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SS1の日記: books: 日ペンの美子ちゃん

日記 by SS1

あの素晴らしい日ペンの美子ちゃんをもう一度

この70年代べたべたなタイトルの本。「日(にっ)ペンの美子(みこ)ちゃん」とは,70年代から少女マンガ誌の裏表紙で連載された広告で,この広告にマンガを使うというスタイルは,おそらくこれが初めてのものでもある。知る人ぞ知る「テキストはバインダー式で・・・」という有名なフレーズがここから始まった。当時の少年マンガ誌の読者なら「シークレット・シューズ」の宣伝を必ず覚えているように,国民的な,と呼べる知名度を獲得した広告だ。

とくに,まつもとみな先生作画の3代目美子ちゃんが,アレゲ的には高く評価されるべきで,ここから「プラモのモ子ちゃん」とか,「満開の電子ちゃん」とか,「とらのあなの美虎ちゃん」など,その他,多くの著名なパロティを生んでいます。というか,作者のまつもとみな先生は,特撮物のパロディ作品を上梓しているそうな(なんと商業誌でだそうです)。

本書は「日ペンの美子ちゃん」は,今年で誕生35周年になることを記念して刊行され,これまで噂レベルでしかなかった歴代作者のもう一つのペンネームがインタビューとともに明らかにされる。

これまで,このような本が発表されなかったのは,やはり広告メディアだったということが大きな制約になったのだろう。それをクリアして,まとめられたのはすごいとおもう。

たとえば3代目美子ちゃんのペット,リンクの真中のコマだけど,このピ○チュウみたいなのは,まつもとみな先生の創作したウサギネコというオリジナルキャラだそうである。あのウサギネコのキャラクター権を行使すれば「阪神優勝」どころではない騒ぎになりそうな気がする。

また同書では,フキダシのセリフがすべて写植に打ち替えられているんだけど,私の記憶だと,3代目美子ちゃんまで手書きだったのが,それが典型的な「まる文字」で,それにクレームをつけた熱心な読者(笑)の指摘により,それからは写植になったんだと記憶してる。

著者は「磯野家の謎」の執筆者の一人でもあり,ほんとはもっと,つっこみどころを紹介したかったろうと思われるが・・・

ともあれ,「日ペンの美子ちゃん」の影響の広がりは大きく,もし「日ペンの美子ちゃん」なかりせば,山根一真は『変体少女文字の研究』なんてしかったように思うし,そしたら大塚英志は『少女民俗学』なんてフィールドワークもやらなかったとおもう,ということは,宮代真司のブルセラ研究も(たぶん)なかったわけで,その影響は,評論史的にも(笑)はかりしれないものがあるのだ。

本書は「萌え」と「少女マンガ」のミッシング・リンクを繋ぐ,貴重な参考資料のひとつとなるだろう。 ・・・なんちゃって(死語)。

がくぶん公式ページ佐藤元有限会社ポチ

bk1esbooksamazon

(文中敬語略,但し少女マンガ家は例外)

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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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