"ISSを毛嫌いする声があるようです。MEFのメンバーやSACのメンバーが、ML上や野尻ボードなどでそのような書き込みを行ったことも何度か見ました。
                それが前提にあるため、ISSについて明示的に言及されてないのは、当然ISSへのミッションを考えていないからだ、と捉えました。実際に考えていないと私は思いますが、それはふじ本が出るまで待ったほうがよさそうです。

                ここまで長々とつきあって頂いたあとに、さらに申し訳ないのですが、最後にもう1つだけ。

                > 「万人のための……」という目的について:
                > 国家予算を使うのであれば,はじめに万人が望んでいる,ということが自明の前提になるので,これは目的というより「ふじ関係者」の願望ですね。

                ええ。その通りです。
                でも、ふじ関係者ではない私の願望でもあります。それがどの程度の割合の人の願望でありえるのかがポイントになるのでしょう。
                ところで、SS1さんは宇宙に行きたくありませんか?
                親コメント
              • こちらも,色々と参考になっております。

                80年代のSFMの野田昌宏のエッセイで,“政治的なショー”,“予算が膨大”,“科学的な成果が得られない”という批判があることを取り上げてましたね。こいつの場合はISSじゃなく,有人宇宙計画そのものが批判の対象でした。うろおぼえですが。
                この種類の意見は,ほとんどが伝聞形式で伝えられているものばかりで。真面目に根拠を示したものではなければ,私はつきあいたくないです。

                で。ISSの捉え方についてですか。

                有人宇宙開発は,そもそも戦略的,政治的,情緒的で,ぶっちゃけ,宗教性の強いものだと思っています。

                ISSは冷戦時代の終結を寿ぐ記念事業として建立され,それから宇宙人口をゼロにしないという使命があると思います。だから,ISSは長期的に継続されるし,ときどき立て替えながらも存続していくと,私は予想してます。

                というわけで,これを日本的な宗教観にマッチさせるなら,ISSは伊勢神宮みたいなもので。月旅行は霊峰登山に対応するわけだ。よって,ISS訪問が,より大衆性の強いミッションになるわけやね。

                宇宙旅行が一般化されるころには,ISSの基本ミッションは完了してるから,観光目的で行くには最適な場所になっているでしょう。千年も経過すれば,ISSも宗教法人化されて「宇宙の巫女」がいるかも。
                --
                斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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