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スラド

SS1の日記: 回転ドアの原罪:10Jの法則 1

日記 by SS1

今月の文芸春秋11月号に,失敗学の畑村洋太郎が,“回転ドアの原罪”という記事を書いている。内容的には同氏が現在行っている「ドアプロジェクト」の中間報告なのだが,国交省が「自動回転ドアの事故防止対策に関する検討会」で出したガイドラインに,とても強い危機感をもっているのがわかる。というのも,このガイドラインでは,事故を防ぐことができないし,逆に「ガイドライン」に従ったということで,業者が免責されるようなことになりかねない。と危惧しているようだ。

その根拠として出てくるのが「10J(ジュール)の法則」である。これはエレベーターなどの業界では常識となっている経験則で,ドアの運動エネルギー(重さ×スピード・・・の2乗)を10J以下に抑えなければ,必ずケガ人がでるのだそうである。で,問題の回転ドアは,回転を無視して計算すると,およそ860J。という信じられない値になる。

ようするに,回転ドアは,傍から(他の業界から)見れば「いまでも事故が起こらないほうが不思議」な,危険な代物なのだ。

こっちの委員会の報告は読んでいないんだけど,責任追及が同時に行われているときに,監督官庁が主催する委員会で関係者が集まっても,事実が明らかにならなかったり,業界の常識にとらわれてしまったり。と,原因究明には困難さがつきまとう。

なにより悪いのは,この手の委員会の勧告やガイドラインがアリバイ的に使われれば,より無責任な行為を促進してしまう。ことではないかと思うのだが・・・

自動回転ドアの事故防止対策に関するガイドラインについて
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/07/070629_2_.html
文芸春秋
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm
失敗学会
http://www.shippai.org/shippai/html/

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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」

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